film0127: 半落ち (2004)

August 13 2019 23:19

半落ち
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.06
国内映画レビューサイト偏差値:3.07
海外映画レビューサイト偏差値:3.04
だい評点:★★★
日本
2004年1月10日公開
監督:佐々部清
出演:寺尾聰、伊原剛志 etc
製作:東映東京撮影所
配給:東映
◎日本アカデミー作品賞、男優賞
◎ブルーリボン男優賞
◎日刊スポーツ石原裕次郎賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
「3日前、妻の首を絞めて殺しました」と警察署に出頭してきたかつての敏腕警部・梶総一郎は、アルツハイマー病に苦しむ妻に懇願され殺害したという。しかし、自首するまでの2日間については決して語ろうとしなかった。一方、県警幹部は、身内の犯罪をもみ消そうとするが…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
世間的評価があんまり芳しくないのはね、たぶん、
サスペンスとして観たら超駄作。
ヒューマンドラマとして観たら駄作。
社会派ドラマとして観たら秀作。
っていう部分だと思うんだよなぁ。
 
原作がミステリ畑だから、
サスペンスとして観た人が多かったと思う。
俺もそうだし。
 
俺はもともと社会派ドラマがいちばん好きなジャンルだから、
あぁ、サスペンスじゃなく社会派ドラマなんだな、
って途中で気持ち切り替えて楽しめたけど、
純粋にサスペンス観たかった人にとってみたら、
 
なんじゃぁぁぁ、こりゃぁぁぁぁ!!!!!!!
 
って映画館で叫んだのは想像に難くないわ。
(映画館で大声を出すのはやめましょう)
 
 
だって、サスペンス映画の楽しみってさ、
あのトリックが~、とか、
あそこで犯人が~、とか、
見終わった後にそういうのを思い巡らすのが楽しいのに、
この映画ときたら、
 
介護か…
アルツハイマーまで行っちゃうといろいろ難しいな…
もちろん施設に入れるという選択肢はあるが、
だがしかし家族として…
 
サスペンス的カタルシス、ゼロ!!!!!!!
 
サスペンスっぽい売り出し方をした宣伝部は、
きちんと土下寝したほうがいいよ!
 
 
でもね、社会派ドラマとしてはホントに秀作ですよ。
おし俺が結婚して、
最愛の妻がアルツハイマーになったら、
俺、どうすんだろうなぁ、ってマジで考えるもん。
 
愛する人との最大の楽しみって、
一緒に想い出を積み重ねていくことだと思うんですよ。
あんなことあったね、
こんなことあったね、
って、いつまでも二人の共有を楽しめる。
積み重ねてきた時間って、かけがえのないことだと思うんですよね。
 
それが失くなっていくということ。
 
俺はたぶん、殺そうとか、死のうとか、
そういうことは思わないけど、
自分一人で背負いきれるのかどうか、
いろいろ、怖いよね。
 
全ての人がボケるわけじゃないけど、
可能性としては、誰にでも、ある。
だから避けて通れない問題で。
 
そういうことを眼前に突き付けられて、
お前ならどうする?
違った選択をするのか?どうなんだ?
って問い詰められてる感覚の作品。
 
いい映画だなぁ。
 
 
でもね、
あの程度のことなら、
ちゃんと警察に正直に言った方が良かったと思うよ!


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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