April
24
2020
16:11
THE NIGHT OF THE HUNTER
邦題「狩人の夜」
映画レビューサイト総合偏差値:3.82
国内映画レビューサイト偏差値:3.74
海外映画レビューサイト偏差値:3.96
だい評点:★★
USA
1955年7月26日公開
監督:チャールズ・ロートン
出演:ロバート・ミッチャム、ビリー・チャピン etc
製作:ポール・グレゴリー・プロダクション
配給:ユナイテッド・アーティスツ
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
自分を伝道師だと思い込んだまま、未亡人を殺しながら盗んだ車で旅を続けるハリー。ある夜、ダンスショーを観劇中に、盗難車を見つけられて逮捕され、禁錮30日の判決が下る。同じ頃、ジョンとパールの兄妹が庭で遊んでいるところに父が警察に追われながら帰宅し、銀行強盗で得た1万ドルを隠し始める…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
戦慄のサイコ。
ロバート・ミッチャム演じるハリーがサイコすぎる映画、
って見られがちだけど、
これ、映像の撮り方とか脚本とかも含め、
どう見ても監督のチャールズ・ロートンがサイコみあるよなぁ。
サイコみのない人が頭で作れるサイコ感じゃないんだよなぁ。
と考えてみると余計に怖いわ。。
でもね、何なんだろう。
ストーリー自体は悪くないんだけど、
パールとかルビーとか、頭悪すぎじゃね?
パールくらいの年の女のコってさ、
もうちょっと利口じゃない?
俺も昔音楽教室で働いてた時に、これくらい年頃の子たちたくさん見てきたし、
身近でも姪とか、マサーコの娘のりょーこちゃんとか、
みんなむしろ小狡くて警戒心強いよ?
パールみたいな、
「腕へし折るぞ」まで言われても疑わないとか、
こんな白痴みたいな子供じゃないんだけどなぁ。
「禁じられた遊び」とか「バニー・レーク」とかもそうだし、
この時代の映画の子供の描き方って、
頭悪すぎてやばいレベルだと思うんだけど、
当時はこんな感じだったん??
これがあるから、子供が出てくる映画って苦手なんだよなぁ。
でも当時の映画でも、
「疑惑の影」の妹とか、「わが谷は緑なりき」の主人公とか、
きちんとした子もいるから、
やっぱ監督の描き方の問題ではあるんだろうな。
だからこの作品も、
観てる間ずっと、怖いとかいう以上に、
パール頭悪くてイライラしかねぇぇぇぇぇ!!!!!
っていうのがモヤモヤする。
母親も近所も頭おかしいし、
船小屋の親父も頭悪すぎやろ!
「通報したら疑われる…」って、
いつも湖にいるのに、通報しないで後で見つかるほうがよっぽど容疑深まるだろ!!
ジョン以外にマトモな頭持ってる人がいないから、
ずっとただイライラし続けた中、
スプーンおばさんが出てきたのが観てるほうにとっても救い。
ってかジョンも、
ハリーが母殺しの容疑で逮捕された時に、
お金あげるから~、って、
お前、あの状況で母殺されてないと思ってたんか!?
だったらどこ行ってると思ってたんや!?
そんなわけで、
終盤までひたすらイライラしっぱなしの映画。
映画に求めてるのってイライラじゃないんだよなぁ。
母親役のひと、どこかで見たような、
と思って調べたら、「陽のあたる場所」の人か!
あのちょうどいいブス感、
田舎の純朴な娘役がハマりすぎててすごい。
April
24
2020
10:40
LES DIABOLIQUES
邦題「悪魔のような女」
映画レビューサイト総合偏差値:3.88
国内映画レビューサイト偏差値:3.83
海外映画レビューサイト偏差値:3.96
だい評点:★★
フランス
1955年1月29日公開
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
出演:シモーヌ・シニョレ、ヴェラ・クルーゾー etc
製作:フィルムソノール
配給:シネディス
◎ルイ・デリュック賞
◎エドガー・アラン・ポー外国作品賞
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
パリ近郊の私立寄宿学校デュラサール学園。Cクラスを受け持つ校長の愛人ニコルは翌日からの3連休を持ち家のある近くの町に帰る予定を立てていた。彼女は今朝校長に暴力を振るわれ怪我をしたのだが、Dクラスを受け持つ校長の妻クリスティーナとそのことで口論を始め…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
サスペンス映画のベスト本とかみたいなやつでよく名前の挙げられる作品なので、
めっちゃ期待して観たんですよぉ。
めっっちゃっちゃRomancin’気分ちゃちゃ。
ところがね…
クリスティーナ!
UZAI! UZAI! UZAI!
やると決めたなら最後までやれ!
中途半端なトコでヘタレたら事態悪化させるのわかるだろ!
あと、死体発見されないのなんて放っとけ!
っていうか本気で発見させたいならまず警察に通報せえ!
結果的にね、
クリスティーナの頭が悪すぎて、
イライラしっぱなし。
ストーリー的にはさ、
クリスティーナに感情移入しないと話面白くならないのに、
バカすぎて感情移入できないから、
終盤のストーリー展開も、
ああ、そうよね…
って感想しか抱けなかったわ。
っていうか、クリスティーナがこの体たらくだと、
死体発見されずに心臓の違和感出始めたトコで、
ああ、そういう筋書きか…
ってなっちゃうよね。
これでクリスティーナが心臓弱いけど切れ者、
とかって設定だったらもっと違う結末想像してたかもだけど、
あの様子じゃこれにしかならん。
そして何よりもニコール。
彼女の悪女っぷりに戦慄する映画っていう位置付けだと思うんだけど、
その後のファム・ファタールものとかで、
もっとヤバいレベルの悪女たくさんいるから、むしろ優しいレベル。
でもね、
最初のシーンからずっと、
“ミスター女子プロレス”神取忍にしか見えんのですよ!
そのせいで、死体を運ぶシーンも、
お前なら軽々行けるやろ…
とかつい思っちゃう!
もしミニョレ女史が当時美人扱いされてたんだとしたら(知らんけど)、
神取は生まれてくる時代も場所も間違ったわ…
April
23
2020
13:44
ON THE WATERFRONT
邦題「波止場」
映画レビューサイト総合偏差値:3.67
国内映画レビューサイト偏差値:3.50
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★★
USA
1954年6月22日公開
監督:エリア・カザン
出演:マーロン・ブランド、エヴァ・マリー・セイント etc
製作:ホライゾン
配給:コロンビア
◎アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、主演男優賞、助演女優賞
◎ヴェネツィア銀獅子賞
◎ゴールデングローブ作品賞、監督賞、撮影賞、男優賞
◎英アカデミー外国男優賞
◎伊シルバーリボン外国映画賞
◎NY映画批評家サークル作品賞、監督賞、男優賞
◎NBR最優秀作品賞
◎ボディル米映画賞
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
波止場の管理小屋から出てきた数人の男たち。その下っ端の男は、古びたアパートメントの外でジョーイという男を呼び出し、屋上に誘い出すことに成功する。男が下で待っていると、屋上からジョーイが突き落とされ…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
おい!
音楽うるせぇぞ!!
コントじゃねぇんだから、何かある度に音楽かけんじゃねぇ!
BGMの多用はマジでリアリティ喪失の元凶だって気付いてほしいんだよなぁ。
っていうかねぇ、
アカデミー賞8部門受賞??
わからぁぁぁぁぁんんんん!!!!!
この年、他にろくなの無かったん?
と思って調べたら、
ダイヤルM、裏窓、ケイン号、2万マイルとかだから、
まぁ確かにな…
この作品の何が何って、
登場人物の感情の変化早すぎて、
観てるほうついて行けないマッハのスピード感!!
葛藤のようなものがね、無いんですよ!
悩んで悩んで悩んだ結果、ついに決意!
みたいなのじゃなく、
ちょっとしたきっかけで音速でサイドチェンジ!!
テリーだってさ、
証言を決意するまでにそんなに悩んだ??
兄貴と恩人に楯突くってのに、
血を吐いて身を切るような悩み方全然無かったじゃん!
兄貴殺されて「よし、俺はやるキリッ」ってね、
重みが無いんですよ!!!
イディだってね、
兄が殺された元凶がテリーだって気付いて心を閉ざしたのに、
鍵ぶっ壊して家宅侵入されて、
ちゅぅされたらすぐに「信じるわ!」ってさ、
お前にとって兄とは?????
労働者たちもさ、
仕事の割り振りの時はテリーを白い目で見て、
誰一人テリーの味方してなかったのに、
殴り込みに行った途端、急に応援に回ったりとか、
なぁ、いつ気が変わったん????
テリーかわいそうだけど俺たちじゃどうにもならないしなぁ、
感すら少しでも漂ってたならともかく、
あいつ邪魔なんだよなぁ、からの、
急な「がんばれテリー!!」
わけがわからんですよ!
感情が変化していく過程って、
悩んだり、いろんな出来事が積み重なったり、
こっちにしたいな、でもやっぱこうなんだよな…
が繰り返されて、初めて何らかのきっかけで決意するのに、
きっかけ以外全部ぶっ飛ばしてるじゃん!!!!
なんかねぇ、芯が無いんだよな。
でもよく考えたら「エデンの東」の時も思ったから、
人の葛藤とかを描くのが苦手な監督なんだろな。
でもさすがに、
ゴールデンウォリアーの子供たちの葛藤は描いてあげないと、
テリーも子供たちも浮かばれんぞ…
April
19
2020
10:58
DIAL M FOR MURDER
邦題「ダイヤルMを廻せ!」
映画レビューサイト総合偏差値:3.81
国内映画レビューサイト偏差値:3.67
海外映画レビューサイト偏差値:4.07
だい評点:★★★
USA
1954年5月29日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:レイ・ミランド、グレース・ケリー etc
製作・配給:ワーナー・ブラザーズ
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
マーゴの読む新聞には推理作家マーク・ハリディの乗る客船が到着するニュースが載っていた。1年前まで2人は愛人関係にあった彼を、マーゴは夫である元テニス選手のトニーと会わせようと家に招待したが、話の中で実はマーゴがマークからの手紙の件で何者かに脅迫されていたことが判明し…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
約20年ぶりの視聴!
さすがに20年ぶりともなるとディテール覚えてないなー。
どの人物目線で観るかによって、
感覚違うんだろな。
俺は不倫・浮気絶対許せないマンなので、
夫の犯行バレないでくれ視点だったから、
押し掛けてきたうえに、嘘のストーリーで自白して罪かぶれっていう愛人のウザさがヤバいレベルでイライラ。
っていうか、
そりゃあ夫もあそこまでやるのはアレだけど、
どう考えても愛人の男がいちばんクズじゃね?
・そもそも愛人の夫がテニス遠征中に不倫関係に
・帰国中、愛人から手紙が来なくなってもしつこく手紙を送り続ける
・愛人には夫に早く離婚を切り出せと迫り、その間は普通の友人として愛人の夫と交流する
・愛人宅に押し掛け、でっち上げの筋書きを考えたから、あんたは罪被ってくれと夫に迫る
すがすがしい程のクズ!!!!!
こんなクズが最終的に何事もなく正義面してるのがどうも腑に落ちない感。
理論上完璧に練られた完全犯罪もね、
ちょっとしたアヤでシナリオにズレなんて生じるし、
1個のズレが増幅されてどんどん大きくなるのよ、
って。
誰かが考えた計画が、
その通り寸分違わず実行できるのはね、
そんなのは小説の中だけなのよ。
って。
そのへんのアイロニーが利いていてプロットはすき。
妻の気まぐれ。
勧めたのがスクラップのせいでそこにハサミがある。
時計の故障。
席を立たせてくれない友人の長話。
前の人の長電話。
そしてこの話の中で最も重要な点である、「鍵をいつ元の場所に戻すか」の考え方の差違。
さらに何とか上手く乗り切っても、突如押し掛けてくる妻の愛人。
思ってもいないことなんて、
いくらでも起きるんだよ!
犯罪を企図するよりも、不貞を訴え出たほうがよっぽどコスパ良い。
でもマジでね、
浮気するやつは殺されても仕方ないのは事実だぞ!
April
19
2020
10:34
ISLAND IN THE SKY
邦題「男の叫び」
映画レビューサイト総合偏差値:3.05
国内映画レビューサイト偏差値:2.85
海外映画レビューサイト偏差値:3.33
だい評点:★★★
USA
1953年9月3日公開
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
出演:ジョン・ウェイン、ロイド・ノーラン etc
製作:ウェイン・フェローズ・プロダクション
配給:ワーナー・ブラザーズ
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
カナダ上空をフライトするドゥーリー機長の小型機は、気温マイナス10℃の環境で氷結の危機にさらされていた。オーロラの影響で近隣の管制との通信も途絶され、着陸しようにも飛行場の場所も距離もわからない状況に陥っていた…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
はい!ワタクシの大好物「雪山パニックもの」でございます!
俺なんでこんなに雪山パニックものが好きなんだろう。
って、考えてみたらですね、
たぶん、危機感が伝わるからだと思うんですよねぇ。
我々道民にとっては、
真冬に軽装備で何日も放置されるってそれだけで、
死ぬやろ!!!!!!!!!!
っていう確信しか感じないからね。
普通の遭難なら、自分が遭難したことないってものあって、
ワンチャン頑張れば生きてられるかも!?
と思うけど、
雪山遭難を想像した瞬間に、
いや、死ぬやろ!!!!!!!!
しか思わないもんなぁ。
まして雪崩発生!とかなったら、
生存確率ゼロやろ!!!!!!!!
以外の感想がない。
道民にとって、
いちばん身近にある死って、凍死だよなぁ、
と、思うわけです。
そんな中、大好きな「牛泥棒」のウィリアム・A・ウェルマン監督の雪山もの。
どうでもいいけど、「・A・」って、顔に見えるね。
レビューで「ウェルマン監督って何で日本で評価低いんだろう」ってのを読んだんだけど、これ観て完全にわかったわ。
危機感よりも信仰が上位に来てるんだな。
「牛泥棒」では、妻への日常的なメッセージよりも、神の考えとはどういうものか、ってのが遺書のメインだったし、
「戦場」では、襲撃される虞がある中でも戦没者への祈りを優先してたし、
今回もそう。せっかく僚機からの通信が来たから絶対に逃しちゃ行けないタイミングにも関わらず、死者の葬送を優先する。
あのね、
まずは生き延びることが優先やろ!!!!!!!
ってのが現代のごくごく通常の価値観なのに、
この監督って、むしろ信仰が優先なんですよ。
そりゃあ日本での評価上がらないわな。
それが貫かれてるから、
ジョン・ウェイン演じるドゥーリー機長も無茶苦茶言うんですよね。
部下から、わー助けてーどうすればいいんだろうー!って言われても、
「祈れ!!」としか言わない。
俺、上司がこんなならマジでぶち切れるわ。
あとあれな。
木や枝ででっかくHELPって文字作っておけば見つかりやすい、
って救助例とかあるじゃん?
そういうのやらないから、ああ、この時代はそういうアイディア自体なかったんだな、
って思ってたら、
僚機に発見してもらってから、
「LOVATT DEAD」って。
そのアイディアあるなら最初から「HELP」ってやっとかんかい!!!!!!!
まあそんなこんなツッコミ所あるけど、
特にあんな極寒で操縦席の窓開けたら死ぬぞ、
下手したら閉まらなくなるぞ、
とかあるけど、
総じて好きですよ。
主眼としては遭難側のサバイバルものというよりは、
捜索側の仲間意識の強さを描いた作品という感じ。
こういう男の世界の映画好きだからなー。
1950年になっても、
まだ地図の空白地帯ってあったんだな、ってのがすごい。
冒険心くすぐられるよね。
April
17
2020
14:43
STAGE FRIGHT
邦題「舞台恐怖症」
映画レビューサイト総合偏差値:3.38
国内映画レビューサイト偏差値:3.35
海外映画レビューサイト偏差値:3.44
だい評点:★★★USA
1950年2月23日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェーン・ワイマン、リチャード・トッド etc
製作・配給:ワーナー・ブラザーズ
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
イヴとジョニーは警察を巻いてイヴの父親の船へ逃げるところだった。警察に追われている理由をイヴが尋ねると、ジョニーは数時間前の出来事を語り始めた。愛人関係にある人気女優のシャーロットが突然訪ねてきて、夫を殺してしまったと言うのだった…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ヒッチの作品って、最初に犯行のあらましから始まるやつけっこうあるじゃん?
「第3逃亡者」とか「私は告白する」とか「ロープ」とか。
今回はそっちパターンか。
あーあ証拠燃やしちゃったよ。
普通に警察行った方がいいのに無茶するから逆効果じゃね?
とか思いながら中盤観てたんですよ。
わりと退屈だな。
盗聴仕掛けるのか、力業だな。
罠にかけて自白させるとか、けっこう無理矢理な解決じゃね?
とか思いながら終盤観てたんですよ。
あれ?
自白してもおかしくない場面で、
まだ無実の主張続けるの???
あれ?
もしやこれって、冒頭の…
ヒ ッ チ や り や が っ た な !!!!!!
あの場面でも自白しない
→これホントのこと言ってんじゃね?
→ということは…
からの一気の畳みかけ!!
クリスティのアクロイドを思い出すような冒頭の大仕掛け!
たしかにあれって全部、ジョニーの説明なのよな。
ヒッチ定番の最後のラッシュがこんな形で来るとは!!
1時間以上、効かないジャブを打たれ続けて油断したとこへのタイソン級ストレート。
めっちゃいいKOされたわ!
映画始まる時に、
「SAFETY CURTAIN」って書いてある幕が上がるオープニングだったから、
あれ?原題SAFETY CURTAINだっけ?って思ったんだけど、
wikiで調べると、欧米の劇場には鉄製の防炎シャッターみたいなのが設置されてんのな。
SAFETY CURTAINを下ろして事件の幕が下りる。
っていう構成はおしゃれやね。
でも、最後あれ下ろす必要あった??
April
17
2020
14:02
BATTLEGROUND
邦題「戦場」
映画レビューサイト総合偏差値:3.49
国内映画レビューサイト偏差値:3.43
海外映画レビューサイト偏差値:3.62
だい評点:★★★
USA
1949年11月9日公開
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
出演:ヴァン・ジョンソン、マーシャル・トンプソン etc
製作・配給:MGM
◎アカデミー脚本賞、撮影賞
◎ゴールデングローブ脚本賞、助演男優賞
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1944年12月、ドイツ第47機甲師団は、戦略上の要衝としてベルギーのバストーニュへの進撃を企図していた。そんな中、パリ郊外の米軍基地ではクリスマスムードが漂っており、翌日の休暇の過ごし方を兵士たちがそれぞれに考えていたが…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
こういう映画では、
いつも問題が発生するのである。
みんな軍服着てるから、見分け全くつかねぇぇぇ!
どこかで見たことある大男・ホリーだけは早めに見分けつきました。
どこで見たかな~、と思って調べたら、ケイン号のマリクだった!
たしかに見た目はそうだけど、正反対のキャラだから気付かなかったぜ。
あとは眼鏡のハンセンだけしか見分けのつかないまま、
ストーリーは進む進む。
何て言うかね、
リアル路線の戦争映画だよね。
レビューとか読むとね、
陽気でコメディタッチなので緊迫感に欠ける~、
みたいなこと書いてる人もいるけど、
いやぁ、実際あんなもんだと思いますよ。
いつ戦闘に突入するかわからないからこそ、
歌ったり、多少のジョークでも飛ばしてないと精神が壊れちゃう。
そして包囲された後の疲弊、
バストーニュで残飯を漁る住民、
そして何よりも、
銃撃戦での焦燥と狂乱!
あの銃撃戦の息を飲む迫力、
これはヤバい!
死の恐怖と戦いながらの、
あと少し待て、あと少し待て、のジリジリ感!!
リアルだよなぁ。
ストーリー自体は中身なしです(笑
バストーニュ攻防戦での局地戦そのものに焦点を当てたものなので、
個別のドラマは個々の口から語られる簡単なものだけ。
だから、起承転結のあるドラマを期待してる人には物足りないだろな。
でもね、
この映画はあの戦闘シーンで充分だと思うんですよねぇ。
あの、努力だけではどうにもならない、
偶然の要素も強い「死」をすぐ横に感じながらの必死な時間。
咄嗟の行動ができないからブーツは履いて寝ろと言われてたのに、
それを守らなかったがゆえに死ぬこともある。
動くなと衛生兵から言われてたのを守っていたがゆえに死ぬこともある。
戦闘中の死なんて理不尽ですわ。
兵力や戦略で、大局としてどっちが勝つか負けるか、これを左右はできる。
でも、どんなに大局有利であっても、
戦闘の中では死ぬ兵士もいる。
勝つとか負けるとかどうだこうだじゃなくて、
生きるためには、殺すしかない。
戦闘に入っちゃえば、それだけなんだよね。
ってのを感じられるいい作品。
April
16
2020
11:50
静かな雨
映画レビューサイト総合偏差値:3.45
国内映画レビューサイト偏差値:3.45
海外映画レビューサイト偏差値:—-
だい評点:★
日本
2020年2月7日公開
監督:中川龍太郎
出演:仲野太賀、衛藤美彩 etc
製作:WIT STUDIO、Tokyo New Cinema
配給:キグー
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
大学で教授の助手を務める行助は、いつものように目覚まし時計を止めてソファベッドから身を起こし、身支度をして大学へ向かう。そんな日を過ごしていた。そんな彼の毎日の最大の楽しみは、途中のパチンコ店の駐車場の一角にあるたい焼き屋に寄ることだった。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
これ、絶対俺の涙腺にクリティカルヒットするやつじゃん!
と思って観に行ったんですよぉ。
邦画なんてめったに観ないのに、
記憶障害で恋人の記憶を留められないとか、
俺的にいちばん泣くやつじゃん!
と思って観に行ったんですよぉ。
地 雷 踏 み !!!!!!
あのね、
正直レビュー書くのもつらくなるレベルで地雷でしたわ。
何が何って、
えっっっ、何を表現したいの?
って。
好きな人(片思い)が、事故でそれ以降の記憶を蓄積できない障害を負ってさ、
まずどうするかめっちゃ悩むとこだろ!!!!!
即「一緒に暮らそう」って。
お前、これ幸いと好きな人と既成事実作りに行っただけやないか!
いろんなこと悩んで悩んで悩んだ結果の提案ならそれでいい。
目覚めて即日それか!
こよみが家に来た瞬間の表情とか、
お前どう見てもただ喜んどるだけやないか!!
で、
その後延々と繰り返される、
好きな人と同棲して幸せですエピソード。
まぁその中でも、
毎朝繰り返される珈琲からの説明イベント。
昨日買った電球がどこ置いたかわかんない。
楽しかった焼き芋の記憶覚えてない。
まぁ、いろいろ溜まるよな。
どこかで将来どうやっていくのかって、
そういう葛藤にぶち当たるんだろな。
って思ってたらさ、
爆発ポイント、元彼への嫉妬かい!!!!!!
そして言い出したのが、
「ぼく、ブロッコリー嫌い!見るのも嫌!」
死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!
あのな、
好きなものだろうが嫌いなものだろうが、
覚えてられないの前提で家に呼んだんじゃないんかい!
お前が来いって言うから来たんだろが!!
ブロッコリー嫌いなの覚えてもらえてない?
そんなんも受け容れる覚悟もできてないのにお前は女を一緒に住まわせたんかぁぁぁーーーー!!!!!
ねぇ、何なの?
今の二十歳そこそこの男って、こんななの?
自分のやったことに覚悟も持てないの?
やせ我慢でもいいから格好付けようと思わないの?
そして出て行ったこよみを見つけて、
ソファで二人寄り添い合う。
なんやねん!結局好きな人といる幸せで悩み捨てたんか!!!!
いや、でも、さすがにそろそろ将来を考えていろいろ悩み始める頃だろう。。
と思いつつまたもや繰り返される、
ただの幸せな日常をぼーっと眺めていたら。
突如流れ出すエンドロール!!!!!!!
いや、そんなはずはない。
こんな大変な状況なのに、
「えへへ、ぼく幸せです」
だけで終わるわけがない。
これは、あれだな。
本編の9割くらいのとこでエンドロール流しておいて、
最後にイベント起こして終わるやつだな!
と思って、エンドロール中もただひたすら幸せそうにたい焼き分けあっこしてる二人を眺めていたんですよ。
そ の ま ま 終 わ り や が っ た
ねぇ、何なのこの映画?
好きな人が記憶障害になったのをいいことに一緒に住むことにしました。
大変なことも少しあるけど、総じて幸せです。
何の悩みも見えない、
基本的に主人公が鼻の下伸ばしてるだけの映画、
えっ、これって観る価値あるの?
階段から始まる二人の物語、
満月のモチーフと隕石のニュース、
君の名は。を強く意識してるよね。
記憶を持てないこよみ。
脚の不自由な行助。
決して満月でない二人が、
暦を留められないこよみと、
前に行くのが容易ではない行助が、
記憶よりも大事なものを抱きしめながら必死に前に進むストーリー。
名前だけ見ても、
そうでなきゃいけないと思うんだけど、
前に行くことへの必死さが何も見えなかったんだよなぁ。
見えなかったんだよなぁ。
April
12
2020
02:03
QUAI DES ORFEVRES
邦題「犯罪河岸」
映画レビューサイト総合偏差値:3.73
国内映画レビューサイト偏差値:3.67
海外映画レビューサイト偏差値:3.85
だい評点:★★★
フランス
1947年9月9日公開
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
出演:ベルナール・ブリエ、ルイ・ジューヴェ etc
製作:マジェスティック・フィルム
配給:コロナフィルム
◎ヴェネツィア国際映画祭監督賞
◎エドガー・アラン・ポー賞最優秀外国映画賞
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
二人の女性歌手が仕事を探しにレオパルディ・エージェントにやってきた。そこでは演芸場「エデン」でピアノ伴奏者として働くモーリスがレッスンをつけていたが、彼の妻で同じく「エデン」で働く人気歌手のジェニーが歌の教師から太股を触られていることがどうしても気になってしまい…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
面白かった!
途中、相当強引なやり方で自白を引き出そうとする警察たちに胸糞感はあったけど、
それなのに見終わった後はわりと爽やかな気持ちになるのがすごい。
プロットが絶妙なのは、
終盤、ついにモーリスが完落ちになって、
あー、ついに芋づるでジェーンまで辿り着くかー。
と思ったタイミングで、銃を探し始める警察。
えっっっっっっ!!!!!!!
もしや真犯人、別にいる????????
って終盤で急に目線変えてくる力業!!
この仕掛け方、
さすがフランスのヒッチコックだわぁ。
逆に言うと、
視聴者はジェーンの犯行方法を知っている。
警察は実際の死因を知っている。
そのズレが、それぞれの逆側を聞いた瞬間に、
ほぼ同時に繋がったんだよな。
映画の中の警察と、観てるこっちがシンクロする。
この仕掛けって地味にすごいと思うのよな。
なお、
ジェーンは見た目は良くないけど、
歌が上手すぎて、
最初のステージだけでも保存版だと思うわ。
April
10
2020
18:04
OUT OF THE PAST
邦題「過去を逃れて」
映画レビューサイト総合偏差値:3.83
国内映画レビューサイト偏差値:3.77
海外映画レビューサイト偏差値:3.96
だい評点:★
USA
1947年11月25日公開
監督:ジャック・ターナー
出演:ロバート・ミッチャム、ジェーン・グリア etc
製作・配給:RKO
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
「ジェフ・ベイリー」の看板を掲げたガソリンスタンドにやって来た男が、働いている少年に店主ジェフの所在を尋ねるが留守だという。仕方なく向かいのカフェでジェフを待つことにした男だが、その店ではちょうど女主人と常連客がジェフの噂をしていて…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
久々に、
観て損した!!!!!
と思ったやつ!
嘘ばっかつくし、バレそうになったらとりあえず殺そうとする性悪女。
依頼主に嘘ついて仕事中に女と逃げるわ、言うべきこともはっきり言えないわのだらしな男。
悪いことやって稼いでるわりに、裏切り者の言うことも何故か信じちゃう単純男。
長いものには巻かれとけ感で、上にはペコペコ、目下の人にはめっちゃ無礼な小判鮫男。
上映時間のうち8割方、
こんなしょーもない4人のドタバタを見せられ続ける。
面白いわけあるかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
あのね、クズですクズ。
K、U、Z、U。
逆から読んだら疼く。
もう疼くくらいイライラしますよホント。
まともな人がアンしか出てこないし(少年は別枠)、
その唯一のまともな人が最後に傷ついて終わるとか、
え?
この映画高く評価する人って、
鬼畜なの?陵辱マニアなの??
最後はね、ダメよあれは。
あの形にするとね、アンにとって黒歴史ができちゃうんですよ。
忘れろ、ってことを言いたいんだろうけど、
いい想い出を忘れるのと黒歴史を忘れるのではね、
労力も違うし、
何よりも自己否定が生じちゃうんですよね。
愛してるなら!なおさら!
愛する人にそんな黒歴史を負わせちゃダメです。
とかなんとか。
思いながらモヤモヤしかなく終わった。
ロバート・ミッチャムね、
他の役者がわりと見分けがつきにくくて難儀する中、
彼だけは独特の顔で間違えないからいいわ。
個性は大事。