月別アーカイブ: 5月, 2020

film0230: UN CONDAMNÉ À MORT S’EST ÉCHAPPÉ OU LE VENT SOUFFLE OÙ IL VEUT (1956)

May 22 2020 10:44

UN CONDAMNÉ À MORT S’EST ÉCHAPPÉ OU LE VENT SOUFFLE OÙ IL VEUT
邦題「抵抗 -死刑囚の手記より-」
 
映画レビューサイト総合偏差値:4.07
国内映画レビューサイト偏差値:4.03
海外映画レビューサイト偏差値:4.14
だい評点:★★★★★
フランス
1956年11月11日公開
監督:ロベール・ブレッソン
出演:フランソワ・ルテリエ、シャルル・ルクランシュ etc
製作:ゴーモン、NEF
配給:ゴーモン
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1943年、ドイツ占領下のリヨン。フォンテーヌ中尉はナチスに逮捕され、連行される車内から逃走する機会を窺っていた所に運良く路面電車が横切り護送車が停車。果敢に脱出を試みるが、後続の護衛車によりすぐに取り押さえられてしまい、拳銃の銃身で殴られ大怪我を負う。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
これはね、素晴らしい!
 
ベッケル監督の「穴」よりも前なんだな。
ってことはこっちが元祖か。
フランスには優秀な脱獄映画を生み出す風土がある…?
 
例えばUSAなら「第十七捕虜収容所」みたく、
どんな人がどの場面を見ても楽しめるような、
いろんな要素がごちゃっと詰め込まれて盛り沢山だけど。
 
「抵抗」といい「穴」といい、
もう目的は脱獄だけで、
脱獄を目指す、ただひたすらにそのための場面以外一切ない。
もちろんBGMもない。
余計な物を削ぎ落として、芯だけにする。
 
そのリアリズム、やばすぎやん。
 
 
しーんと静まりかえった消灯後の独房棟で、
ガンガン音を立てて削る!削る!
それでバレないわけないやん!!!
って思うけど、
実話だからしょーがない。
 
実話ってのはそれだけで免罪符だな。
それは無理やろ!無理やろ!
と思いながら見る緊張感、
「穴」でコンクリをガンガンやってた時みたいだけど、
こっちのほうが独房な分、
孤独感によって更に緊張感が増幅されてて良いな。
 
ってかまぁ、捕まってる理由も理由だからってのもあるけど、
当然みんな、誰かが脱獄のための準備をしてるのはあの音で気付くわけで、
それでも誰一人密告する人が出てこないってのは、
うん、フォンテーヌだけじゃなくて、
囚人みんなのレジスタンスなんだぜ。
 
最後の最後、
どこかで思い切らないと、
時間が経てば経つほど当然発見されやすくなるわけで、
(殺した見張りが見つかった瞬間経路追われるからなぁ)
あそこは時間かけちゃいかんとこなんだけど、
あれも実話部分なのかね。
よく見つからずに済んだな。
 
 
排泄物を捨てるためにバケツを持って穴の前に並ぶ。
食事は皿1皿のみ。
当時の収容所を知る貴重な内容。
劣悪だよなぁ。
 
 
「死刑執行人もまた死す」「抵抗」と、
ゲシュタポに虐げられた人の映画をここまで見てきたから、
ゲシュタポ側の観点の映画とかあったら見てみたいな。
 
ゲシュタポ側にも言い分はある…?
カイジの利根川みたく、中間で葛藤してる可能性は、あるよな。



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film0229: THE WRONG MAN (1956)

May 21 2020 11:16

THE WRONG MAN
邦題「間違えられた男」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.42
国内映画レビューサイト偏差値:3.31
海外映画レビューサイト偏差値:3.63
だい評点:★USA
1956年12月22日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ヘンリー・フォンダ、ヴェラ・マイルズ etc
製作・配給:ワーナー・ブラザーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1953年1月14日、ナイトクラブでベース奏者をしているクリストファーは、仕事を終え早朝に地下鉄で帰宅の途に着いていた。新聞で競馬の予想をしながら馴染みのダイナーで朝食を摂り、家族を起こさないように静かに家に入るが、妻のローズは歯痛で眠れずに一夜を明かしていた。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
うーん、
今まで見たヒッチ作品の中でいちばん良くなかったかもだわ。
 
強盗犯が堂々と再訪して、大人しく待ってるわけねぇだろ!
ということも考えずに、
面通しだけで犯人だと決めつける警察。
夫は大変な目に遭ってるのに、自暴自棄から頭おかしくなっちゃう妻。
そしてそもそも、
まずは似てる人を探せ!とか、
金の流れを調べてみろ!とか、
そういう警察の隙すら弁明できないマニー。
 
もうね、見ててイライラしかしない!!
 
かといって、
いろいろ頑張ってやった結果、なんとか裁判で勝ったぞ!
とかじゃなくて、
裏で真犯人が別件で捕まりました。
だけだから、カタルシスもない!!
 
いやもちろん、実話がベースとのことだから仕方ないのかもなんだけど、
でも映画化するからにはもちっと何とかだな…
 
だってさ、
主人公なのに、
ぼく、黙ってたら犯人扱いされちゃいました!
ぼく、黙ってたら犯人が捕まりました!
 
よくそんなのが成り立つと思ったな!
 
 
警察はね、しょーもないっすよ。
俺も交通事故で、こっちが止まってるとこに相手がすごいスピードで横からぶつかってきたのに、
こっちが悪いことにされたことあるわ。
 
「この状況はねー、こういうことなんだよねー」
ってさ、
実際事実と違うんだから、お前の経験則が間違ってんだわ!
 
警察は、なるべく早く処理するために、
経験則で物を言う癖があるのを僕はこれまでの人生で知っています。
よくよく知っています。
 
「そっくりさんが犯行なんて、そんなこと今まで無かったし、今回もあるわけないやね」
レアケは!あるんじゃ!!
警察官全員!いっぺんこの映画観とけ!
そんでレポート書かせとけ!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0228: LADDER 49 (2004)

May 19 2020 13:03

LADDER 49
邦題「炎のメモリアル」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.30
国内映画レビューサイト偏差値:3.39
海外映画レビューサイト偏差値:3.11
だい評点:★★★★USA
2004年9月20日公開
監督:ジェイ・ラッセル
出演:ホアキン・フェニックス、ジャシンダ・バレット etc
製作:タッチストーン・ピクチャーズ、ビーコン・ピクチャーズ etc
配給:ブエナ・ビスタ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ニューゲート街の穀物倉庫ビルで火災が発生し、消防各隊へ出動指令がかかった。ビルの上階が激しく燃えさかる中、逃げ遅れた人を救うべく、第49はしご隊が階段で12階を目指し登っていくが、隊員のジャックが奥へ向かった時に建物の崩落が始まり…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
邦題が超絶糞ダサいから、半分期待しないで観たんですよねぇ。
ファイヤー・レスキューものならまぁ、観ておくか、
くらいの軽い感じで。
 
掘 り 出 し 物 !!!!!
 
っていうかさぁ、
日本での配給はどこ?東宝東和?
あのさぁ、
 
1960年代~70年代の語彙センスやめて!!!!
俺さぁ、
この作品、絶対邦題で損してると思うわ。
 
2004年の作品やろ?
いいか?
◎ロード・オブ・ザ・リング / 王の帰還
◎シカゴ
◎ビューティフル・マインド
◎グラディエーター
◎アメリカン・ビューティー
◎恋におちたシェイクスピア (Shakespeare in Love)
◎タイタニック
◎イングリッシュ・ペイシェント
◎ブレイブハート
◎フォレスト・ガンプ
アカデミー作品賞だって、直近10年、
原題そのままか、直訳かの作品しかないんじゃ!
いい作品はな、
配給側が原題無視した余計なダサい邦題つけてないんじゃ!
 
しょーもないことでB級感出しちゃうのとか、
マジでもったいないよなぁ。
 
 
演出面で、BGM使いすぎて緊張感に欠ける部分があるとか、
序盤、時制がわかりにくくて過去の話だと思わずに見てたりとか、
まぁ、うーんと思う部分も無いわけではないけど。
 
でもそれ以上に、
ジャックがんばれぇぇぇぇぇ!
で中盤から引き込まれ放題。
 
「赤い車が来るのが嫌」
って、
これ絶対伏線だけど、
ジャック死ぬの?死んじゃうの?
ダメだって!リンダかわいそうだって!
ってかお前、
奥さんの言うことも聞かずにいちばん危険な部署に異動希望するとか、
ちゃんと家族のことも考えろよ!!
 
とか、いろいろ感じるものあるわ。
 
あのね、
死と隣り合わせの仕事してる人って、
そういう人にもね、
帰りを待ってる家族がいて、
でも常にもう帰れない可能性があって、
家族が夢見る未来があって、
でもある日その未来が途切れる可能性があって。
 
その葛藤を胸に、
仕事に出て行く夫と、
その葛藤を胸に、
夫を見送る妻と子。
 
消防士の皆さん、本当に感謝しています。
 
やっぱさ、
今からでも邦題変えて、全国リバイバル上映しようぜ!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0227: PROSPERO’S BOOK (1991)

May 19 2020 11:27

PROSPERO’S BOOK
邦題「プロスペローの本」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.38
国内映画レビューサイト偏差値:3.40
海外映画レビューサイト偏差値:3.34
だい評点:★UK、フランス、イタリア
1991年8月30日公開
監督:ピーター・グリーナウェイ
出演:ジョン・ギールグッド、イザベル・パスコ etc
製作:アラーツ
配給:パレス・ピクチャーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
かつてナポリ大公として大きな権勢を振るったプロスペローだったが、学問に没頭して弟に国政を任せっきりになった結果、弟の企みにより公位を簒奪され、娘とともに小船で沖へと流された。その際に家臣の尽力で、22冊の秘技書も船に積み込まれた…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
かつて、環状通のTSUTAYAで、
「映画マニア絶賛のアート系映画監督!」
というPOPを目にして立ち止まった一人の大学生がいた。
 
TSUTAYAオススメなら観てみるか。
そうして借りたピーター・グリーナウェイのVHSは3本。
 
「英国式庭園殺人事件」で当惑し、
「数に溺れて」で絶望し、
「グリーナウェイ短編集」で、寝た。
 
そうして映画が嫌いになった大学生。
彼の名は、だい。
 
 
ワタシが世間の一般の人様と比べて、
映画をほとんど観てこなかったのはグリーナウェイで絶望したせいです。
あの時のTSUTAYAの野郎、一生恨んでやるからな!!!
 
 
そんなわけで、20年ぶりのグリーナウェイ。
過去と訣別してやる!
 

……
………
…………
 
グリーナウェイだった(ノд ` )
 
 
いや、でもまあ、
英国式庭園よりはマシ!
100倍マシ!
100じゃ足らんかも。100000000倍マシ!
 
マイワースト映画、
ザ・キャッチャーのつもりでいたけど、
このパッションは、もしかしたら英国式がワーストの可能性あるわ。
 
マシとはいえ、
本質的には変わらないんだよなぁ。
何を楽しむべきなのかが俺にはわからない。
 
いや、絵面は綺麗よ?たしかに綺麗。
終盤の行進のシーンとか、壮観。
でもな。
 
絵面観たいだけなら映画じゃなくてええんじゃぁぁぁぁ!!!!
 
綺麗な絵面並べるだけならストーリーないほうが寧ろ余計な場面なくていいじゃん。
ストーリーが面白くなかったらそもそもなんです。
そうなんです。
 
グリーナウェイ好きな人とは一生相容れない自信ある。
 
 
っていうか、絵面凝ってて綺麗ではあるけど、
ビザール趣味なのが俺の美意識に合わなすぎるんだよな。
序盤の小便小僧とか不快でしかない。
 
 
ストーリーに関しては書くことなさすぎてヤバい。
英国式とか数に溺れてと違って、
勧善懲悪的なストーリーで良かった。くらい。
 
序盤の各本の説明とか、いる???



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0226: THE BATTLE OF THE RIVER PLATE (1956)

May 19 2020 10:57

THE BATTLE OF THE RIVER PLATE
邦題「戦艦シュペー号の最後」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.27
国内映画レビューサイト偏差値:3.32
海外映画レビューサイト偏差値:3.17
だい評点:★★★UK
1956年10月29日公開
監督:マイケル・パウエル
出演:ピーター・フィンチ、アンソニー・クェイル etc
製作:マイケル・パウエル&エメリッヒ・プレスバーガー・プロダクション
配給:J.アーサー・ランク・フィルム
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1939年、イギリスの食糧自給率の低さを突き、ドイツ海軍はポケット戦艦グラフ・シュペー号による南大西洋での通商破壊作戦を展開していた。数々の商戦を破壊・拿捕していたシュペー号は、11月15日に新たにアフリカ・シェル号を撃沈し、ダブ船長を捕虜としたのだった…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
点数のわりには普通に面白かった!
 
もともとが古代~中世史専門なんで、
2次大戦とかは全然詳しくなくてさ、
えっ、ドイツ海軍とイギリス海軍がウルグアイ沖で戦闘してたの!
とか新鮮な驚き。たのしい。
 
ってか商船の拿捕とか、けっこう無茶なことやってんな。
2次大戦時ってもう国際条約とかけっこういろいろある時代だけど、
民間船に対する攻撃とか問題にならなかったのかねー。
 
無茶なことやってるわりには捕虜の扱いは人道的。
交戦行為の相手じゃないから、
捕虜って表現が正しいのかどうかは知らん。
 
 
それなりに迫力もあって、
それなりに人間ドラマもあって、
普通に楽しめるのはいい、
いいんだが、、
 
人の顔が覚えれないせいで!
今ドラマが展開してるのが!
シュペー号なのかイギリス軍艦なのか区別全然つかん!!
 
軍服の色で判別できるのかとも思ったけど、
結局全く判別できなかったわ。。
 
今攻撃しようとしてるの、ドイツ?イギリス?どっち??
ってなるし、
今被弾したの、ドイツ?イギリス?どっち??
ってなるし、
そもそもイギリス軍艦も3隻いるから、
これは被弾した船?別の船???
ってなるわ!!!
 
誰一人見分けがつかないのやべぇ。
せめてデブとかヒゲとか、
艦長をわかりやすいビジュアルで分けてくれれば…
 
なんか、
本物のアメリカ軍艦を使ってロケしたらしくて、
その筋の人には軍艦を見る愉しみがあるらしいんだけど、
ぼく、
船とか全然興味ないんで、
そういうのいいです。
 
 
当時の敵国の将校同士ってどういう感じなのかわかんないけど、
敵にも尊敬される軍人って、
うん、すごいよな。
世が世ならいろいろ違ったのかもな。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0224: THE MOUNTAIN (1956)

May 18 2020 13:13

THE MOUNTAIN
邦題「山」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.53
国内映画レビューサイト偏差値:3.66
海外映画レビューサイト偏差値:3.28
だい評点:★★★★
USA
1956年11月14日公開
監督:エドワード・ドミトリク
出演:スペンサー・トレイシー、ロバート・ワグナー etc
製作・配給:パラマウント
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
雪山の上空を飛行するインドの旅客機が、岩山に接触して炎上・墜落した。麓の村は、観光ホテルがある他はこれといった産業のない山村で、クリスはそのホテルで雑務をしながら慎ましい生活をしており、20歳年上の兄ザカリーも、羊飼いをしながらクリスの面倒を見ていた。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
これはね、どう考えても兄も悪いやん?
 
「もうこんな貧しい生活は嫌だ!この村にこだわる必要ない!家を売る!」
→わかる
 
「飛行機に積んである金を回収しに行ってやる!」
→法的・道義的にどうかという問題はともかく、気持ちはわかる
 
 
それをね、
きちんと論理的に説得できないとか、
目の前に何らかの人参ぶら下げれないとか、
 
兄がしっかりせえ!!!!!!!
 
とは思うのよな。
 
 
いやもちろん、
弟もクズなんですよ?
 
「死んだ人だから金持っててもしゃーない」までは、
それ一応遺族のものやからな?というのはともかく言ってることはわかるけど、
「証拠隠滅のために、殺しちゃおうZE★」
はダメだ。それはクズだ。
 
とはいえな、
いくら弟がクズでも、
置いてくのはそれはあかんで。
 
最後のとこも共感全くできないのがなぁ。
死んだ人間の名誉も大事だけど、
それ以上に大事なのは「正直」であることなんじゃないのかねぇ。
そのへんの感覚が最後まで相容れなかったな。。
 
 
というか、
そりを引いて下山できるようなルートあるなら、
登るときもあんな登攀必要なかったのでは?
とかいろいろあるけども。
 
65年も前の映画で、
ハーケンの耐久にハラハラ、
バディの墜落にドキドキ、
雪橋の危うさにヒヤヒヤ、
 
雪山ものの醍醐味がこんなに贅沢に味わえるのは最強じゃん!
 
「男の叫び」の時も書いたけど、
基本的に雪山もの好きなんだよなぁ。
雪山の危険性にめっちゃ実感持てるのが我ら道民だからな。
 
 
なんかねぇ、
兄弟ともに、共感できる部分とできない部分が半々にあって、
でもそんな諸々も全部吹き飛ばすくらいの自然の脅威。
だからサバイバルものは面白いんだよなぁ。



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film0225: CAST AWAY (2000)

May 18 2020 13:00

CAST AWAY
邦題「キャスト・アウェイ」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.68
国内映画レビューサイト偏差値:3.59
海外映画レビューサイト偏差値:3.85
だい評点:★★★
USA
2000年12月22日公開
監督:ロバート・ゼメキス
出演:トム・ハンクス、ヘレン・ハント etc
製作:イメージムーバーズ、プレイトーン
配給:20thセンチュリーFOX
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
フェデックスに勤めるチャックは、世界中を飛び回り各支所の業務改善を指示して回る有能なシステムエンジニア。クリスマスを目前にして、プレゼント需要で大忙しのモスクワ支店にやって来た彼は、回転を上げるための厳しい指示を出すが、トラブルも発生し…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
15年ぶりくらい、3度目のCAST AWAY。
そんなに好きか俺。
 
この映画が好きというより、
 
ウィルソぉぉぉぉぉぉン!!!!!!!!!
 
の場面が好き。
あそこがとにかく好き。
好きな映画はたくさんあるけど、
ここまで観た映画のベストシーントップ5には入るわ。
 
ちなみに1位は、
「穴」の最後の、偵察鏡に看守がズラっと映るシーンね。
 
で。
やっぱりほとんど映画なるものを観てこなかった状態で観た前2回とは感想は違うね。
前2回はウィルソンのシーンでダダ泣きだったんだけど、
3回目は何故か泣かなかったぞ?
「君の名は。」では3回目もダダ泣きだったから慣れの問題ではない(たぶん)
 
あと、
トム・ハンクスってすげぇなぁ!
って。
 
超有名俳優でありながら、
実は俺、出演作2作しか観てないんだよなぁ。
本作と「トム・ハンクスの大迷宮」。
 
フォレスト・ガンプもプライベート・ライアンもグリーンマイルも差し置いて大迷宮!
20年くらい前にスカパのCSN1ムービーチャンネルで偶然観ました。
今のムービープラスね。
 
41歳になってターミナルもキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンも観てないやつが、
シネフィルに、俺はなる!
って言ってんだぜ。
海賊王になるほうがまだ可能性ありそう。
 
 
そんな映画音痴だったワタクシですから、
こんな小太りのイケメンでもないおっさんが、何でそんな人気なんやろな?
なんてね、思ってたわけですぅ。
 
今ならわかる。
元の小太り感と、サバイバル生活でのガリ痩せっぷりの差よ!!!!
ロケ期間にここまで別人になるのとか、半端ないのでは??
 
もともとがどれくらいの体格の人なのかわからんけど、
痩せ寄りなら無人島シーン撮ってから肥るだけだから少しマシだけどなぁ。
と思ってググってみたら、
元が小太り寄りで、18kg落としたとかなんとか!
やべぇ!ライザップよりすげぇ!
これは名優確定。
 
 
それにしても、
モルテンとかスポルディングに勤めてる人は、
どういう気持ちでこの映画観てるんだろな。。。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0223: GIANT (1956)

May 14 2020 11:58

GIANT
邦題「ジャイアンツ」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.62
国内映画レビューサイト偏差値:3.56
海外映画レビューサイト偏差値:3.73
だい評点:★★★
USA
1956年10月10日公開
監督:ジョージ・スティーヴンス
出演:ロック・ハドソン、エリザベス・テイラー etc
製作:ジョージ・スティーヴンス・プロダクション
配給:ワーナー・ブラザーズ
◎アカデミー監督賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
一次大戦の終わった1920年代。テキサスでも随一の大牧場を所有するジョーダン・”ビック”・ベネディクトが東部メリーランド州に馬を買い付けにやって来た。リントン家の自慢の名馬”War Winds”号を紹介されるが、騎乗していたのはリントン家の美人娘レスリーで…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ビック、男としての度量小さすぎ問題やばい!
 
テキサスの歴史についての意見の相違で多少気分を害するのはわかる!
わかるぞ!
でもな。
 
客があからさまに態度に出しちゃあかんやろぉぉぉぉ!!!!
 
 
妻が政治の話に入ろうとすると不機嫌になる。
これはわからない!
わからないぞ!
 
お前よりよっぽど高等教育受けてる先進地域の娘さんやろがぁぁぁぁ!
姉に牧場経営の実務取り仕切られてた程度のお前が!!
女だから引っ込んどけとか!
何様のつもりなんじゃぁぁぁぁぁ!!!
 
 
メヒカーノの村に近付くなとか、
お前、自分の牧場の従業員を何だと思っとるんじゃぁぁぁぁ!!!
 
ただのガキ!
図体でかいだけのガキ!
あまりのダサさに大草原だわ!
テキサスの荒野だけど大草原だわ!!
 
 
あんな扱い受けといて、
一回実家に帰っただけで済むレズリー頭おかしい!
頭おかしいけど天使すぎ!
見た目は好きじゃないけど!
 
 
っていうかねぇ、
母の影響をモロ受けの長男がいい奴すぎて、
父の影響受けなくて良かったしかないわ。
 
恵まれない人を助けるために医師を志して、
医療の手伝いをするメヒカーノに一目惚れして結婚して、
メヒカーノ差別に徹底して抵抗するとか、
 
人格者すぎるわ!!!!!!!!!!!!
 
 
結局さ、
変わりゆく西部がテーマの映画だと思うんだけど、
 
牧場から石油への産業構造の変化をビックとジェットの対立で描いて、
大牧場から小牧場への経営の変化を次女夫婦で描いて、
メヒカーノへの差別の解消をレズリーと長男夫婦で描いて、それに対するビックの変化で深めていく。
そして、メヒコ系であっても、国のために戦う”USAの英雄”であるということをアンヘルで主張する。
 
 
途中までビックがガキでしかなくてイライラするし、
かといってそのアンチテーゼたるジェットも金入ってからはガキ丸出しだし、
そもそも田代まさしに似てるし、
 
でも中盤になってマトモな人たちが出てきてからは、
ビックとジェットさっさと破滅せぇ!!
っていう感情移入だけで何だかんだ見れちゃうのはすごい。
 
3時間以上ある超大作!
って眠くなる予感しかなかったけど、
ビックが孤独になっていくシーンとか、
ざまぁすぎて飽きずに見れたわ。
 
それでいて、
改心して最後にビックすき…
ってさせるの天才かよ。
 
 
人間はな、
一度人間性を否定されて孤独のどん底まで行かないとさ、
そうそう簡単には反省もしないし、
根本的に変わったりはしないんだわなぁ。
 
時代に取り残されてるのはテキサスのみんなじゃなくて、
ビック一人なんだよなぁ。
だってさ、
叔父でさえ最初から、
「あいつに子育てなんかできるわきゃねぇだろ★」
ってビックのこと看破してるわけで。
 
そんな中で、周囲とも、家族とも、
どんどん離れていく中年男。
 
変われて良かったじゃん!!!!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0222: BOB LE FLAMBEUR (1956)

May 13 2020 12:32

BOB LE FLAMBEUR
邦題「賭博師ボブ」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.78
国内映画レビューサイト偏差値:3.78
海外映画レビューサイト偏差値:3.79
だい評点:★★★
フランス
1956年8月24日公開
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
出演:ロジェ・デュシェーヌ、イザベル・コーレイ etc
製作:OGC、プレイアート etc
配給:モンディアル
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
夜明け時のモンマルトル、街では勤めに出る家政婦やあても無く彷徨う者が行き交う中、かつて賭博師として知られたボブは、ギャンブルに負け家路についていた。しかしいつも通り新聞を買ったところに旧知の刑事が通りかかり…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
うーん、メルヴィル作品の独特の間、好きだなぁ。
渋さがすごい。
 
プロット的には、
ちょっと前の「現金に体を張れ」にめっちゃ似。
仲間を集めた犯罪計画。
迂闊な奴が、女の興味を惹きたくて計画を話しちゃって破綻。
計画が客観的にナレーションで説明されるとこまで一緒。
 
公開時期は現金の3ヶ月後だから、
インスパイアされたとかでもなく、
キューブリック、メルヴィルという巨匠2人が、
大西洋を挟んで同時期に同じ筋の映画を撮ってるって凄いよなぁ。
ロマンだぜ。
 
 
誰一人にでも外部に漏れたら即タイーホな案件で、
妻に計画話すとかもはや愚者の極みでしかないわけだけども、
実質行きずりの素性もよくわからない女、
しかもどう考えても頭の悪い女に話すとか、
ポロはもはや愚者とかいう括りですらないんだよなぁ。
 
人間としてマトモな実務遂行能力を有しているかも疑わしい。
 
重要な物事は、
完了するまで他人に話してはならない。
匂わせるような発言は完全に禁忌。
 
いい年齢になってもそんなことすら学んでないんかぁぁぁ!!!!
 
構ってちゃんかよ…
 
 
ってかねぇ、
ボブも、ポロが情報漏らしたのわかった段階で計画ストップしなきゃでしょ。
警察が罠張ってる可能性の中で強行するのは無理あるだろ…
ってか、仮に成功したとしても、さすがに逮捕待った無しだよなぁ。
 
 
アンヌ役のイザベル・コーレイって女優さん、
あれ見た目で完全に圧倒的魔性感あるよなぁ。
あのタイプは信用しちゃダメです。
と俺の中の負の経験が叫んでいる。
 
でもさ、
ボブがアンヌに感じているものって、
たぶん同類感なんだよな。
 
目的もなく、
ただ何となく生きているだけのアンヌ。
目的もなく、
ただ何となくギャンブルしながら生きているボブ。
 
その漂泊感をボブは助けたかったんだろうな。
そしてボブの漂泊感を埋めたものが、カジノ襲撃という一世一代の大勝負だったんだろうな。
 
 
人間はね、
やりたいことを無くしちゃ生きられないんですよ。
 
今この瞬間じゃなくて、
未来のために生きてるんだな。
うん。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0221: ATTACK! (1956)

May 12 2020 14:43

ATTACK!
邦題「攻撃」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.84
国内映画レビューサイト偏差値:3.95
海外映画レビューサイト偏差値:3.62
だい評点:★★★
USA
1956年9月7日公開 (ヴェネツィア映画祭)
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:ジャック・パランス、エディ・アルバート etc
製作:アソシエーツ&アルドリッチ・カンパニー
配給:ユナイテッド・アーティスツ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1944年のベルギー戦線。アーヘンでドイツ軍と対峙する米軍最前線部隊では、コスタ中尉の率いる中隊が激しい銃撃にさらされていた。クーニー大尉の増援部隊が来ることになっていることから、トーチカへ決死の突撃を仕掛けるが、大尉は援軍を動かそうとせず…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
戦争映画史に残るNo.1クソ野郎現る。
 
コスタ中尉が、
部下を見殺しにした上官ブッコロ殺意だし、
撤退のため、誰かが倒れても無視して走れ!と命令しておきながら、
いちばん役立たずの部下が倒れたのを助けて自分が撃たれるし、
部下の仇を目の前にして、包囲された部下を先に助けに行くし、
限界まで最強の隊長すぎて、
クーニーのクズさが余計に際立つ!!
そりゃあ部下たちも、中尉のためなら死ねるって言うよなぁ。
 
 
同じクズでも、
バートレット大佐は仕事のできるクズだからみんな納得するけど、
クーニーみたいな無能クズはどう考えても戦時にはヤババ。
いや、もちろん平時でもヤババではあるんだけどさ。
 
劇中では臆病って言われ方してるけど、
あれ、臆病というよりパニック障害なんだよな。
 
臆病なだけなら、
増援部隊を送って、自分は後方にいれば問題ないけど、
それすらやらないってのは臆病とはまた話が違う。
 
緊急性の高い状況の変化に対し、
頭が真っ白になるタイプかな?
 
そのくせ、
「たぶんドイツ兵いないから大丈夫っしょ★」
とか、
楽観主義で事を進めるから、
結局緊急性の高い事態が発生しやすいとか、
無能オブ無能。
 
 
ハリーもさ、
余計なことしないで、
ジョーが来た時にさっさとクーニー殺させとけばさ、
最後に面倒なことにならなかったのに。
 
モラルはいろいろあるけど、
一人の無能な上官によって、
隊員は無駄にどんどん死んでいくのが約束されてる。
 
軍規ガー
軍規ガー
 
知らねぇよ!!
 
どの会社でも、
自分に害なす上司ブッコロで生きてきたからイライラしちゃう。
 
 
それにしてもロバート・ストラウスの存在感やばない?
前回の80日間でピーター・ローレがやばっくす!
って書いたけど、
ローレとストラウスは何に出ててもその場を持ってくの凄いよな!



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