film0230: UN CONDAMNÉ À MORT S’EST ÉCHAPPÉ OU LE VENT SOUFFLE OÙ IL VEUT (1956)

May 22 2020 10:44

UN CONDAMNÉ À MORT S’EST ÉCHAPPÉ OU LE VENT SOUFFLE OÙ IL VEUT
邦題「抵抗 -死刑囚の手記より-」
 
映画レビューサイト総合偏差値:4.07
国内映画レビューサイト偏差値:4.03
海外映画レビューサイト偏差値:4.14
だい評点:★★★★★
フランス
1956年11月11日公開
監督:ロベール・ブレッソン
出演:フランソワ・ルテリエ、シャルル・ルクランシュ etc
製作:ゴーモン、NEF
配給:ゴーモン
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1943年、ドイツ占領下のリヨン。フォンテーヌ中尉はナチスに逮捕され、連行される車内から逃走する機会を窺っていた所に運良く路面電車が横切り護送車が停車。果敢に脱出を試みるが、後続の護衛車によりすぐに取り押さえられてしまい、拳銃の銃身で殴られ大怪我を負う。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
これはね、素晴らしい!
 
ベッケル監督の「穴」よりも前なんだな。
ってことはこっちが元祖か。
フランスには優秀な脱獄映画を生み出す風土がある…?
 
例えばUSAなら「第十七捕虜収容所」みたく、
どんな人がどの場面を見ても楽しめるような、
いろんな要素がごちゃっと詰め込まれて盛り沢山だけど。
 
「抵抗」といい「穴」といい、
もう目的は脱獄だけで、
脱獄を目指す、ただひたすらにそのための場面以外一切ない。
もちろんBGMもない。
余計な物を削ぎ落として、芯だけにする。
 
そのリアリズム、やばすぎやん。
 
 
しーんと静まりかえった消灯後の独房棟で、
ガンガン音を立てて削る!削る!
それでバレないわけないやん!!!
って思うけど、
実話だからしょーがない。
 
実話ってのはそれだけで免罪符だな。
それは無理やろ!無理やろ!
と思いながら見る緊張感、
「穴」でコンクリをガンガンやってた時みたいだけど、
こっちのほうが独房な分、
孤独感によって更に緊張感が増幅されてて良いな。
 
ってかまぁ、捕まってる理由も理由だからってのもあるけど、
当然みんな、誰かが脱獄のための準備をしてるのはあの音で気付くわけで、
それでも誰一人密告する人が出てこないってのは、
うん、フォンテーヌだけじゃなくて、
囚人みんなのレジスタンスなんだぜ。
 
最後の最後、
どこかで思い切らないと、
時間が経てば経つほど当然発見されやすくなるわけで、
(殺した見張りが見つかった瞬間経路追われるからなぁ)
あそこは時間かけちゃいかんとこなんだけど、
あれも実話部分なのかね。
よく見つからずに済んだな。
 
 
排泄物を捨てるためにバケツを持って穴の前に並ぶ。
食事は皿1皿のみ。
当時の収容所を知る貴重な内容。
劣悪だよなぁ。
 
 
「死刑執行人もまた死す」「抵抗」と、
ゲシュタポに虐げられた人の映画をここまで見てきたから、
ゲシュタポ側の観点の映画とかあったら見てみたいな。
 
ゲシュタポ側にも言い分はある…?
カイジの利根川みたく、中間で葛藤してる可能性は、あるよな。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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