film0076: HANGMEN ALSO DIE (1943)

March 23 2019 13:36

HANGMEN ALSO DIE
邦題「死刑執行人もまた死す」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.85
国内映画レビューサイト偏差値:3.95
海外映画レビューサイト偏差値:3.67
だい評点:★★★★★
USA
1943年3月23日公開
監督:フリッツ・ラング
出演:ブライアン・ドンレヴィ、アンナ・リー etc
製作:アーノルド・プレスバーガー・フィルム
配給:ユナイテッド・アーティスツ
◎ヴェネツィア国際映画祭特別賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
独軍占領下のプラハでは、反ナチスの地下組織が占領への抵抗を続けていた。そんな中、総督として赴任したハイドリヒはレジスタンスを徹底的に弾圧し「死刑執行人」と恐れられていて、スコダ軍需工場の労働者のストライキにも処刑者を増やすことで対処すると宣言し…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
これは名作!!!!
メイ・サクサクは謝らない!
 
世界大戦中の1942年にチェコで起こった事件を基に、
世界大戦中の1943年にこれほどの映画を撮るって、
 
すげぇぇぇぇぇぇぇ!!!
 
ドイツからの亡命者であるラングが監督で、
ドイツからの亡命者であるブレヒトが脚本で、
ドイツからの亡命者であるアイスナーが音楽担当で、
いろんな複雑な思いがあるからこそこれほどの映画が撮れたんだろな。
 
いい映画にするには、
監督や脚本の強い思いが必須。
 
 
「自由は菓子や帽子のように粗末にすることはできないのだ」
 
ノヴォトニー教授のこの言葉に全てが詰まっているよね。
現代人には、
少なくとも現代の日本人には気付かない「自由」の価値。
 
自分よりも、
自分の大切な人よりも、
それ以上に重みがある「自由」というもの。
 
父の覚悟、
ドヴォリャクおばさんの覚悟、
それを目にして、
個人個人が犠牲になってでも、民族全員で勝ち取らなければならない「自由」の重み。
それに気付いたマーシャ。
 
 
レジスタンスと一般民衆は決して分かつことができるものではなくて、
意志は同じで、行動が違うだけのものだから、
一般民衆も、何か行動を起こせばそれはレジスタンス。
 
だからこそ、
チャカが民族の誇りを、魂を、そして「自由」を売っている、
その情報はすぐに一般民衆にレジスタンスの情報網を持って拡がり、
全ての一般民衆がチャカを処刑するために、
示し合わせてもいないのに行動を統一した。
 
チャカの執事が、グリューバー警部が来た、と証言したときに、
それを聞いて察した表情の給仕たち。
「自由」への訴求があるから、
「自由」を売り渡す者への怒りがあるから、
示し合わせなんてなくても、ああいうことが、起こる。
 
 
二転三転して、
スリル満載でヒヤヒヤして、
そんな満足の娯楽作だけれど、
底流に強いテーマがあるから、
単なる娯楽作じゃない、心を打つもの、
人物たちの強い決意や覚悟やメッセージ、
たくさんの重みを感じる映画になってんだな。
 
映画って、これだよな。
 
いい映画を観ると、
生きることに対する自信や決意が生まれる。
だからいい映画って、素晴らしいんですよ。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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