カテゴリーアーカイブ: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0130: SUNSET BLVD. (1950)

August 16 2019 23:00

SUNSET BLVD.
邦題「サンセット大通り」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.93
国内映画レビューサイト偏差値:3.80
海外映画レビューサイト偏差値:4.18
だい評点:★★★
 
USA
1950年8月10日公開
監督:ビリー・ワイルダー
出演:グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールデン etc
製作・配給:パラマウント
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ロサンゼルスのサンセット大通りを刑事や新聞記者の乗った何台もの車が走っていた。とある大邸宅でプールに浮かぶ射殺死体が発見されたのだ。死体の正体は、売れない若い脚本家だった。いったい何故こんなことになってしまったのか。事件に至る経緯を半年前から述懐し始める…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
感動のヒューマンドラマのつもりで見始めたら、全然違ったw
倒叙形式だから結末はわかっているのに、そこに至るまでの筋書きが全然読めなくて、この構成はさすがワイルダー監督というのが最大の感想。
中途半端な生き方は悲劇を招くぞ、思わざるを得ない。
夢でも金でも女でも好きに追えばいいと思うんだけど、どれも中途半端な状態はいちばん良くないよね。
登場人物が誰一人共感できなかったから★3つにしたけど、純粋に映画としての出来だけ見れば、★4~5でもいいくらいのよくできた映画。



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film0129: 生きる (1952)

August 16 2019 18:37

生きる
 
映画レビューサイト総合偏差値:4.11
国内映画レビューサイト偏差値:4.10
海外映画レビューサイト偏差値:4.12
だい評点:★★★
 
日本
監督:黒澤明
出演:志村喬、小田切みき etc
製作:本木荘二郎
配給:東宝
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
市役所の市民課長・渡辺勘治は退勤時間を気にしながら、ただ事務的に仕事をこなしていた。仕事に対するやる気も情熱もなく、20年もの間そうやって過ごしてきたのである。そんな中、最近は胃に違和感を感じ始めていた。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
テーマは生きているということ=何かを生み出すということ。
ハッピーバースデーの歌の中を渡辺が駆け下りていくシーンで、渡辺は生きていない存在から生きている存在となり、
その死後、相変わらず生きることのできない人たち、生きようとする人たち、そして生きた者によって生み出されたもの。
生きている小田切によって渡辺は新たに生存在として生み出され、そして渡辺によってまた新たな生が生み出される。
そんな再生の物語。
昔、生きるということは活きることだと書いたことがある。

活きようぜ。
活きてないと、死んだ後、何が残る?



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film0128: LA BEAUTÉ DU DIABLE (1950)

August 16 2019 13:45

LA BEAUTÉ DU DIABLE
邦題「悪魔の美しさ」

映画レビューサイト総合偏差値:3.62
国内映画レビューサイト偏差値:3.63
海外映画レビューサイト偏差値:3.60
だい評点:★★★
 
フランス/イタリア
1950年3月16日公開
監督:ルネ・クレール
出演:ジェラール・フィリップ、ミシェル・シモン etc
製作:フランコ・ロンドン・フィルム
配給:コロナフィルム
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ファウスト博士の屋敷に勤める召使いは、博士の部屋の掃除中に、積まれた蔵書の悪魔のページを偶然開いてしまい、不吉なものを感じる。一方ファウスト博士は、大学教授の職を定年退職することとなり、その式典で学長からの送辞を受けていたが、その様子を笑いながら聴いている一人の若者が目に入った…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ファウスト博士が悪魔メフィストフェレスに魂を売るという民間説話を題材にした作品。この説話には様々なバリエーションがあるので、この作品が何かのバリエーションを映像化したものなのか完全オリジナルなのかは不明。少なくともゲーテの有名なファウストとは筋書きが全く違う。
本当の幸福とは何か、という普遍のテーマながら、きっちりと飽きずに観られる作品になっているのはさすが王道の題材といったところ。
ディテールの部分では、何でやねん!と突っ込みを入れたくなるような部分も散見されるとはいえ、そういうところに目を瞑れば充分に満足できる出来。
悪魔といえども投身して死んでしまうとか、あれだけ魔法でいろんなことができるのに何かできるやろ、とか思うけどw
悪魔も恐れるほどに、人間ってのは残酷なんですねぇ…



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film0127: 半落ち (2004)

August 13 2019 23:19

半落ち
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.06
国内映画レビューサイト偏差値:3.07
海外映画レビューサイト偏差値:3.04
だい評点:★★★
日本
2004年1月10日公開
監督:佐々部清
出演:寺尾聰、伊原剛志 etc
製作:東映東京撮影所
配給:東映
◎日本アカデミー作品賞、男優賞
◎ブルーリボン男優賞
◎日刊スポーツ石原裕次郎賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
「3日前、妻の首を絞めて殺しました」と警察署に出頭してきたかつての敏腕警部・梶総一郎は、アルツハイマー病に苦しむ妻に懇願され殺害したという。しかし、自首するまでの2日間については決して語ろうとしなかった。一方、県警幹部は、身内の犯罪をもみ消そうとするが…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
世間的評価があんまり芳しくないのはね、たぶん、
サスペンスとして観たら超駄作。
ヒューマンドラマとして観たら駄作。
社会派ドラマとして観たら秀作。
っていう部分だと思うんだよなぁ。
 
原作がミステリ畑だから、
サスペンスとして観た人が多かったと思う。
俺もそうだし。
 
俺はもともと社会派ドラマがいちばん好きなジャンルだから、
あぁ、サスペンスじゃなく社会派ドラマなんだな、
って途中で気持ち切り替えて楽しめたけど、
純粋にサスペンス観たかった人にとってみたら、
 
なんじゃぁぁぁ、こりゃぁぁぁぁ!!!!!!!
 
って映画館で叫んだのは想像に難くないわ。
(映画館で大声を出すのはやめましょう)
 
 
だって、サスペンス映画の楽しみってさ、
あのトリックが~、とか、
あそこで犯人が~、とか、
見終わった後にそういうのを思い巡らすのが楽しいのに、
この映画ときたら、
 
介護か…
アルツハイマーまで行っちゃうといろいろ難しいな…
もちろん施設に入れるという選択肢はあるが、
だがしかし家族として…
 
サスペンス的カタルシス、ゼロ!!!!!!!
 
サスペンスっぽい売り出し方をした宣伝部は、
きちんと土下寝したほうがいいよ!
 
 
でもね、社会派ドラマとしてはホントに秀作ですよ。
おし俺が結婚して、
最愛の妻がアルツハイマーになったら、
俺、どうすんだろうなぁ、ってマジで考えるもん。
 
愛する人との最大の楽しみって、
一緒に想い出を積み重ねていくことだと思うんですよ。
あんなことあったね、
こんなことあったね、
って、いつまでも二人の共有を楽しめる。
積み重ねてきた時間って、かけがえのないことだと思うんですよね。
 
それが失くなっていくということ。
 
俺はたぶん、殺そうとか、死のうとか、
そういうことは思わないけど、
自分一人で背負いきれるのかどうか、
いろいろ、怖いよね。
 
全ての人がボケるわけじゃないけど、
可能性としては、誰にでも、ある。
だから避けて通れない問題で。
 
そういうことを眼前に突き付けられて、
お前ならどうする?
違った選択をするのか?どうなんだ?
って問い詰められてる感覚の作品。
 
いい映画だなぁ。
 
 
でもね、
あの程度のことなら、
ちゃんと警察に正直に言った方が良かったと思うよ!



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film0126: 羊の木 (2017)

August 13 2019 18:13

羊の木
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.07
国内映画レビューサイト偏差値:3.08
海外映画レビューサイト偏差値:3.04
だい評点:★★

日本
2017年10月15日公開
監督:吉田大八
出演:錦戸亮、木村文乃 etc
製作・配給:アスミック・エース
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
日本海に面した小さな港町・魚深市では、法務省の極秘プロジェクトで移住者の積極受入を行っていた。何も知らないまま、新しく移住してくる6人を迎えに行くよう命じられた市役所職員・月末だったが、一人目から明らかに挙動不審な人物で…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
結局ねー、
難しいんですよねー、
更正できる者。
更正できない者。
 
機会を与えることが大事なのか、
うん、大事なんだろう。
でも、
更正できない者に機会を与えることによって、
それで傷つく人が出てくることも、ある。
 
更正させる!
なんてね、
自分の身を切ってない人が偉そうに大上段に言うことじゃない。
 
やってみないとわからないけど、
やってみて、何かが起こってからじゃあ、遅い。
 
情報をきちんと開示しないからこそ受け容れられることもあるし、
情報をきちんと開示しないからこそ被害が出ることもある。
 
答えはね、
1つじゃないんだよなぁ。
 
とかいろいろ考えたけどさ、
考えた結果気付くのはさ、
 
 
優香のパート、ストーリー的に必要???????
 
 
あそこだけ完全に浮いてる気がする。
というか、むしろストーリーの邪魔してる気がするし、
そもそも月末の恋の話もどうでもいいし、
ありがちな、
「ストーリーに関係ないロマンスを無理に入れ込んでみました」
なやつだな。
 
更正の機会の是非がテーマの映画で、
・職員と元受刑者の三角関係
・元受刑者が被介護の高齢者と年の差恋愛
どう考えても必要ないと思うんだよなぁ。。。
 
 
あとね、
再犯者はたぶん更正しないよ!!
 
ってのだけは常々思うわ。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0125: 鬼談百景 (2016)

August 13 2019 01:25

鬼談百景
 
映画レビューサイト総合偏差値:2.76
国内映画レビューサイト偏差値:2.73
海外映画レビューサイト偏差値:2.81
だい評点:★★★
日本
2016年1月23日公開
監督:中村義洋、白石晃士、安里麻里、岩澤宏樹、大畑創、内藤瑛亮
出演:三浦透子、久保田紗友 etc
製作:Studio View、アムモ98
配給:日本出版販売
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
深夜、踏切や峠、廃屋などの心霊スポットに出かけるUさんが体験した奇妙な話「追い越し」、Kさんが実家で母と共に体験した恐ろしい話「影男」など、ミステリー作家・小松由美子に届いた10の投稿を紹介する。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
今まで観たホラーオムニバスの中でいちばん良かった!
得体の知れない不気味な感じの話が多くて、
直截的な表現じゃないから後引く怖さ。
 
でもオムニバスって監督力が浮き彫りになるなぁと思って、
ホラー撮るの向いてないな?って圧倒的に思ったのが中村義洋。
岩澤宏樹と大畑創もちょっと微妙かな?
 
逆にくっそ怖かったのが内藤瑛亮。
映像の撮り方自体は上手いわけじゃないけど、
間とかが絶妙に怖い。
 
安里麻里は映像というよりは音の使い方が上手いなぁ、と。
 
白石晃士の「密閉」は、
映像とかは特に怖くないけど、脚本がめっちゃ良かったから、
話としてはいちばん好き。
 
 
なんかそれ以上書くことないな?
とりあえず「続きをしよう」の怪我のシーンはどれも痛そうで見ててつらい。
映画でもゲームでもよくある、
あのビチャァっっっって効果音最初にやったの誰なんだろな?
あの音めっちゃ痛く感じるんだよな。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0124: 残穢 −住んではいけない部屋− (2015)

August 12 2019 15:09

残穢 −住んではいけない部屋−
 
映画レビューサイト総合偏差値:2.93
国内映画レビューサイト偏差値:3.02
海外映画レビューサイト偏差値:2.73
だい評点:★★★
 日本
2015年10月25日公開(東京国際映画祭)
監督:中村義洋
出演:竹内結子、橋本愛 etc
配給:松竹
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
小説家の”私”は、怪談雑誌で読者から寄せられた体験談を元にしてホラー短編を書いていた。今回は、九州の親戚の家で怪奇現象に遭遇したというもの。編集者との打ち合わせが終わり、来月分として受け取った投書の中に都内に住む女子大生からのものがあり、”私”はその内容に目を留める。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
けっこう楽しんで観れるいい映画だと思うんだけどそれほど評価が高くないのは、おそらく従来のホラー映画とテイストが違いすぎるからでしょう。
単に怪奇現象や怪異なものに襲われるという怖さではなく、今この身に迫る怪奇の正体が少しずつ見えてくるという怖さ。途中までは怖さというよりも、謎解きのようにいろいろな伏線が繋がってくる面白さがあって、良質なミステリーの様相。
最後になってついに最悪の形で伏線が回収されるという作りは、よく練られているなと感心する。
ただ1つ望むならば、最後の「話しても祟られる、聞いても祟られる」に、最後の最後で「観ても祟られる」を付け加えてくれれば、観客まで巻き込むことができて最高の余韻が出来たと思うんだよなあ。
全編通して緊張感が張り詰めた演出が良。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0123: ザ・オーディション (1984)。

August 11 2019 12:49

ザ・オーディション
 
映画レビューサイト総合偏差値:2.73
国内映画レビューサイト偏差値:2.73
海外映画レビューサイト偏差値:-
だい評点:★★
日本
1984年11月17日公開
監督:新城卓
出演:世良公則、セイントフォー etc
製作:フィルムリンク・インターナショナル
配給:東宝東和
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
とある撮影現場。ナンパしてくる男たちをあしらう祐三子だったが、その下手な演技に監督から容赦なくカットの声が飛ぶ。祐三子のマネージャーを務める修平は、もっと怒りを出せと指導するが、今度は男を突き飛ばした際にロケのセットが壊れてしまい…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
「30年早すぎたアイドル」セイントフォーの売り出しのために制作された映画。
セイントフォー、アイドル歌手としては個人的にはとても好きです。有酸素系ダンスはキレッキレで、歌も下手じゃない。ただ、演技はダメだ。売れてないうちにこういう形で粗の目立つ仕事をさせるべきではなかった。
4人の中でダンスも歌も劣る祐未子に違う部分での活路を見出したいかのようなメイン抜擢だが、残念ながら演技も最もいまいちだった。
ストーリーもお粗末で、レイカーズのサクセスストーリーをテーマにするのであれば、修平の元妻とのロマンスは全く必要なかったし、愛人の隠し子エピソードももっとエンディングへの伏線として使えたんじゃないかという勿体なさ。
ただ1つ、TV芸能最盛期の当時にあって、芸能界の裏側なんてこんなもんだよ、と曝け出してしまった強気な作りだけは喝采に値する。ちょっと音楽業界や芸能業界のことを噛んだことのある人には暗黙の了解だった賞レースが「裏金」や「枕」で出来レースとなっていることも、実際にそれが広く認識されるようになったのがここ10年くらいのことであることを考えると、この時代にこれをやったのは衝撃と言う他ない。
その後セイントフォーが事務所のトラブルの関係で尻切れになったのも、結局それが遠因なんじゃないかとさえ疑ってしまう。
ただ何にせよね、劇中でメインで歌わせる曲はRock’n Roll Dreams come throughじゃなく不思議Tokyoシンデレラであるべきだったと思うよ。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0122: トリハダ-劇場版- (2012)。

August 06 2019 10:44

トリハダ-劇場版-
 
映画レビューサイト総合偏差値:2.88
国内映画レビューサイト偏差値:2.84
国際映画レビューサイト偏差値:2.96
だい評点:★★
日本
2012年9月13日公開
監督:三木康一郎
出演:谷村美月 etc
製作:「トリハダ 劇場版」製作委員会
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
とある家電メーカーのコールセンター。そこに勤務する高林ひかりは、購入した掃除機が不良品だというクレーム電話を毎日かけてくるおばさんから罵詈雑言を浴びせられていた。仕事に対するストレスで暗い顔のまま帰宅するひかりに、隣家の住人が声をかけてくるが…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ごく近いエリアを舞台にして、メインストーリーの間にいくつかの短編を挟んだオムニバス形式。
というだけで、メインストーリーが短編によって補完され、伏線回収されていく形式…っ!
と思って観ていたら、
全く関係ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
小道具的にエリアや時系列の統一性を感じさせるためだけにちらっと共通アイテムが出てくる程度。
え…これなら一本の映画にする必要なくね?
小さな悪意が絡み合って、最後の最後で大きな恐怖が…!
ってのを期待してたら、パニック殺人の結果自殺するという、最後の最後でいちばんの尻切れ感という。
単発としては面白いエピソードもあっただけに、それを全体で活かす構成をしなかったのが返す返すも残念。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0121: 砂の器 (1974)

August 05 2019 10:02

砂の器
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.79
国内映画レビューサイト偏差値:3.86
国際映画レビューサイト偏差値:3.66
だい評点:★★
 
日本
1974年10月19日公開
監督:野村芳太郎
出演:丹波哲郎、加藤剛 etc
製作:橋本プロダクション
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
秋田県の羽後亀田駅に降り立った今西警部補と吉村巡査。二人は、東京・蒲田の国鉄の操車場内で発生した身許不明の殺人事件の手がかり、東北訛りの「カメダ」という言葉を頼りに、捜査に来たのだったが、これといった情報は得られず…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
申し訳ないけれども、評価が高い理由が少しもわからない作品。終盤の構成の新しさ(当時にしては)が肝なんだろうけど、普通に観たら、逆に和賀のみっともなさが浮き彫りになるだけのシーンで、しかもそこまでの真相を探るサスペンスタッチのストーリーも全部ぶち壊しで、もうね、もうね。
前半だけなら★3.5くらいの出来なんだけど、終盤は★0と言ってもいい。
終盤の演出に尺を取るためか、中盤で急にあっさり真相に辿り着く今西。
情婦を酷く扱い、婚約者にも冷たい態度を取り、さらに自分の正体を知られたくないあまりに恩人まで殺す和賀を、まるで悲劇のヒーローのように扱う演出。
わけがわからないよ。
つらい過去があるなら、そもそも不正することなく、周囲に誠実に接し、偏見と戦うべきじゃないの?それができなかった殺人者を諭すようなテーマが欲しかったな。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。