月別アーカイブ: 5月, 2020

film0220: AROUND THE WORLD IN EIGHTY DAYS (1956)

May 12 2020 11:57

AROUND THE WORLD IN EIGHTY DAYS
邦題「80日間世界一周」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.37
国内映画レビューサイト偏差値:3.42
海外映画レビューサイト偏差値:3.27
だい評点:★★★
USA
1956年10月17日公開
監督:マイケル・アンダーソン
出演:デビッド・ニーブン、カンティンフラス etc
製作:マイケル・トッド・カンパニー
配給:ユナイテッド・アーティスツ
◎アカデミー作品賞、脚本賞、編集賞、撮影賞、音楽賞
◎ゴールデングローブ作品賞、男優賞
◎NBR作品賞
◎NY映画批評家サークル作品賞、脚本賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1872年のロンドン。馬車が行き交い、衛兵たちが行進するごく普通の日常だったが、新聞にはイングランド銀行が強盗に遭ったという大ニュースが掲載されていた。日々の日課と少しでも違う所があると許せない性質のフォッグは、届けられた新聞紙に誰かが読んだ形跡があるとして召使いに交換を命じる。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
パスパルトゥーみたいな、
何も考えずに騒動巻き起こしっぱなしのキャラ、
ああいうのが生理的に苦手なので、
 
あぁ、これは俺に合わんやつだなぁ。これ3時間あるのつらいなー。
って思いながら観てたのよね。
うーん、まだけっこうあるなぁ。
早く進まないかなぁ。
 

 
……
 
………
 
 
目が離せねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
 
 
中盤からめっちゃ面白くなんの!
最後の1時間半くらいはあっという間!
 
刑事がフォッグを付け狙い始めたあたりから物語の質が変わったのがすごく良くて、
最初はちょっと余計な設定かな、って思ってたけど、
このタームになってから、
 
フォッグ … 神経質ないけすかない奴 → 婦人に礼を尽くす紳士
パスパル … 勝手な行動で主人に迷惑 → 主人に忠誠を尽くす腹心
 
っていう形で変容したのが面白さの肝!
刑事という明確な悪役が出てきたことで、
正義のキャラ化した2人に感情移入しやすくなった!
 
 
というわけで、
最終的には満足度の高い作品になったわけだけども、
なんか見たことある役者が出てるな~、
と所々思いながら観てたのね。
 
そしたら途中でさ、
 
こんなチョイ役で!
ピーター・ローレ出てきた!!!!!!
 
と思ってさ、
もしや他にも?
と調べてみたらさ、
 
やたらと存在感あった女、「舞台恐怖症」のマレーネ・ディートリヒかぁぁぁ!!!
 
ローレとディートリヒはチョイ役でも存在感が異常。
 
あとは存在感なくて気にしてなかったけど、
あぁぁぁ!言われれば確かに!
「アフリカの女王」の神父さん!(ロバート・モーレイ)
「ガス燈」のグレゴリー!(シャルル・ボワイエ)
この前観たばっかの「十戒」のセティⅠ世!(セドリック・ハードウィック)
 
ピアノ弾きはフランク・シナトラだったらしいけど、
あれはさすがに気付かんな…
 
これらのカメオ出演のスタァたちがどこの場面に出てたかがわかる、
めっちゃオシャレなエンディングも素敵★
 
 
日付変更線オチはわりと読めたけど、
でもな、
急いでるならさすがにあの聖書の一団は振り切って行ってよ(笑)
 
最後のTHE ENDも地味に好き。
 
 
65年前のミャンマーやインドって、
なかなか映画とかで出てこないから景色見てるだけでもいい感じ。
知りすぎていた男のモロッコといい、
最近は昔の世界旅行が出来てて楽しいな。
 
鎌倉大仏、周囲の景色が今とちょっと違うな。
とか。
 
でもさすがにあんなあやしい見世物小屋、
当時の日本にもないよね??(笑
 
 
あと、スペインのフラメンコが格好良すぎたので、
コロナ関係一段落したらタップダンスの体験行きますね!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0219: MOBY DICK (1956)

May 11 2020 10:00

MOBY DICK
邦題「白鯨」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.38
国内映画レビューサイト偏差値:3.30
海外映画レビューサイト偏差値:3.56
だい評点:★★
USA
1956年6月27日公開
監督:ジョン・ヒューストン
出演:リチャード・ベースハート、グレゴリー・ペック etc
製作:ムーリン・ピクチャー、ワーナーブラザーズ
配給:ワーナーブラザーズ
◎シルバーリボン外国映画賞
◎NY映画批評家サークル監督賞
◎NBA監督賞、助演男優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1841年の暮れの嵐の日、イシュメールは捕鯨業の中心地ニュー・ベドフォードにある、船乗りたちの集まる宿屋兼酒場に辿り着いた。モリ打ちと相部屋なら空きがあるというので承諾するが、そのモリ打ちは外出中で、他の船乗りたちはよそ者のイシュメールを受け入れて歌い踊っての大騒ぎとなるが…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
冒険譚。のようでいて、実際にはめっちゃ宗教色の濃い作品よね。
 
神を冒瀆してでも復讐だけに凝り固まった者の末路。
的な。
 
スターバックとのやり取りに神という言葉を多用させてるのがこの作品の本質なんだろな。
 
 
給料いくら、ではなくて、
全利益の何分の一、
って雇い方をするのが当時の船乗りだったんだなぁ、
というのが新鮮な発見。
 
それなら、そりゃあ必死に仕事するよね!
 
だからこそ、
せっかく捕らえた鯨の群れを放置してまでモビーディックの海域に急行しようという船長に対して、船乗りたちが最終的にあんな簡単にシンパになるのが納得いかないんだよなぁ。
全然普通の捕鯨しようとしてなくて、
どうやって生活するつもり??
 
まぁ、そういうとこも含めて宗教的なのかね。
 
狂信的な宗教家のカリスマに対して、
現状も客観的に観れずにカルト化していく人々。
 
でもね、
彼らが打倒しようとした「神」は、
やっぱり神聖にして倒せるものではないんですよねぇ。
 
という、宗教物語。
 
 
雪よりも白い!
って言ってたからどんなのが出てくるかなと思ってたら、
 
普通のアザラシくらいの灰色感じゃん!!
やはり当時の技術ではあれを真っ白に偽装するのは無理か…



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0218: THE TEN COMMANDMENTS (1956)

May 07 2020 10:37

THE TEN COMMANDMENTS
邦題「十戒」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.64
国内映画レビューサイト偏差値:3.53
海外映画レビューサイト偏差値:3.85
だい評点:★★
USA
1956年10月5日公開
監督:セシル・B・デミル
出演:チャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナー etc
製作:モーション・ピクチャー
配給:パラマウント
◎アカデミー特殊効果賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
神は地上に生き物を創造し、人間にすべてのものを治めさせたが、人間は次第に横暴になり、強い者が弱い者を虐げるようになった。エジプトではイスラエルの子孫であるヘブライ人がファラオによって奴隷とされ苦しめられていたが、それを見かねた神によって、ヘブライ人のある家庭に救世主となる子が授けられた。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
もう泣く子も黙るレベルで誰もが知ってる有名史劇ですね、十戒。
映画の何たるかを全く知らない小中学生の頃から、
史劇といえばベン・ハーと十戒!
と擦り込まれるレベルで有名なのって、よく考えるとすごい。
 
なお、代表的な有名茂樹は細川茂樹。
 
 
旧約聖書は、序盤だけは読んだことあるんです。
あるんです。
 
でもな、モーセのくだりまで辿り着かんかったんや(涙
 
創世記は普遍的な神話物語として楽しめるんだけど、
出エジプト記に入ると、ユダヤの選民思想的になってきてつらいのな。。。
 
だからモーセの話ってある意味これが初めてなんですよねぇ。
 
まぁ、原典を読んでないからどこまで原典の内容なのかはよくわからないけど、
登場人物がみんなエキセントリックすぎるわ!
 
 
ぼくらえじぷと人。奴隷階級へぶらい人の神なんて信じないぞ~。
ヘブ神「救世主を遣わしたぞ」
ファラオ「やばい!新生児は皆殺し★」
 
がっつり信じとるやないかぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!
 
 
王妹&王娘「モーセ、あなたは実はヘブ人。でも隠してファラオになってOK」
モーセ「わー、ぼくはヘブ人なのか。同朋のために明日からぼくも奴隷になるね★」
 
ファラオになって徳政したほうがよっぽど同朋のため!!!!!!!
 
 
王妹「そう、それは貴方が流されてた時に纏ってた産着」
 
そんなもんさっさと捨てとけや!!!!!!
 
 
出エジ前のデーサン「ぐはは、ファラオの手から逃れられるわけがない」
紅海の前のデーサン「みんな、殺されるくらいならエジプトへ帰ろう」
モーセ失踪デーサン「みんな、殺されるくらいならエジプトへ帰ろう」(2回目)
モーセ下山デーサン「みんな、殺されるくらいならエジプトへ帰ろう」(3回目)
 
結局ずっとついてきてるっっっ!!!!!!!
 
 
っていうかさ、
ラムセスⅡなんてめっちゃ有能な英雄ファラオなのに、
あんな描かれ方は哀しみ深いな。
アブ・シンベルは俺の憧れ。
 
でも最近の定説だと、出エジプトの時のファラオって、
ラムセスの次の代なんじゃなかったっけ。
そうだったらこの映画はラムセスへの風評被害。
 
 
最初にも書いたけど、原典は読んだことないんだけどさ、
とりあえず3時間で出エジプト記を読んだ気にはなれる。
中学か高校のうちにちゃんと観とくべきだったな~。

 



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0217: JUBAL (1956)

May 06 2020 11:54

JUBAL
邦題「去り行く男」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.22
国内映画レビューサイト偏差値:3.10
海外映画レビューサイト偏差値:3.45
だい評点:★
USA
1956年2月25日公開
監督:デルマー・デイヴィス
出演:グレン・フォード、ヴァレリー・フレンチ etc
製作・配給:パラマウント
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
峠で行き倒れていたカウボーイ・ジューバルを、通りがかりの大牧場主シェップが救助し、牧場に連れ帰った。シェップはジューバルを親切に迎え入れ、雇い入れるために乗馬の腕を見ようとするが、牧場で働くカウボーイの一人ピンキーは、ジューバルの服を燃やすなどの嫌がらせを繰り返し…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
単なる胸糞映画。
 
胸糞すぎて途中早送りしたわ。
 
 
主人公はね、マトモなんよ。
仕事できるし、気は利くし、
自分をいじめてた奴の恋愛相談にまで乗るし、
マトモofマトモ。
 
ただね。
 
はっきり言うべきこと言わんからそうなるんじゃぁぁぁぁ!!!!
 
ボスの妻に言い寄られてる。
しかも同僚がボスの妻と関係あり。
 
これ、
放置してたらトラブルに巻き込まれるの自明すぎるだろーーーー!!!!
 
いくら人間として出来ていても、
リスク管理ができてないのはダメですよ。。
 
しかも宗教団体の娘に謎の一目惚れするし、
そのへんの感覚だけよくわからんキャラだわ。
 
 
最近ほんと思うんだけど、
女のコは性格ですわ。
見た目良くて浮気癖ある女とか、
もう害悪でしかない。
わりと周囲の何人かの人生をめちゃめちゃにする。
 
経験者は語るから説得力あるでしょ?
 
 
この映画のメイは今まで見た中でも群を抜いて糞女だけどな。。。
 
どんなにいい奴ばかりでもね、
その集団の中に、
一人の糞女と一人の糞男がいるだけで、
簡単に信頼とかって崩れちゃうんですよねぇ。
 
「あいつは寂しい奴だ」
 
わかってんなら、その時にクビにすべきだったな!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0216: THE MAN WHO KNEW TOO MUCH (1956)

May 06 2020 10:56

THE MAN WHO KNEW TOO MUCH
邦題「知りすぎていた男」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.51
国内映画レビューサイト偏差値:3.43
海外映画レビューサイト偏差値:3.67
だい評点:★★
USA
1956年4月29日公開(カンヌ映画祭)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュワート、ドリス・デイ etc
製作・配給:パラマウント
◎アカデミー歌曲賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
インディアナポリスの開業医ベンは、妻子を連れてモロッコへ旅行に来ていた。カサブランカからマラケシュに向かうバスの中で、息子のハンクが立ち歩いたところに急ブレーキがかかり、勢いでイスラーム女性の顔のヴェールを剥ぎ取ってしまう。女性の妻は怒ってベン一家に詰め寄るが、そこへアラビア語を話せるフランス人男性が取りなしに入り…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
っていうかさ、
あの有名なケ・セラ・セラ。
 
けぇ~、せらぁ~、せらぁぁぁ~~~~♪
わっねばうぃるびー、うぃるびぃぃぃ~~~~♪
 
元々は映画内の楽曲だったの初めて知ったわ!
しかも主題歌とかじゃなく、
主人公の奥さんの歌手としての持ち歌、
というわりと地味な位置付け。
 
それがこんなにクラッシック的楽曲になるとは!!
 
ちなみにカールスモーキーのカバーが好き。
 
 
ストーリー自体はねぇ、
うーん、共感できなさが強すぎて、
何やっとんねん!
がメインだったなぁ。
 
ってかさ、
さすがにあそこまで行ったらさっさと警察に言えよ…
警察に言ってアンブローズチャペルを警戒してもらってたら、
あそこまで大事にならんかったやろ…
 
顔バレしてる奴が乗り込んで、
案の定すぐに見つかって、
むしろよく息子殺されなかったわ。
悪党が本気なら秒で殺すぞ。
 
たかが町医者がスコットランド・ヤードより上手くやれると思っとんのかとか何とか。
チャペルをまず人名だと先に思うあたりでもうね…
 
 
ってかそれより何よりね、
子供のしつけしてないからこんなことになってんぞ!!!!
 
イスラーム女性のヴェール剥ぐとか、
マジ殺されても文句言えんやつやぞ…
普通さ、
海外に行くならその土地の文化風俗を学んでから行くでしょ!
そこをきちんと教えないならガキ連れてっちゃダメだって。
 
そこが全部の発端だから、
微塵も同情できないってのが観てて気乗りしない根本な気がしてる。
 
前に何かの時も書いたけど、
たぶん無教養な子供が出てくる作品に対してのアレルギー反応があるんだなぁ。
 
現代の子供ってもっと聡いと思うんだけど、
時代の違いなのか、
洋の東西の違いなのか。
 
その原因はわからないけど、
バスで立ち歩いて禁忌を犯した息子に詰め寄る男性に、
「事故だろ!」
と言える親。
 
この親にしてこの子ありだよなぁ。
とは、思う。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0215: 風の大陸 The Weathering Continent (1992)

May 06 2020 10:08

風の大陸 The Weathering Continent
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.01
国内映画レビューサイト偏差値:3.12
海外映画レビューサイト偏差値:2.82
だい評点:★★★★
日本
1992年7月18日公開
監督:真下耕一
出演:高山みなみ、関俊彦 etc
製作:角川書店、バンダイ、ビクター音楽産業
配給:松竹
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
砂に埋もれかけた遺跡に、三人の旅人がたどり着いた。そこには旅人たちの真新しい死体があり水樽はすべて破壊されていた。薬師ティーエは砂漠の野盗に襲われたのではないかと推測するが、傭兵ボイスは、死体の状況から、そうではないと確信し…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
中学校の時、
友人の本間くんがアニメ好きでね、
「サイメビ見に行こうぜ!」
って誘われてさ、
俺、アニメ見ない人だったから、原作の内容全く知らないまま見に行ったんだよなぁ。
 
案の定、
サイメビは全く内容について行けなくて、
併映のアルスラーン戦記Ⅱも、
原作知らないうえにⅡとか、わりとついていけなくて、
3本立ての3本目、
この「風の大陸」も原作全く知らないからきついなー、
と思ってたわけです。です。
 
っていうか、本間くんと仲良かったとはいえ、
その状態でよく行ったな俺。
ヤンと嶋名と4人で行ったような記憶が微かにある。
 
 
でもね。
 
面白いじゃん!!!!!!!!!!!!
 
 
原作知らないからこそ、
少しずつ明らかになっていくラクシの過去におおおーー!!!!
ってなって、
ラクシのトラウマと、最初に襲撃してきた少女への慈愛と哀しみに満ちた視線がさ、
ピッキーーーン!って繋がって、
おおおーー!!!!
ってなるやつ。
 
作りが上手い。
 
 
結果的に、ティーエとボイスが何故ラクシと一緒に旅をしてるのかは全くわからんかったけど。
でもそのへんがストーリーに関係してこないから大丈夫。
 
 
アゼクシストラの生者側の街、
繁栄を尽くしたであろう地上の街、
さあ、行ってみよう!
 
3人はね、
いや、財宝を求めたリファスの村の人たちもね、
楽園に、
かつて楽園だった都に、
本当は辿り着いてたんだよなぁ。
 
 
作品のいちばん最初の場面と、
作品のいちばん最後の場面と、
綺麗に繋がる素晴らしい伏線。
 
俺、
この作品で映画を好きになったって言っても過言じゃないわ。
 
 
しっかりとしたプロットと、
いのまたむつみのキャラデザと、
原作を知らなくても楽しめる作り。
 
あんまり評価受けてないけど、
めっちゃ良作だと思うんだよなぁ。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0214: 奪命金 (2011)

May 03 2020 21:43

奪命金
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.54
国内映画レビューサイト偏差値:3.64
海外映画レビューサイト偏差値:3.33
だい評点:★★
香港
2011年9月9日公開(ヴェネツィア国際映画祭)
監督:杜琪峰(ジョニー・トー)
出演:劉青雲(ラウ・チンワン)、リッチー・レン(任賢齊) etc
製作:メディアアジア、ミルキーウェイ・イメージ
配給:メディアアジア
◎金馬映画祭監督賞、脚本賞、主演男優賞
◎香港映画助演男優賞、助演女優賞
◎アジア太平洋映画祭作品賞、助演男優賞
◎長春映画祭監督賞
◎中国映画メディア監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
西九龍警察のチョン警部補は、古い集合住宅の隣人同士の殺人未遂事件の捜査に来ていたが、そこに妻からマンション購入の仮契約をしたいというメールが入る。物件の内覧に急いで駆けつけたチョンだったが、すぐにでも契約をしたい妻をよそに、呼び出しの電話を受けて再び捜査に出かけてしまい…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
初めての香港ノワール!
 
面白くないわけじゃないんだけど、
いまいちしっくり来なかったなー。
 
まず何よりもね、
時系列がわかりにくい!!!!!!!!!!
 
急に少し過去に戻ったりして、
進んでいくと、あぁ、これちょっと前の話なんだな、
ってわかるんだけど、
わからないまま普通に数分進むから、
あれ?あれ?
って場面が頻出。
 
この前の「現金に体を張れ」ではさ、
レースの特定場面を導入にすることで、
きちんと時制を最初に提示してくれたから、
脳内で各場面をグリッド化しながら観れたけど、
そういうの無しで行ったり来たりは混乱の元でしょー。
 
グランドホテル形式で、
最後にパンとチョンが同じ場所に別の事件で居合わせることの伏線としていろいろやったんだと思うけど、
そもそも同じ場所にいること自体、
ストーリー的に別に必要なことでも無かったしなぁ。
 
 
っていうかそもそも、
パンが太鼓持ちな上に頭はあまり良くないとか、
全く共感できる要素ないし、
チョンも仕事のために家庭を蔑ろにするとか、
全く共感できる要素ないし、
テレサも仕事ぶりが全くテキパキしてなくて腹も据えてないとか、
全く共感できる要素ないし、
 
感情移入できなさすぎて、
めっちゃ客観的にしか見れないのきつい!!
 
敢えて言うならチョン警部補の妻だけが共感できるけど、チョイ役だしなぁ…。
 
 
人の顔を覚えれない神の俺にとって、
テレサとチョン警部補の奥さんが同一人物だと思って中盤まで見てたのはヒミツ。
 
髪型でバリエーションつけてよ!!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0213: THE HARDER THEY FALL (1956)

May 03 2020 09:03

THE HARDER THEY FALL
邦題「殴られる男」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.54
国内映画レビューサイト偏差値:3.47
海外映画レビューサイト偏差値:3.67
だい評点:★★★
USA
1956年3月30日公開
監督:マーク・ロブソン
出演:ハンフリー・ボガート、マイク・レイン etc
製作・配給:コロンビア
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ボクシングの悪徳プロモーターとして悪評の高いニックの指定するジムに、敏腕トレーナーのジョージらと共に元スポーツ記者のエディが集められた。アルゼンチンから呼び寄せた大男をデビューさせるにあたり、広報を担当してほしいと言うのだったが…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
自尊心よりも金を選んだ男たちの醜い騒動。
 
俺自身が金のためにプライドを失うってのが死ぬより嫌な人間なんで、
妻にあそこまで言われても頑なに金を選ぶ奴に、
全く共感できないんだよなぁ。
 
 
当時の興行っていうのの形については、
元々プロレスオタクだったからある程度はわかってるつもりで、
情報源が新聞や雑誌しかないから、
「未知の強豪」という幻想をいくらでも売りにできた時代の、
ある意味では牧歌的な物語なんだよなぁ。
 
昔さ、
全日本プロレスに来日した「ハバナ・ザ・テラー」って外人レスラーが、
「ハバナの怪人」って異名でパンフに乗ってて、
ハバナの強豪レスラーみたいな触れ込みだったけど、
基本的なムーブすらドタバタしてたクソ素人だったの思い出すわ。
 
ザ・コンビクトが「刑務所を脱獄してきた」という設定で囚人服でファイトしてたけど、
現代の冷めた観点で見ればさ、
「ホントに脱獄してきたなら、バレないように囚人服脱ぐやろ!」
とかいくらでも突っ込めるんだけど、
「わー!脱獄してきた凶悪犯だ!」
と当時は本気で怖がる人もいたという牧歌的な時代。
 
だからこそ、
あんな風にバスまで走らせて宣伝して、
本当に信じ込む人もいて、
負けるほうもさ、
金もらって、
1敗くらい後々無かったようなことにしてもらえて、
まぁ、片八百長成り立ってもおかしくはないわな。
 
 
だからね、
トロを「持ち物」扱いして、
ろくな給金も与えない、って部分は糞野郎とはいえ、
ボクシングを完全にショーとして割り切って「経営」してる、
っていうことに関しては責められないんだよなぁ。
 
むしろエディこそ中途半端にフラッフラして、
やるなら徹底して割り切ってやらんかい!
ショーとして割り切れないなら最初っからやんな!
しかないわ。
 
 
結局さ、
価値観の違う人と一緒に仕事しちゃダメだし、
中途半端な状態で仕事しちゃダメなんだよなぁ。
 
あれがね、
片八百長じゃなくて、最初からトロも共犯の上での八百長だったら話が違ったんですよ。そしたらたぶんその段階でギャラも含めたシェアリングができるからねー。
 
莫大な経費をかけてショーを作る人
経費のことは考えずに宣伝を打つ人
ショーだと思ってない演者
 
瓦解するのわかりきってるだろ!
 
 
エディが最後に執筆を始めた本が出版されて、
読んだ大衆が、
「騙された!金返せ!」ってなるのか、
「まぁ、そりゃそやろ」ってなるのか、
 
現代なら間違いなく後者になるんだよなぁ。
 
それくらい「ショービジネス」って、
今では誰も夢見ないコンテンツになったんだなぁ、とか。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0212: THE SEARCHERS (1956)

May 02 2020 09:10

THE SEARCHERS
邦題「捜索者」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.73
国内映画レビューサイト偏差値:3.65
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★
USA
1956年5月16日公開
監督:ジョン・フォード
出演:ジョン・ウェイン、ジェフリー・ハンター etc
製作:C.V.ホイットニー・ピクチャーズ
配給:ワーナー・ブラザーズ
◎ゴールデングローブ新人男優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
南北戦争終結後のテキサス。南軍に参加していたイーサンは、牧場を営む弟のもとを訪れる。数年ぶりに会う弟の子供たちはすっかり大きくなっており、さらには昔孤児となって打ち捨てられているのをイーサンが助け、その後弟夫婦によって育てられたマーティンもやって来て、勢揃いで夕食となるが…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
なんでこれが名作扱いされてるのか不明すぎる!
原作ある作品だから、バックストーリーが原作を読んでね★
なのかもしれないけど、
それって映画としてどうなん?
 
Wikiとかを読むと、
もともと弟の妻とイーサンが恋仲だったって設定らしいけど、
 
そんなん映画の中だけで読み取れる人いる!?
 
 
カリフォルニアに行ってない、って話で弟夫婦が一瞬間が開くシーンとか、
戦争終結後の3年間何やってたん?って問いに一切答えないのとか、
持ってきた硬化が発行されたばかりなのを何故弟が訝しんだのかとか、
イーサンはなぜコマンチの言葉を喋れるのかとか、
何故あんなに先住民に対してもの凄い憎悪を持っているのかとか、
そもそもマーティンの生い立ちとか、
 
映画の中で中途半端に語られてない部分多過ぎ問題!!!!
 
登場人物の内面に関わるそういう底流が提示されてないから、
結局行動だけの薄っぺらい描き方になっちゃってんだよなぁ。
 
行動様式の基になってるものがわからないまま、
ただひたすら追跡の鬼になってたって、共感度ゼロじゃん?
 
 
しかも、共感のないままの「憎悪」だけが繰り広げられる中で、
急にコメディタッチな部分ちょこちょこ入れ込んでくるのやめて。
緊張感だけで保たれてた興味が、
あれで全部腰砕けになるのよな。
 
モーズのロッキンチェアのくだり、
結婚式での殴り合いのくだり、
大佐の息子がグダグダなくだり、
本編に必要あった!?
 
 
レビューとか読んでも、
これを名作だ!って言ってる人って、
ジョン・フォードが~、とか、
ジョン・ウェインが~、とか、
最後のシーンが~、とか、
そういうことしか書いてなくて、
 
この作品のどういう部分が名作なのか、
そこを突っ込んで言及したものが無いんだよなぁ。
 
ここまで観たフォード作品って、
駅馬車     ★★★
怒りの葡萄   ★
わが谷は緑なりき★
荒野の決闘   ★★
アパッチ砦   ★
黄色いリボン  ★
太陽は光り輝く ★★★
 
って評価だから、たぶん俺とフォード作品の相性がめっちゃ悪い!ってのはあるけど、
基本的にフォード作品の登場人物の共感できなさがすごいから、
そもそもの価値観が違いすぎるんだろな。
フォード作品って「古き良き」と「言わなくても察しろ」だけで押し通してる感ない?
主人公に共通する言わなくても察しろ感がたぶん無理なんだな。
 
俺は、
言わないと周囲の人に伝わんねぇよ!!
って価値観で生きてるから、
水と油感がすごい。
 
レビューとかでさ「男の哀愁」みたいなこと言ってる人もいるけど、
言わないから周囲の理解を得られてないだけなのを哀愁なんてさ、
 
そんなんただの怠惰なんだよ!!!



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0211: ずべ公天使 (1960)

May 01 2020 13:52

ずべ公天使
 
映画レビューサイト総合偏差値:1.70
国内映画レビューサイト偏差値:1.70
海外映画レビューサイト偏差値:—-
だい評点:★
日本
1960年3月15日公開
監督:小沢茂弘
出演:高倉健、小宮光江 etc
製作・配給:東映
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ずべ公の愚連隊・緋桜組のリーダー京子が、その一党を集めて対抗組織との決闘に向かった。情報を聞きつけた黒雲会幹部のインテリヤクザ岸田が仲裁に入り、上着を引きちぎられながらもなんとか場を収めることに成功するが、そこに弟分にしてくれという若者が現れ…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ずべ公って言葉の死後感がすごい。
っていうか、むしろ俺がどこでずべ公って言葉覚えたのかという果てしない疑問。
Let’sダチ公とかドッ硬連みたいな古い不良漫画かなぁ。
物心つく前の時代の漫画がすき。
 
 
ってか、
高倉健のアウトローものだから、
シリアス路線の勧善懲悪ものかと思うじゃん?
思うじゃん?
 
 
オープニングから失笑の嵐!
 
知ってるかい、知ってるよぉぉぉぉ!!!!!
って何やねん!
この脱力感、何かに似てるんだよなぁ、
ってずっと考えてたんだけど、
あれだ、北風小僧の寒太郎だ。
 
 
本編も、
コメディタッチで進みつつ、
3割くらいシリアスな感じも混ぜてくるけど、
そもそもテーマ曲含め、コメディ部分もコメディとしてやってんのか、
意図せずただの失笑感になってるのかがはっきりしないのが怖い!
imdbのジャンル欄、CrimeになってるけどさすがにComedyに変えてよね。
 
そして事ある毎に劇中でも歌われるテーマ曲。
知ってるかい、知ってるよぉぉぉぉ!!!!!
やめて!失笑が止まらない!!!!!
 
 
見所はストーリーのいちばん最初にやって来るキャットファイト。
迫力の無さがすごい!
 
でもさ、
同時代の他の邦画よりも美人多いんだよな。
っていうかここまで見てきた映画に出てた女優ってわりとブ…(自粛
 
化粧とか髪型とか服装とかがちょっと現代寄りだからそう見えるのかね。
ただしずべ公以外の人物も含めて、総じて棒読み大袈裟演技。
 
 
テーマ曲の潜在意識への侵入度合がやばすぎるわ。
知ってるかい、知ってるよぉぉぉぉ!!!!!
ずべ公天使ぃぃ~♪
 
突っ込み所が多すぎて逆に名作なんじゃないかとさえ思えてきた(壊



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