月別アーカイブ: 3月, 2019

film0076: HANGMEN ALSO DIE (1943)

March 23 2019 13:36

HANGMEN ALSO DIE
邦題「死刑執行人もまた死す」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.85
国内映画レビューサイト偏差値:3.95
海外映画レビューサイト偏差値:3.67
だい評点:★★★★★
USA
1943年3月23日公開
監督:フリッツ・ラング
出演:ブライアン・ドンレヴィ、アンナ・リー etc
製作:アーノルド・プレスバーガー・フィルム
配給:ユナイテッド・アーティスツ
◎ヴェネツィア国際映画祭特別賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
独軍占領下のプラハでは、反ナチスの地下組織が占領への抵抗を続けていた。そんな中、総督として赴任したハイドリヒはレジスタンスを徹底的に弾圧し「死刑執行人」と恐れられていて、スコダ軍需工場の労働者のストライキにも処刑者を増やすことで対処すると宣言し…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
これは名作!!!!
メイ・サクサクは謝らない!
 
世界大戦中の1942年にチェコで起こった事件を基に、
世界大戦中の1943年にこれほどの映画を撮るって、
 
すげぇぇぇぇぇぇぇ!!!
 
ドイツからの亡命者であるラングが監督で、
ドイツからの亡命者であるブレヒトが脚本で、
ドイツからの亡命者であるアイスナーが音楽担当で、
いろんな複雑な思いがあるからこそこれほどの映画が撮れたんだろな。
 
いい映画にするには、
監督や脚本の強い思いが必須。
 
 
「自由は菓子や帽子のように粗末にすることはできないのだ」
 
ノヴォトニー教授のこの言葉に全てが詰まっているよね。
現代人には、
少なくとも現代の日本人には気付かない「自由」の価値。
 
自分よりも、
自分の大切な人よりも、
それ以上に重みがある「自由」というもの。
 
父の覚悟、
ドヴォリャクおばさんの覚悟、
それを目にして、
個人個人が犠牲になってでも、民族全員で勝ち取らなければならない「自由」の重み。
それに気付いたマーシャ。
 
 
レジスタンスと一般民衆は決して分かつことができるものではなくて、
意志は同じで、行動が違うだけのものだから、
一般民衆も、何か行動を起こせばそれはレジスタンス。
 
だからこそ、
チャカが民族の誇りを、魂を、そして「自由」を売っている、
その情報はすぐに一般民衆にレジスタンスの情報網を持って拡がり、
全ての一般民衆がチャカを処刑するために、
示し合わせてもいないのに行動を統一した。
 
チャカの執事が、グリューバー警部が来た、と証言したときに、
それを聞いて察した表情の給仕たち。
「自由」への訴求があるから、
「自由」を売り渡す者への怒りがあるから、
示し合わせなんてなくても、ああいうことが、起こる。
 
 
二転三転して、
スリル満載でヒヤヒヤして、
そんな満足の娯楽作だけれど、
底流に強いテーマがあるから、
単なる娯楽作じゃない、心を打つもの、
人物たちの強い決意や覚悟やメッセージ、
たくさんの重みを感じる映画になってんだな。
 
映画って、これだよな。
 
いい映画を観ると、
生きることに対する自信や決意が生まれる。
だからいい映画って、素晴らしいんですよ。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0075: MRS.MINIVER (1942)

March 22 2019 16:16

MRS. MINIVER
邦題「ミニヴァー夫人」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.38
国内映画レビューサイト偏差値:3.20
海外映画レビューサイト偏差値:3.73
だい評点:★★★
USA
1942年6月4日公開
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:グリア・ガースン、テレサ・ライト etc
製作・配給:MGM
◎アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、主演女優賞、助演女優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1939年。ミニヴァー婦人はロンドンでの買い物帰り、バスに乗ったもののやはり思い直してどうしても欲しかった帽子を買うことにした。ベルハムへ帰る列車の中で、知人のピーターや町の名士ベルドン夫人と同席するが、ベルドン夫人は昔ながらの階級主義者で…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
戦時中の幸せな家庭の気丈な婦人の話と、どっかのあらすじで読んだので、
夫が出征して、女手一つで小さい子供たちを抱えて切り盛りするほのぼのホームドラマだな!
うん、あんまり好きじゃないジャンルだな!
期待しないで観よう!
と思ってたんです。
 
ごめんなさい!!!!
全然違った!!!!(笑
 
 
そもそも夫、出征してねぇし!
(船の徴発を届けに行くシーンはあるけど)
いや、途中まではほのぼのホームドラマなんだけどさ、
最後の衝撃よ!
泣くわあんなん!!!
 
幸せな家庭の、
幸せな町の、
幸せな日常を根こそぎぶっ壊す戦争よ。。
 
どんな戦争映画よりも悲しみに満ちてるわ…。
 
 
結婚したばかりの妻を失ったヴァン。
息子の妻を守れなかったミニヴァー夫人。
最愛の孫娘と、初めてのライバルを同時に失ったベルドン夫人。
 
たった一瞬で、
生きがいが奪われる。
 
 
戦争は理不尽すぎるわ。
それを胸に刺してくれるって意味で、
俺の中では一番の反戦映画だなぁ。
レビューとかでは、反戦じゃないじゃん、戦意高揚じゃん、
って言ってる人もけっこういるけど、
ねぇ、バカなの?
侵略されて虐殺される立場から見たら、
反戦=抵抗して家族を守ろうになるの当たり前じゃん。
殺戮される側にとっては、武力で身を守るしかないんだよ!!
無抵抗主義が通用するのは、侵略の価値がそれほど無い場合だけですよ…
 
 
観てる間ずっと思うけど、キャロルは理想形だよね。
喧嘩ふっかけられても怒らない。
言うべきことはきちんと言うけど、
相手が悪くても自分もきちんと謝る。
いつも陽気で活発。
 
人間できすぎだろ!!!!!!!!!!!!
 
あの婆ちゃんの下でよくこんないい子が育ったな…
あ、でもあの婆ちゃん観る度に、バル超のミス・フロイのイメージが先行するから、違和感ある(笑
やっぱめっちゃいい役者だと思うわ。
 
 
タイトルが地味に好きで、
ミニヴァー夫人。
って、主人公の名前つけるだけの安易なやつだな!
と思ってたら、
 
ミニヴァー夫人、
新しいミニヴァー夫人(キャロル)、
薔薇のミニヴァー夫人、
の3つ全てが主人公ってことなんだな!
 
そしてその3つって、
ベルドン夫人の階級意識を打ち破った3つなんですよ。
旧来の社会から、
新しい社会への象徴。
 
薔薇にミニヴァー夫人って名前つけること考えた脚本家、天才では?



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0074: SABOTEUR (1942)

March 22 2019 10:05

SABOTEUR
邦題「逃走迷路」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.40
国内映画レビューサイト偏差値:3.35
海外映画レビューサイト偏差値:3.50
だい評点:★★★
USA
1942年4月22日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ロバート・カミングス、プリシラ・レイン etc
製作:フランク・ロイド・プロダクション、ユニバーサル・ピクチャーズ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
カリフォルニアの航空機工場で、食事休憩のため労働者が一斉に移動していた。バリー・ケインは親友のメイソンと歩いている最中、名も知らない男とぶつかってしまう。男が落とした手紙にはフランク・フライという名前が書いてあり、さらに拾い忘れたものを彼のもとへ届けるが、そのうちに工場で火災が発生し…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
めまぐるしく移り変わる場面!
追ってくる警察と刺客!
少しずつ芽生える信頼と愛!
この3行だけで誰もがヒッチコックって答えるわ。
 
序盤はとにかく警察から逃げる逃げる。
ヒッチ作品の中でも、ここまでド派手に逃げるのは初めて見たかも。
トラックに同乗!
馬を奪う!
護送中に脱走して川へ飛び込む!
サーカスの車に潜入!
 
車のタイミングベルト?みたいなので手錠切るシーン、
あれはヒッチ天才じゃね?って思うマジで。
 
逃走を助けてくれる人たちが個性的なのもイイ。
トラックの運ちゃん、
パットの盲目の叔父さん、
サーカスの人たち。
特に叔父さんのキャラ立ちやべぇ。
あのキャラでロッキングチェア・ディテクティブもののミステリやってほしいまである。
バロネス・オルツィの隅の老人感あるよな。
 
 
テロ集団との一進一退の中盤を経て、
囚われのパットがメモを窓から落として救出されてからの~。
 
終盤のラストスパートやばすぎ!!!!!(笑
 
進水式でのテロ阻止格闘劇、
映画館での、映画のシーンに合わせた一般人誤射、
そして有名な自由の女神での追いかけっこ!!!!
 
最後の10分ちょいの間にぎゅうぎゅうに詰めてきやがったな!!!!
 
 
何も考えないで見る娯楽作としては最高クラスだと思うわ。
惜しむらくは、バリーに悲壮感がないのと、
パットのキャラが立ってなさすぎて、
見た後に印象がほとんど残ってないことだな。
看板広告の顔、ってわりに、
誰一人に気付かれてないのはいったい…
 
 
あと、フライが自由の女神から落ちてくシーンのリアリティの無さがひどすぎて、あれは永遠にパロディにしていいやつ(笑



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0073: HOW GREEN WAS MY VALLEY (1941)

March 21 2019 18:14

HOW GREEN WAS MY VALLEY
邦題「わが谷は緑なりき」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.82
国内映画レビューサイト偏差値:3.84
海外映画レビューサイト偏差値:3.79
だい評点:★USA
1941年10月28日公開
監督:ジョン・フォード
出演:ロディ・マクドウォール、ウォルター・ピジョン etc
製作・配給:20thセンチュリーFOX
◎アカデミー賞:作品賞、監督賞、撮影賞、美術賞、助演男優賞
◎NY映画評論家サークル賞:監督賞
◎アルゼンチン映画評論家連盟賞:外国映画賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
英国ウェールズ地方にあるロンダの谷。ここで生まれ育ったヒュー・モーガンだったが、50歳になり遂に谷を出て行くことに決め、若い頃のことを思い出していた。昔の谷は炭鉱町として栄えており、炭鉱夫として働く父や兄たちが真っ黒になって帰ってくるのを、優しく母や姉が迎える。それが当たり前の日常だった…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
炭鉱町!といえば!
夕張!赤平!歌志内!
 
俺が子供の頃には!
すでに石炭産業は斜陽どころか息の根が止まる寸前だったので!
 
小学校低学年の頃には、
「えっ、まだ炭鉱ってやってるとこあるの??」
って感じだったし、
生きている炭鉱町ってもの自体が記憶にないので!
 
そのへんの感覚の差ってどうしてもあると思うわ。。
 
 
ヤフレビでまさにクリティカルなことを書いてる人がいて、
これって、炭鉱町が生きていた時代の人にはわかるノスタルジィなんだろなぁ。
栄えに栄えていた町が、ひっそりと死んでいく様。
 
何かの産業の町が、
何かの産業の終焉で誰もが去って行く。
 
それをほとんど経験していない俺らには、
1つの町の1つの産業だけで、
家族も、近所も、
当たり前のように同じ暮らしをする。
っていう感覚に、
懐かしさもノスタルジィも何も抱けないんだよなぁ。
 
 
たぶん現代の価値観で見れば、
学校を主席で卒業して炭鉱夫になんなよ!!!!
とか、
仕事無いならとりあえず他で何か探せよ!!!!
とか、
やっぱ思っちゃうよね。
 
 
もちろん今のような簡単に遠隔地と連絡が取れる時代じゃないから、
例えば兄たちが家を出て行ったりとか、
そういうのが一大事だったのは、わかる。
 
でもでもさ、
だからこそ、現代人にはこの価値観は、
自分の心の風景として同位感を持てないと思うし、
そう考えると、
社会も、家族も、在り方って100年で驚異的に変わってんだなって。
 
 
そういうことは、
学べる映画。
 
 
ただたぶんノスタルジィに特化した映画だから、
ノスタルジィを持てない者には何も残らないんだよな。
それ以外の哲学があるわけでもない。
ただヒューの想い出だけを淡々と振り返る。
うーん、物足りなさは、あるな。
 
 
でも、
ボクシングを教えたのにあの謎のフォーム。
教えた奴、カンフーの使い手だろ!!!!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0071: THE MALTESE FALCON (1941)

March 20 2019 09:50

THE MALTESE FALCON
邦題「マルタの鷹」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.48
国内映画レビューサイト偏差値:3.24
海外映画レビューサイト偏差値:3.96
だい評点:★★★
USA
1941年10月3日公開
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ハンフリー・ボガート、メアリー・アスター etc
製作・配給:ワーナー・ブラザーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
サンフランシスコにあるスペード・アンド・アーチャー探偵事務所に、サースビーという男と駆け落ちした妹を探しているという婦人が依頼に来た。妹とは連絡が取れない中だが、今夜サースビーと会う手はずになっているので、その際に妹を連れ戻したいというのだ。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
もともとミステリ小説好きのワタクシなので、
マルタの鷹、と聞けば、
ダシール・ハメット!
サム・スペード!!
と言えるくらいの知識はあります。
 
でもね、
主な守備範囲が古典ミステリと黄金期の本格ミステリで、
ハードボイルドはどちらかというと苦手なジャンルなので、
原作を全く読んではいないんですよねぇ。
 
ハードボイルド好きとヴァン・ダイン好きは正反対の立ち位置だと思ってる派。
 
 
というわけで、
それほど期待しないで観た。
途中飽きたらしょうがないやくらいの勢いで観た。
 
 
おい、面白いやんけ!!!!!!!!!!!
 
 
いやもちろんやっぱりハードボイルドの何が何って、
暴力的で向こう見ずでリスク管理できてないとこは嫌いです。
単身敵のボスのとこに乗り込んでって、
出された酒に手をつけるなよな…。
 
あと、
いきなりキスしてんじゃねぇよ!!!!!!
 
とかいろいろ突っ込むとこはある。
ある。
あるんだけどな。
 
この作品の凄いところの最大のポイントゥーは、
 
ジョエル・カイロうさんくせぇぇぇぇぇ!!!!!!
 
だと思うんだよなあ。
あんなにうさんくさい人、いる?
最初から最後までうさんくさいやん!
観た後の印象、全部ジョエル・カイロに持ってかれるわ!
 
くっそうさんくさい役者っているもんなんだなあ、
と思って調べたら、
 
 
お前、「M」の犯人だったピーター・ローレじゃねぇか!!!!!
 
 
髪型変わってて気が付かなかったけど、
言われてみればたしかにそうだわ。
 
ただでさえ、金につられてあっちがこっちを裏切ったり、
こっちがあっちを裏切ったりっていうストーリーの中で、
寝返るのがいちばんしっくり来る雰囲気ーー!!!!!!
 
めまぐるしく変わる状況の中で、
カイロだけは全く信頼できない感じが二転三転に花を添えている。
すげぇ。
 
 
っていうか、
地味にボギー初見なんですぅ。
 
ボぉギィ~、ボぉギィぃぃ~、あんたの時代はぁよかったぁぁ♪
 
のボギーです。
名前はもちろん知ってる。
 
もうちょっとクールハンサムな感じを想像してたけど、
いかめしい顔のおっさんだった。
この頃のムゥビィスタァって、
基本おっさんかおっさん顔かだよね。
イケメンじゃなくてもモテる余地が残されていた。
 
いい時代だな…(とおいめ



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0070: MEET JOHN DOE (1941)

March 19 2019 10:01

MEET JOHN DOE
邦題「群衆」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.70
国内映画レビューサイト偏差値:3.66
海外映画レビューサイト偏差値:3.79
だい評点:★★★
USA
1941年3月12日公開
監督:フランク・キャプラ
出演:ゲイリー・クーパー、バーバラ・スタンウィック etc
製作:フランク・キャプラ・プロダクション
配給:ワーナー・ブラザーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
新聞社ブルテンは、新オーナーの意向により大幅なリストラが進められていた。コラムを担当する女性記者アンも解雇を宣告され、母と妹2人を養うために失職は避けたいと直訴するが、アンの書く記事は地味すぎると一周されてしまう。そこでアンは最後に派手な記事を書いてやろうと思い立ち…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
前半コメディからの、後半はかなり重い社会派ドラマへ。
入口は軽く、出口は重く。
海外の大学かっっ!!!!
 
軽い気持ちのでっち上げ記事が、
社会運動になっていく様、
そしてそれが政治利用されていく様、
うーん、いろいろ考えさせられるなぁ。
メディアと政治の問題って、本質的には100年経っても変わらないのがすごいよね。悪い意味で。
 
 
ジョン・ドゥ・クラブの活動を、会員たちが報告に来たシーンは、
ホントにほのぼのしみじみくるいいシーン。
「素晴らしき哉、人生!」もそうだけど、
キャプラ監督って、ほのぼのしみじみ暖かいシーンを撮るのがめっちゃ上手いと思うわ。
草の根的な運動を悪徳政治家に利用されて、
っていうプロットは「スミス都へ行く」からの流れ。
両作品とも悪役の親玉をエドワード・アーノルドがやってるから既視感すごい。
 
最後の、自分の行動が影響を与えた人たちが支えてくれる、
っていうプロットは「素晴らしき哉、人生!」への流れ。
 
まさに結節点だなぁ。
 
 
前半の軽い流れにゲイリー・クーパーのいかめしいビジュアルがどうしても違和感があるので、個人的には作品全体の評価が下がっちゃう。
この人の見た目が感覚的に苦手ってのもあるけど。
典型的なアメリカ人を募集した結果が元マイナーリーガーの大男?
そんなのあるかい!!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

それをすてるなんてとんでもない。

March 18 2019 17:29

D’s Ave.時代、ミクシ時代、その他別ブログに書いてきた文章を一括してパーマネントのブログにするためにひたすら移植作業やってるけど、
 
半年経っても終わらねぇ!!!!!!!!
 
 
昔からの付き合いの人は知っての通り、俺は長文ばっか書くくせに、
 
あれが3千エントリ以上あるとか頭狂ってるだろ!!!!!
 
もはや国語辞典なみの分量…
 
 
 
あれだけ書いてきた時間をもっと他のことに割り振っていれば、イケメンになれていたかしら(なれない)
 
 
 
あと3ヶ月で終わらせて、そして伝説へ…
 
いや、伝説にはなれないから、悪霊の神々…
うん、縁起が悪いからサブタイトル的な未来は夢見るのをやめよう。
 
 
ハーマイオニーって何のことだかわからなくて、
字面だけ見て、オーマイハニーだと思っていたのはワタシです。
この前うっかり口走ったのを散々笑われて初めて間違いに気付きました。
 
5 年 間 !!!!!!
 
一度も間違いに気づかなかったぜ!
俺の青春を返せ…
 
 
 
昔からの付き合いの人は、
こんな感じの適当すぎる文章を懐かしく思っているはず。
 
 
あと3ヶ月で終わらせるので、しばしのお待ちを。
悪霊の神々…



Categories: つらつらと。

film0069: THE GRAPES OF WRATH (1940)

March 18 2019 10:38

THE GRAPES OF WRATH
邦題「怒りの葡萄」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.76
国内映画レビューサイト偏差値:3.66
海外映画レビューサイト偏差値:3.96
だい評点:★
USA
1940年1月24日公開
監督:ジョン・フォード
出演:ヘンリー・フォンダ、ジョーン・ダーウェル etc
製作・配給:20thセンチュリーFOX
◎アカデミー監督賞、助演女優賞
◎NYFCC作品賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
とあるロードサイドの商店で、停まっていた運送会社のトラックに頼み込んで乗せてもらったトム。しかし、身の上に関わる雑談をしてくる運転手に逆上し、殺人で4年間服役していたと明かし、トラックを降りる。故郷に辿り着いたトムに、道端に座る男が話しかけてきて…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
社会の教科書にも出てくる、
有名なスタインベックの原作小説の映画化!
ってことで、
純文学に触れる!数少ない!機会!!
と喜んで観た!
観たぞ!!
 
うむ。
 
無能ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!
 
たぶんね、
地主・経営者階級に搾取される農民って構図を描きたい作品なんだろうな、というのはわかる。
わかるんだ。
 
だけどさ、
学もなく!
思慮も浅薄!
ヴィジョンもない!
 
これじゃしょうがないだろ…。
もともと、干魃のせいで不作になったんだし、
人が増えすぎたら給金を下げるのも当然だし、
これを何とかするのは政府の仕事だし、
実際政府は国営キャンプとかで救済策を行っているわけだし、
 
結局、
役所に相談したりしない農民側が悪いだけでは!?
 
現代的な感覚から観るとそう思っちゃうんだよなぁ。
食っていくために地上げ側に転職したやつのほうがよっぽどマトモに見えちゃう。
 
でさぁ、
行く先々でカッとなってもめ事起こして、
そんでもって家族で潜伏したり逃亡したりとか、
そりゃぁ、暮らしもどんどん底辺化するって!
 
 
そして最後に突如活動家に目覚めるトム。
目が完全にイっちゃってるじゃん…
衝動で暴れるやつが言っても説得力が無いんだよなぁ。
 
もちろん干魃で離農せざるを得ないってのは同情すべきとこではあるけど、
その後の振る舞いが、どうしても自業自得に思えちゃうし、
ジョード一家も民衆も何だかなぁ…って感じしか受けなかった。
 
時代ももちろんあるんだろうけど、
そう考えると現代ってやっぱり弱者向けにはなってんだよなぁ。
貧富の差は酷いけど、
それは古代以外はいつでもそうだったから、
そもそもの人間社会の問題だな。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0068: MR.SMITH GOES TO WASHINGTON (1939)

March 17 2019 13:04

MR.SMITH GOES TO WASHINGTON
邦題「スミス都へ行く」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.97
国内映画レビューサイト偏差値:3.94
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★★★★
USA
1939年10月17日公開
監督:フランク・キャプラ
出演:ジェームズ・スチュアート、ジーン・アーサー etc
製作・配給:コロンビア
◎アカデミー脚本賞
◎NYFCC男優賞
◎ファロ島映画祭男優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ある州の上院議員が急死したとの報が知事ホッパーの元にもたらされた。急いで後任を決めなければいけないホッパーだが、後ろ盾となっている財界の大物テイラーは、肝煎りのダム建設を黙認するであろうミラーを指名するよう指示。しかし委員たちの大反対に遭い…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
何がすごいってさ、
1939年時点でこういう本格政治ドラマが作られる。
って、よほどの政治参加意識が一般人に無いと成立しないから、
やっぱ直接民主制の国は違うよなぁ、
とは思う。
 
利権の絡んだ事業を通すために、
政界の大物と財界の大物が政治を知らないイエスマンを擁立。
しかしイエスマンはもともと正義漢だったため正しい政治を追求し出す。
財界の大物は自分の所有するマスメディアを使って、でっち上げまでして潰しにかかる。
このプロット、現代でも全然通用するやつーーーー!!!!!
 
これ、日本では
「欲しがりません、勝つまでは」
ってアジってた時代よりさらに少し前の映画だぜ…
 
その時代の日米の市民意識の差の愕然とするけど、
結局世界中で政治腐敗の構図が未だに変わってないのにも愕然とするわ。
 
ってかペインも、最後急に後悔するくらいなら最初からやるなよ!
ペインのことはきちんと報道されたのかだけは気になる。
 
 
主人公のジェームズ・スチュアートは素晴らしき哉、人生!とロープ。
秘書のジーン・アーサーはコンドル。
ペイン役のクロード・レインズはロビンフッドのジョン王子。
新聞記者のトーマス・ミッチェルは駅馬車とコンドル。
主要キャラが見たことある人ばっかりだったから、
なんかいろいろと集大成的な感じで観てた。
 
でもいちばんキャラ好きだったのは議長のひと。
あの人、人間的に好きすぎて、ああいう人になりたい。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0067: LA RÈGLE DU JEU (1939)

March 17 2019 09:40

LA RÈGLE DU JEU
邦題「ゲームの規則」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.71
国内映画レビューサイト偏差値:3.56
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★
フランス
1939年7月7日公開
監督:ジャン・ルノワール
出演:ローラン・トゥータン、ノラ・グレゴール etc
製作:NEF
配給:DPF
◎ファロ島映画祭監督賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ブールジェ空港、夜10時。大西洋横断飛行の記録を樹立して帰還するアンドレ・ジュリユーの飛行機を群衆が待ち受けていた。出迎えた親友のオクターヴから恋人が来ていないことを知らされたアンドレは、ラジオのインタビューで怒りを爆発させてしまう。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ひどい!ひどい!ひどすぎる!
 
えっ、わかんない!
なんでみんな揃いも揃ってこうなの?
結婚を何だと思ってるの??
当たり前のように不倫して、
女のために友達まで裏切って、
寝ても覚めても不倫不倫不倫。
 
「獣人」でもそうだったけど、
これはジャン・ルノワールの倫理観なのか、
それとも当時のフランスはこういうもんだったの?
もしや俺が知らないだけで今でもみんなこうなの?いや、さすがにそれはないはず…。
 
唯一倫理的にマトモなのは森番だけだけど、
あいつも平気で銃乱射するからな…
 
男だけならいいけど、
女も揃いも揃ってクズとかもう救いようなくてゲンナリする。
 
評論には「貴族の暮らしを風刺して~」
って書かれてたりするけど、
この性的な倫理観の欠如は「獣人」の労働者階級でも一緒だったからなぁ。
 
最後の最後で、
最も胸糞悪い裏切りで終わるのもまたモヤモヤのモヤ。
 
 
俺の倫理観は、
殺人は許せても性的な不道徳は許せない性質だし、
殺人は許せても信頼への裏切りは許せない性質なので、
 
俺にとって胸糞な要素しかないじゃん!!!!!!!!
 
 
つまらない映画は多々あるけど、
嫌悪感しか残らない映画って稀有だよなぁ。
やたらと評価高い映画だけど、
評価してる人の評価ポイントと、
その人の倫理観知りたいわ。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。