film0191: SPELLBOUND (1945)

April 08 2020 14:35

SPELLBOUND
邦題「白い恐怖」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.54
国内映画レビューサイト偏差値:3.44
海外映画レビューサイト偏差値:3.73
だい評点:★★
USA
1945年10月31日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:イングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペック etc
製作:セルズニック・インターナショナル、ヴァンガード・フィルム
配給:ユナイテッド・アーティスツ
◎アカデミー作曲賞
◎NYFCC女優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
精神科の女医コンスタンスは、精神不安定で男性に色目を使う患者に手を焼きながらも、診察を機械的に行っていた。彼女はかつて恋をしたこともない理論派医師であり、自分に言い寄る男たちの行動も理解できないでいた。ある日、勤める医院に新院長が着任することとなり…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
最近やたらヒッチを観てる気はするけど。
でもやっぱね、安定して面白いのよ。
ハラハラさせるストーリー作りの天才でしかない。
 
でもな。
 
 
簡単に惚れすぎやねん!!!!!
 
 
ヒッチの作品のお決まりとして、
いつもなんだかんだ結局惹かれ合って~。
ってのはあるけどさ、
 
秒やん秒!!!!
 
 
いや、これがもともと恋多き女、とかならわかるよ?
恋をしたことがなく、
キスしてくる男に「そのような感情は興味深い」なんて冷静に分析してたやつが。
 
秒で惚れるか!!!!
 
 
あまりの急な発情に、
視聴者置いてけぼり!!!!
 
いくら何でもさぁ、
急な逃避行に出て、その間仕事どうする気なの??
行動飛びすぎてて共感抱く間も無い!
 
 
前院長もさぁ、
職を追われたくないのか、エドワーズが嫌いなだけなのか、
そのへんの動機はっきりしないうえに、
 
行くスキー場なんてどうやって嗅ぎつけたんや!!!
 
しかも!
偶然にもエドワーズが崖に落ち、
偶然にもバランタインが記憶喪失になるという都合の良さ!
 
これはあかん、これはあかんぞヒッチ…。
 
 
あとね、邦題がだめ。
限界までだめ。
せっかく「SPELLBOUND」って原題が、
ダリのアートディレクションにぴったり合ってるのに、
白い!恐怖とな!!
邦題担当した人はマジで大反省してほしい。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0190: THE LOST WEEKEND (1945)

April 08 2020 13:46

THE LOST WEEKEND
邦題「失われた週末」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.62
国内映画レビューサイト偏差値:3.49
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★★
USA
1945年10月5日公開
監督:ビリー・ワイルダー
出演:レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン etc
製作・配給:パラマウント
◎アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞
◎カンヌ映画祭パルム・ドール、男優賞
◎ゴールデングローブ作品賞、監督賞、男優賞
◎NBR男優賞
◎NYFCC作品賞、監督賞、男優賞
 
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
兄の家に居候している作家志望のドン・バーナムは、アルコール中毒からの脱却のためにと兄が計画した実家への週末旅行の荷造りを急いでいた。兄に見つからないように窓の外に吊り下げて隠したウィスキーを荷物に忍ばせるため、兄の目を逸らそうと策を巡らすものの…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
さすがビリー・ワイルダー!
さすが!さすがなんだよ!
目を離せないスピーディな展開。
不安を煽るような不穏なBGM。
ちょっと小粋な台詞の数々。
 
でもな。
でもな。
 
主人公がクソ人間すぎてイライラするぅぅぅう!!!!!
 
 
あのね、
兄弟や恋人にまで嘘をつく、
掃除婦の給料をくすねる、
酒を買ったのをばれないように小細工する、
心配して徹夜までしてる恋人を放置する、
女引っ掛けたうえにすっぽかす、
恋人の両親との約束もすっぽかす、
病院から隙を見て脱走する、
 
あげくの果てには、
無銭飲食のうえに隣の客のバッグを盗難。
恋人の想い出のコートまで勝手に質入れ。
 
 
キ ン グ ・ オ ブ ・ ク ズ
 
 
いいか。
90分もこんなクズ所業をずっと見続ける身にもなれやぁぁぁ!!!!
 
 
33歳にもなって、
「ぼく、ゆうめいなさっかになるのがゆめなんだ!」
で、
兄に養ってもらって、
恋人に鬼畜の如き所業。
 
人類の最底辺!!!!!
 
というか、
 
 
生物の最底辺!!!!!
 
 
兄が「いっそ死んでくれたらありがたい」って言うのに対し、
ヘレンが「なんてことを!」
って言うけどさ、
 
そりゃ思うだろ!
むしろ殺さないどころか面倒まで見てる兄よ。
もはや神と仏を超えた存在とまで言えるわ。
 
 
レビューとか読んでるとさ、
ドンの気持ちがわかって~、とか、
身につまされる~、とか書いてる人たまにいるけど、
 
この気持ちわかる人、マジやばくね?
 
 
前述したようなクソ所業、
わかるぅ~★
とか、
酒入ってるから仕方ないよネ★
とか思う人って、、
 
 
害 悪 な の で は
 
 
いやね、アル中になってしまった人が、
もう理性の無い毒々モンスターになるのはね、
わかるんです。わかってます。
 
だからこそね、
周囲はきちんと強制入院させて!!!!!
 
人権ガー、
とか、
本人の意思ガー、
とか。
 
 
ゾンビに意思があるのか!!!!!
 
 
人の肉を求めて彷徨うゾンビに、
ゾンビだから仕方ないよネ★
って言えるのか!言ってみろ!
 
もうね、病気なの。
理性を失ってるモンスターなの。
周囲が捕捉して治療しないとダメなの。
夢が~、
とかそんなんじゃ立ち直らないの。
 
 
周囲が甘々なんすよ。
言っとくけど、出版契約も無いようなやつは作家じゃなくてただの無職だぞ!


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

銀河の三人DTM。

April 07 2020 09:31

月曜から飲み。
 
誘われたらもちろん行きます。
っていうか、何気にこの面子での飲みって始めてよな。
 
 
やっぱねぇ、
ちょっと口の悪い、というか、
遠慮しないで何でも言うタイプのひと、
すき。
 
ノリが合うんだろなぁ。
俺も口さがないほうだからな…
 
 
でもね、
もちろん最低限の気遣いは必要だけどさ、
遠慮ばっかしてたら、そんなんはともだちじゃないじゃん?
お互いのことを好きでいれば、
本当に嫌がるほどのことなんて、自然と出てこないじゃん?
 
 
とかなー。
 
 
この前ふっかから、
「だいさんは女とばっか遊んでる」
って言われたけど、
女のコのほうがノリが合うのは昔から!
 
人との接し方が似てるのかな。
 
 
映画を観てるのも、
音楽を聴いてるのも、
それは自分を成長させる大事な時間だけど、
 
ともだちは俺をもっと成長させてくれんだぜ。
さんくす。


Categories: さんきゅ。

film0189: LIFEBOAT (1944)

April 06 2020 13:25

LIFEBOAT
邦題「救命艇」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.42
国内映画レビューサイト偏差値:3.23
海外映画レビューサイト偏差値:3.79
だい評点:★★
USA
1944年1月12日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:タルーラ・バンクヘッド、ジョン・ホディアック etc
製作・配給:20thセンチュリーFOX
◎NYFCC主演女優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
イギリスに向かう客船が炎上、沈没した。辛うじてただ一人救命ボートで脱出した旅行ライターのコニーは、救命艇に向かって泳いでくる人影を見つける。救命艇に辿り着いた男は機関士のコバックで、船はナチスの攻撃を受けたという。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ヒッチコック作品には珍しく、
主演女優が若くて可愛いコじゃなく、おばさん!!
しかもめっちゃ性格悪い役!
新機軸だな。
 
そのへんもWWⅡ真っ只中の世情の影響あるのかね。
実際逞しさが要求される話だし、
戦時中はそういう部分も求められるだろうし。
うん、戦争は映画作りにも影を落とすのね。
 
でもさ、
戦時中だからプロパガンダ的な要素は仕方ないにしても、
結局、ナチスは騙し討ちしてくるからブッコロ。
みたいな感情で大団円。
ってのがなんだかなー。
 
もうちょっとウィリー個人の内面を掘り下げて、
ウィリーはナチ崇拝者だから…
っていう感じにしてくれれば個人の問題になるんだけど、
まぁプロパガンダ的にはステレオタイプにしなきゃなのは、わかる。
 
でも、『海の沈黙』を観た後だからそのへんにやり切れなさが、ある。
 
 
ヒッチの作品自体は娯楽作として大好きなんだけど、
だからこそ、重めなシチュエーションには向かないのかな、って。
人物全体が軽いんだよな。
行動原理が希薄というか。
 
こんな過酷なサバイバルの中で、
それぞれの「どうしても生きたい理由」が見えてこないと、
やっぱり感情移入は難しい。
 
だから、
ガスの手術や死も、
大嵐も、
ドイツ補給艦に収容されそうなのも、
もちろんハラハラしたりはあるけど、
けどね…って感じ。
 
どうしても生きたい、っていう執念らしいものがないのに、
急に恋心だけは芽生え始めて、
うーん。
 
 
最後も、
まぁ軍事的な考えとして補給艦を叩くのは正義なんだけど、
日本人の立場としては、
別に連合軍、ナチスどっちにも思い入れがあるわけじゃないので、
戦艦同士の交戦じゃなく一方的な砲撃が行われてるのも何だかなぁ、とか。
 
作品としてダメなわけじゃないんだけど、
国内のレビューサイトの点数と、海外のサイトの点数に相当な乖離があるのを見てわかる通り、
やっぱり日本人には心から共感できない作りなんだろな。
 
日本人でも、
戦争や、戦後の残滓を経験した世代だったらまたいろいろあるのかもだけど。
 
俺らには永遠に持てない感覚だから、難しいね。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0188: DEUX HOMMES DANS MANHATTAN (1959)

April 03 2020 11:18

DEUX HOMMES DANS MANHATTAN
邦題「マンハッタンの二人の男」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.59
国内映画レビューサイト偏差値:3.78
海外映画レビューサイト偏差値:3.21
だい評点:★★★
フランス
1959年10月16日公開
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
出演:ジャン=ピエール・メルヴィル、ピエール・グラッセ etc
製作:ベルフォート・フィルム、アルテフィルム
配給:コロンビア
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
12月23日、ニューヨークの国連総会では目立った議題もなく、国連への新加盟国の承認決議だけが行われていた。しかし、フランスただ1ヶ国だけが予告なく欠席し、各国の記者たちはこぞってそのニュースを打電したが、誰一人としてフランスの国連代表ブルティエの行方を知る者はなく…。 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
おシャレすぎの嵐!!!
 
光と影の協調された映像。
前編に流れるジャズブルースの音色。
 
かっこよすぎるぅぅぅぅぅぅ!!!!!(涙)
 
リバーヒルソフトの往年の推理アドベンチャーゲーム、J・B・ハロルドのシリーズは絶対これから影響受けてるよな。
特に『マンハッタン・レクイエム』。
 
 
正直、ストーリーは単純。
だって、失踪した外交官を探したら、愛人の部屋で死んでました。
だけだもんなぁ。
陰謀もどんでん返しも何もない。
 
でもな。
 
おシャレさだけで幸せになれる!!!!!!
 
おシャレ映画は正義だった。
 
もうオープニングからシャレオツ感しかなくて、
今まで観た映画の中で2大好きオープニング映像だわ。
もう1作は『タイピスト!』。
両方フランス映画だなー。
 
 
この前観た『海の沈黙』が良すぎたから、メルヴィル監督観ようと思った一環だけど、
いい意味で全然作風が違うというか。
 
好きな監督1位に躍り出たまである。
まだまだ観たいなー。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0187: LE CORBEAU (1943)

April 03 2020 09:49

LE CORBEAU
邦題「密告」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.75
国内映画レビューサイト偏差値:3.67
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★★★
フランス
1943年9月28日公開
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
出演:ピエール・フレネー、ジネット・ルクレール etc
製作:コンチネンタルフィルム
配給:トビスフィルム
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
フランスのとある町、民家の庭で心配そうに佇む3人の老婆がいた。民家から出てきたのは産婦人科のレミ・ジェルマン医師。手を洗う彼に老婆が尋ねると、母親は助かったが子供はダメだったと言う。その頃、彼の勤めるサン・ロバンの市民病院では、13番ベッドの患者がベッドを替えてほしいと訴えており…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
「フランスのヒッチコック」クルーゾー作品2本目の鑑賞!
ホントにそう言われてるかは知らない!
大学の頃、TSUTAYAにあった「恐怖の報酬」のレンタルビデオのパッケージにそう書いてた!
だからたぶん本当!
 
でもね。
本作を観る限りでは、テイストはわりと対極!
 
事件の中で生まれる恋。
みたいなのはヒッチでもお決まりのパターンだけど、
ヒッチ作品のやつはだいたい陽気で爽やか!
 
一方で本作。
 
情  !  念  !
 
 
恐怖さえ感じるデニーズの愛。
サイコすぎるヴォルゼ院長の愛。
 
このドロドロ感こそフランス映画の華!!!!!!
 
 
でもなレミ、
女抱いといてその後の態度は何やねん…
中途半端な気持ちで抱くなや!!!!
 
出さない手紙という謎のウジウジといい、
レミにどこまでも漂うカス男感。
カラスの怪文書にいまいち怒りを覚えきれないのはたぶんそのせいだな。
 
 
犯人が最終盤まで特定できない、
というサスペンス的面白さは満足なんだけど、
ただでさえキャラが希薄だったうえに、結果救われなかったローラが哀しい。
もうちょっとキャラ立ちさせてあげたかったよ。。。
 
そして圧巻のエンド。
13番患者の母親によって、遂に成し遂げられた復讐!
我が子を殺した相手への復讐を終えた老婆が静かにヴォルゼ邸を出て行く。
 
「息子のカミソリは1回しか使ってない。もっと使ってあげなきゃ」
って言って手に持っていたカミソリが、ヴォルゼの死体のもとに…。
 
こえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
 
 
子を殺されると、母は悪魔にも鬼神にもなるのですね。
 
 
一方で、子殺しの汚名を着せられながらも、
最後には自分の子を産むようドニーズに言ったレミ。
この映画のテーマはそこにある。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0186: LES MISÉRABLES (2019)

April 02 2020 23:39

LES MISÉRABLES
邦題「レ・ミゼラブル」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.82
国内映画レビューサイト偏差値:3.84
海外映画レビューサイト偏差値:3.79
だい評点:★★★★
フランス
2019年5月15日公開(カンヌ映画祭)
監督:ラジ・リ
出演:ダミアン・ボナール、アレクシス・マネンティ etc
製作:スラブフィルム
配給:ル・パクテ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
パリ郊外のモンフェルメイユの警察署に転勤してきたステファン。迎えに来たクリスとグワダという二人の同僚からは、この地域は数年前に自警団によってコカインの売人たちが一掃されたが、なお複雑な状況が残っていると聞かされる。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
すごい映画を観た!!!!!!
フランスのスラムの圧倒的なリアル!
 
気軽に軽犯罪に手を染めるアフリカ系住民の子供たち。
舐められたら抑止できなくなるから、荒っぽくならざるを得ない警察。
両方のバランスを取らなければいけないスラム住民の顔役。
さらにはサーカスでやってくるルーマニア系住民。
 
移民国家の複雑な事情だよなぁ。
 
どうしても貧富の差ができやすいうえに、
同一出自でコミュニティを作るから、火薬庫になりやすい。
日本では実感を持てない環境。
 
暴動で、警察だけではなく、
“市長”や反コカイン団といった「自分たちの顔役」までも襲撃する子供たち。
そこにあるのは、ストレスの発散?ルサンチマン?
 
 
そしてこの映画の最も秀逸なのがラストシーン。
「悪い草も悪い人間もいない。育てる人間が悪いだけだ」
 
ただ一人だけ自分をかばってくれたステファン。
ただ一人だけ自分の身体を気遣ってくれたステファン。
ただ一人だけロマの暴走を止めてくれたステファン。
 
ステファンのやり方でイッサは変わる?
それを観る側に考えさせるアプローチ、
それぞれに解釈が生まれるから、すき。
 
育てる人間によって、
いい草にもいい人間にもできるかもしれないけど、
でもね、
そのための育て方に正解はないんですよ。
 
優しくするのが正解な場合もある。
厳しくするのが正解な場合もある。
ステファンのやり方が何かを生むのか、
クリスのやり方が何かを防ぐのか、
法的な云々は別としてね、
その善し悪しを論じるのはね、それぞれの価値観でしかないんですよね。
 
 
でもそんな社会でもね、
あのスラムのように、同民族同士ですら信じ合えていない社会でもね、
冒頭の場面のように、サッカーで1つになってる瞬間が事実としてあるんですよね。
エンバペ?デンベレ?グリーズマン?ジルー?
民族なんて、出自なんて関係ないってみんな体感してんじゃん!
 
どうやったら、普段からそれが当たり前になるんだろね。
育てる人間がね、
変わらなきゃなんですよ。
変わりたいね。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0185: YOUNG AND INNOCENT (1937)

April 01 2020 09:42

YOUNG AND INNOCENT
邦題「第3逃亡者」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.19
国内映画レビューサイト偏差値:3.12
海外映画レビューサイト偏差値:3.33
だい評点:★★★
UK
1937年11月公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ノヴァ・ピルビーム、デリック・デ・マーニー etc
製作:ゴーモン・ブリティッシュ
配給:GFD
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
女優クリスティンの死体とその凶器のベルトが浜辺に打ち上げられているのをシナリオライターのロバートが偶然発見した。警察を呼びに行くロバートの後ろ姿を見た通りがかりの女性たちは、ロバートが現場から逃走するのを見たと証言し…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
善意の第3者が犯罪に巻き込まれて犯人扱い→逃走。
つまり。
 
いつものヒッチコック!!!!
 
 
本筋に関係ないトラブルまで起こって命からがら脱出。
つまり。
 
いつものヒッチコック!!!!
 
 
もはや様式美だよなぁ。
正直、炭鉱の地崩れのシーンとか無くてもいいシーンだけど、
とりあえず何かを起こして定期的にハラハラさせる。
 
状況はどんどん悪くなっていって絶体絶命だけど、
最後の最後に大逆転でハッピーエンド。
 
やってることはだいたい同じなんだけど、
それでも毎回きちんと楽しめる安定感。
 
時代劇並みの安心感あるわ。
 
 
で、本作に関して言うと、
とりあえず軽い!
主人公が軽すぎて共感できない!
 
「無実だから捕まっても何とかなるよ」
ってんなら最初から逃げんなやぁぁぁぁぁ!!!!
 
逃げるのはまだいい(よくないけど)。
潜伏してるのに外にゴミ捨てんなぁぁぁぁ!!!!
屋内にでさえ痕跡残しちゃあかん場面で、
窓からゴミ放り投げるやついる?
バカなの?ねぇバカなの??
 
全く必死さが感じられないから、
そもそものストーリーの必然性が薄くなってる。
それがこの作品のいまいち感の根源だよなぁ。。
 
 
最後の大団円に向けたホールのシーンはヒッチの真骨頂よね。
「早く気付け!早くぅぅぅ!!」
っていう感情で5分以上息を飲んで観るからカタルシスがすごい。
でも演奏おかしくなった時点で普通はドラマーのほう見るけどな。。
 
「急病人は放っとけない!わたしガールスカウトやってたから!」
が単なる二人の出会いだけかと思ったら、
 
最後のシーンに繋がってるのかよ!!!!!!!!!!!
 
この構成だけでご飯おかわりできるわ。
だけども、んな事言うと、
「じゃあやってみて」って言わないでねベイベ。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0184: DER LETZTE MANN (1924)

March 31 2020 15:11

DER LETZTE MANN
邦題「最後の人」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.92
国内映画レビューサイト偏差値:3.86
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★
ドイツ
1924年12月23日公開
監督:F・W・ムルナウ
出演:エミール・ヤニングス、マリー・デルシャフト etc
製作・配給:ウニヴェルサム・フィルム
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ベルリンの大通りに立つ高級ホテルの老ドアマンが大雨の中でも来客の送迎や荷物の運搬に走り回っていた。しかし寄る年波には勝てず、大型のスーツケースの運搬でへとへとになってしまい、腰を下ろして休んでいるところを支配人に見つかってしまい…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
久々の~~、
サイレント!
美・サイレント!
美・サイレント!
 
山口百恵はうちの母の世代。
 
 
サイレント映画はやっぱり苦手だねー。
台詞がどうとかって話じゃなく、
どうしても言葉がない分、演技が大袈裟になりがちだし、
それに合わせて脚本もわかりやすさ重視になりがち。
 
それがいいって人もいるでしょう。
それはとってもわかるでしょう。
頭で理解はするでしょう。
 
俺は!
苦手!!
 
 
ただでさえ大袈裟な老ドアマンが、
ドアマン職にしがみつく様。
 
共感!
できぬ!!
 
 
この映画が評価高いのがよくわからないんだよなぁ。
共感できないどころか、
制服を盗んだり、
新ドアマンを物陰から眺めたり、
お前には!
プライドというものが無いのか!
 
なんかもう、嫌悪感しかない。
 
 
実態の自分じゃなく、制服にこだわって、
しかも遺産もらったらその制服へのこだわりすらなくなって、
はりぼてじゃん?
お前欲しいの、はりぼてじゃん?
ってなー。
 
俺がそういう類の欲を全く持ってない人間だから、
少しも理解できないんだよなぁ。
はりぼて誇るのカコワルイー
って思っちゃう。
 
 
イキに生きよぜベイベ。
ベイベ、って言ったけどさ、
老人ほど、イキに生きたら格好良いんだぜ。
 
それを捨てちゃ、
ダメだな。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0183: LE SILENCE DE LA MER (1949)

March 31 2020 11:36

LE SILENCE DE LA MER
邦題「海の沈黙」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.94
国内映画レビューサイト偏差値:4.04
海外映画レビューサイト偏差値:3.73
だい評点:★★★★★
フランス
1949年4月22日公開
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
出演:ハワード・ヴァーノン、ニコール・ステファン etc
製作:メルヴィル・プロダクション
配給:ピエール・ブラウンバーガー
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1941年、ナチス・ドイツに占領されたパリ近郊の小さな村で、1人の初老の男がつい半年前の出来事を回想していた。男と姪が2人で住む家にやって来た2人のナチス兵。文書を手渡して宅内を調べると、翌朝には軍用車がやって来て何か荷物を置いていくのだった。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
うおーー!これはすごい映画!!!!
原作付きらしいけど、
これ!映像と音がないと絶対表現しきれないやつだろ!
 
ただひたすらにフランスへの愛を語るエブレナック。
愛国心ゆえに「ナチス支配下の日常」を受け入れまいと、エブレナックの存在を黙殺する叔父と姪。
愛国心を尊重するからこそ、その態度を責めないエブレナック。
 
少しずつ、少しずつだけど、
心の距離は近付いていく。
でも、
ナチスによるフランス支配が終わらない限り、
近付いても絶対に交わらない心。
 
 
せつない!
 
 
最後のシーン。
絶対に交わらないけど極限まで近付いた心で、
姪が初めて発した言葉は。
 
 
せ  つ  な  い  !
 
 
支配の関係の中にはマリアージュは生まれない。
フランスへの限りない愛。
真摯な人間への賞賛。
支配の関係じゃなければ、そこには生まれたかもしれないな。
 
最後の一言だけが全てなんて、
悲しすぎるじゃないかよ。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。