カテゴリーアーカイブ: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0070: MEET JOHN DOE (1941)

March 19 2019 10:01

MEET JOHN DOE
邦題「群衆」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.70
国内映画レビューサイト偏差値:3.66
海外映画レビューサイト偏差値:3.79
だい評点:★★★
USA
1941年3月12日公開
監督:フランク・キャプラ
出演:ゲイリー・クーパー、バーバラ・スタンウィック etc
製作:フランク・キャプラ・プロダクション
配給:ワーナー・ブラザーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
新聞社ブルテンは、新オーナーの意向により大幅なリストラが進められていた。コラムを担当する女性記者アンも解雇を宣告され、母と妹2人を養うために失職は避けたいと直訴するが、アンの書く記事は地味すぎると一周されてしまう。そこでアンは最後に派手な記事を書いてやろうと思い立ち…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
前半コメディからの、後半はかなり重い社会派ドラマへ。
入口は軽く、出口は重く。
海外の大学かっっ!!!!
 
軽い気持ちのでっち上げ記事が、
社会運動になっていく様、
そしてそれが政治利用されていく様、
うーん、いろいろ考えさせられるなぁ。
メディアと政治の問題って、本質的には100年経っても変わらないのがすごいよね。悪い意味で。
 
 
ジョン・ドゥ・クラブの活動を、会員たちが報告に来たシーンは、
ホントにほのぼのしみじみくるいいシーン。
「素晴らしき哉、人生!」もそうだけど、
キャプラ監督って、ほのぼのしみじみ暖かいシーンを撮るのがめっちゃ上手いと思うわ。
草の根的な運動を悪徳政治家に利用されて、
っていうプロットは「スミス都へ行く」からの流れ。
両作品とも悪役の親玉をエドワード・アーノルドがやってるから既視感すごい。
 
最後の、自分の行動が影響を与えた人たちが支えてくれる、
っていうプロットは「素晴らしき哉、人生!」への流れ。
 
まさに結節点だなぁ。
 
 
前半の軽い流れにゲイリー・クーパーのいかめしいビジュアルがどうしても違和感があるので、個人的には作品全体の評価が下がっちゃう。
この人の見た目が感覚的に苦手ってのもあるけど。
典型的なアメリカ人を募集した結果が元マイナーリーガーの大男?
そんなのあるかい!!



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film0069: THE GRAPES OF WRATH (1940)

March 18 2019 10:38

THE GRAPES OF WRATH
邦題「怒りの葡萄」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.76
国内映画レビューサイト偏差値:3.66
海外映画レビューサイト偏差値:3.96
だい評点:★
USA
1940年1月24日公開
監督:ジョン・フォード
出演:ヘンリー・フォンダ、ジョーン・ダーウェル etc
製作・配給:20thセンチュリーFOX
◎アカデミー監督賞、助演女優賞
◎NYFCC作品賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
とあるロードサイドの商店で、停まっていた運送会社のトラックに頼み込んで乗せてもらったトム。しかし、身の上に関わる雑談をしてくる運転手に逆上し、殺人で4年間服役していたと明かし、トラックを降りる。故郷に辿り着いたトムに、道端に座る男が話しかけてきて…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
社会の教科書にも出てくる、
有名なスタインベックの原作小説の映画化!
ってことで、
純文学に触れる!数少ない!機会!!
と喜んで観た!
観たぞ!!
 
うむ。
 
無能ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!
 
たぶんね、
地主・経営者階級に搾取される農民って構図を描きたい作品なんだろうな、というのはわかる。
わかるんだ。
 
だけどさ、
学もなく!
思慮も浅薄!
ヴィジョンもない!
 
これじゃしょうがないだろ…。
もともと、干魃のせいで不作になったんだし、
人が増えすぎたら給金を下げるのも当然だし、
これを何とかするのは政府の仕事だし、
実際政府は国営キャンプとかで救済策を行っているわけだし、
 
結局、
役所に相談したりしない農民側が悪いだけでは!?
 
現代的な感覚から観るとそう思っちゃうんだよなぁ。
食っていくために地上げ側に転職したやつのほうがよっぽどマトモに見えちゃう。
 
でさぁ、
行く先々でカッとなってもめ事起こして、
そんでもって家族で潜伏したり逃亡したりとか、
そりゃぁ、暮らしもどんどん底辺化するって!
 
 
そして最後に突如活動家に目覚めるトム。
目が完全にイっちゃってるじゃん…
衝動で暴れるやつが言っても説得力が無いんだよなぁ。
 
もちろん干魃で離農せざるを得ないってのは同情すべきとこではあるけど、
その後の振る舞いが、どうしても自業自得に思えちゃうし、
ジョード一家も民衆も何だかなぁ…って感じしか受けなかった。
 
時代ももちろんあるんだろうけど、
そう考えると現代ってやっぱり弱者向けにはなってんだよなぁ。
貧富の差は酷いけど、
それは古代以外はいつでもそうだったから、
そもそもの人間社会の問題だな。



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film0068: MR.SMITH GOES TO WASHINGTON (1939)

March 17 2019 13:04

MR.SMITH GOES TO WASHINGTON
邦題「スミス都へ行く」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.97
国内映画レビューサイト偏差値:3.94
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★★★★
USA
1939年10月17日公開
監督:フランク・キャプラ
出演:ジェームズ・スチュアート、ジーン・アーサー etc
製作・配給:コロンビア
◎アカデミー脚本賞
◎NYFCC男優賞
◎ファロ島映画祭男優賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ある州の上院議員が急死したとの報が知事ホッパーの元にもたらされた。急いで後任を決めなければいけないホッパーだが、後ろ盾となっている財界の大物テイラーは、肝煎りのダム建設を黙認するであろうミラーを指名するよう指示。しかし委員たちの大反対に遭い…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
何がすごいってさ、
1939年時点でこういう本格政治ドラマが作られる。
って、よほどの政治参加意識が一般人に無いと成立しないから、
やっぱ直接民主制の国は違うよなぁ、
とは思う。
 
利権の絡んだ事業を通すために、
政界の大物と財界の大物が政治を知らないイエスマンを擁立。
しかしイエスマンはもともと正義漢だったため正しい政治を追求し出す。
財界の大物は自分の所有するマスメディアを使って、でっち上げまでして潰しにかかる。
このプロット、現代でも全然通用するやつーーーー!!!!!
 
これ、日本では
「欲しがりません、勝つまでは」
ってアジってた時代よりさらに少し前の映画だぜ…
 
その時代の日米の市民意識の差の愕然とするけど、
結局世界中で政治腐敗の構図が未だに変わってないのにも愕然とするわ。
 
ってかペインも、最後急に後悔するくらいなら最初からやるなよ!
ペインのことはきちんと報道されたのかだけは気になる。
 
 
主人公のジェームズ・スチュアートは素晴らしき哉、人生!とロープ。
秘書のジーン・アーサーはコンドル。
ペイン役のクロード・レインズはロビンフッドのジョン王子。
新聞記者のトーマス・ミッチェルは駅馬車とコンドル。
主要キャラが見たことある人ばっかりだったから、
なんかいろいろと集大成的な感じで観てた。
 
でもいちばんキャラ好きだったのは議長のひと。
あの人、人間的に好きすぎて、ああいう人になりたい。



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film0067: LA RÈGLE DU JEU (1939)

March 17 2019 09:40

LA RÈGLE DU JEU
邦題「ゲームの規則」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.71
国内映画レビューサイト偏差値:3.56
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★
フランス
1939年7月7日公開
監督:ジャン・ルノワール
出演:ローラン・トゥータン、ノラ・グレゴール etc
製作:NEF
配給:DPF
◎ファロ島映画祭監督賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ブールジェ空港、夜10時。大西洋横断飛行の記録を樹立して帰還するアンドレ・ジュリユーの飛行機を群衆が待ち受けていた。出迎えた親友のオクターヴから恋人が来ていないことを知らされたアンドレは、ラジオのインタビューで怒りを爆発させてしまう。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ひどい!ひどい!ひどすぎる!
 
えっ、わかんない!
なんでみんな揃いも揃ってこうなの?
結婚を何だと思ってるの??
当たり前のように不倫して、
女のために友達まで裏切って、
寝ても覚めても不倫不倫不倫。
 
「獣人」でもそうだったけど、
これはジャン・ルノワールの倫理観なのか、
それとも当時のフランスはこういうもんだったの?
もしや俺が知らないだけで今でもみんなこうなの?いや、さすがにそれはないはず…。
 
唯一倫理的にマトモなのは森番だけだけど、
あいつも平気で銃乱射するからな…
 
男だけならいいけど、
女も揃いも揃ってクズとかもう救いようなくてゲンナリする。
 
評論には「貴族の暮らしを風刺して~」
って書かれてたりするけど、
この性的な倫理観の欠如は「獣人」の労働者階級でも一緒だったからなぁ。
 
最後の最後で、
最も胸糞悪い裏切りで終わるのもまたモヤモヤのモヤ。
 
 
俺の倫理観は、
殺人は許せても性的な不道徳は許せない性質だし、
殺人は許せても信頼への裏切りは許せない性質なので、
 
俺にとって胸糞な要素しかないじゃん!!!!!!!!
 
 
つまらない映画は多々あるけど、
嫌悪感しか残らない映画って稀有だよなぁ。
やたらと評価高い映画だけど、
評価してる人の評価ポイントと、
その人の倫理観知りたいわ。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0066: ONLY ANGELS HAVE WINGS (1939)

March 12 2019 11:59

ONLY ANGELS HAVE WINGS
邦題「コンドル」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.82
国内映画レビューサイト偏差値:3.84
海外映画レビューサイト偏差値:3.79
だい評点:★★★
USA
1939年5月11日公開
監督:ハワード・ホークス
出演:ケイリー・グラント、ジーン・アーサー etc
製作・配給:コロンビア
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
バナナの輸送船の寄港地として栄える南米の町バランカ。米国人だが現地で郵便配達用の飛行機のパイロットとして働くジョーとレスは、下船した米国美人ボニー・リーに目をつけ、お酒に誘うことに成功する。入ったバーは、郵便局長のヴァンライターが経営する店で…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
現代ではいろいろ批判されそうなくらいの「男」の映画!
 
女性2人出てくるけど、
結果「男の生き方を邪魔しちゃダメ」
っていう描かれ方しかしてないからねー。
 
俺はそこに関して特に哲学を持ってないので、
こういう、男が命を懸けて挑んでいく系のストーリーは好きだけど、
極度のフェミな人は嫌なのでは?
ジェフがジュディに無理矢理水ぶっかけるシーンとか、あれはあかんで…。
 
 
この前観た「駅馬車」に続いてトーマス・ミッチェル。
ちょっととぼけた役をやらせたら上手いよな。
と思って観てたら、
パイロットをクビになって、嫌々ながらキルガロンとの和解。
おっ、急にシリアスキャラになってきた!
からの~、
えええええええ!!死ぬの!!!?????
泣く!泣くって!
 
正直、ジェフよりもキッドとキルガロンのほうがキャラ立ってるよな。
ジェフって「うるせぇ!男の邪魔をするな!」
しか言ってない。
最後の両側表のコインの伏線回収好きだけど、
 
素直に言えよ!!!!!!
 
とは思っちゃう。
素直に気持ちを口に出せない系()の男にはいいのかもだけど、
自分は全部隠さず口に出しちゃう系男子なので。
 
 
それにしても、飛行機のシーンとかよく撮ったなと。
質感的に基本は模型撮影だと思うんだけど、
それにしたってまだラジコンが無い時代に、
どうやって撮ったんだろな?
迫力とか普通に半端なくて、現代目線で観てもわりとすごい映像だと思うけど。
 
 
ってかさぁ、
邦題はダメでしょ。
原題がONLY ANGELS HAVE WINGSなのに、
コンドルも翼持ってるじゃん!
ってなって原題と矛盾するだろ!



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film0065: LE BÊTE HUMAINE (1938)

March 06 2019 10:04

LE BÊTE HUMAINE
邦題「獣人」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.57
国内映画レビューサイト偏差値:3.49
海外映画レビューサイト偏差値:3.73
だい評点:★★
フランス
1938年12月23日公開
監督:ジャン・ルノワール
出演:ジャン・ギャバン、シモーネ・シモン etc
製作:パリ・フィルム
配給:仏リュクス・フィルム
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
蒸気機関車の機関士ジャックは、相棒のペクーと共に、パリからル・アーブルへ向かう機関車を走らせていた。ススだらけになりながら駅に辿り着いた二人を駅長のルボーが出迎えるが、彼は犬を連れて乗ろうとする財界の大物に対する女性客の苦情の対応に巻き込まれてしまい…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
最初の感想。
映像すげぇぇぇぇぇ!
 
蒸気機関車の車輪の付近から撮ってる映像の迫力やば!
当時なんて今よりもずっとカメラも大きかったし、大変だったと思うわ。
 
 
最後の感想。
クソしかいねぇぇぇぇぇ!
 
みんな!
結婚を!
何だと思ってんの!!!
 
え、フランス人ってみんなこんな感じなの??
こんなに欲の獣ばっかりなの?
 
あのさあ、
当然、ジャックのあの殺人欲が「獣人」なんだろうけど、
俺から見たら不倫ばっかしてる登場人物、
みんな獣人にしか見えねぇよ!!
 
 
故郷の女に好きだと言いながら、
すぐに人妻に熱上げ始めるジャック。
 
今ほしいのは友達。と言いながら、
離婚もしないまますぐに男に媚び始めるセベリーヌ。
 
もうね、理解できない!!!!
グランモランを殺したのはともかく、
妻を愛してる分だけルボーがいちばんマトモに見えるわ。
 
 
ストーリーを楽しむよりも、
当時のフランスの社会ってこんなんなんだ、
って観点がこの映画観るうえでの一番の楽しみ方。
 
鉄道が車輛ごとの個人経営なのかー、とか、
風向きでめっちゃ燃費気にしてるなー、とか、
修理の間、路線ダイヤどうなるんだろう、とか、
トイレ番とかも含め、駅で働く人みんなファミリー感なんだなぁ、とか。
 
高度に組織化されてる現代日本から見ると、
羨ましいところが、たくさん、ある。
 
チャップリンの「モダン・タイムス」の2年後のフランスは、
まだモダンじゃないタイム。
タイムはゴーズでバイなんだけど、
ゴーでバイしてない時代に、俺らは何を感じるのかな。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0064: SHADOW OF A DOUBT (1943)

March 05 2019 15:43

SHADOW OF A DOUBT
邦題「疑惑の影」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.54
国内映画レビューサイト偏差値:3.36
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★★
USA
1943年1月12日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:テレサ・ライト、ジョセフ・コットン etc
製作・配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ニューヨークのアパートメントで、多量のドル札を部屋に散らばらせたまま、男がベッドに横たわっていた。家政婦からスペンサーと呼ばれるその男は、2人連れの男が訪ねてきたという報告に対し、敵愾心をむき出しにするが、窓の外にはまだ2人が張り込みをしていて…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
終わり方~~~~~!!!!(涙
 
この終わり方は、ないっっ!!!!
あれだけいろいろやってきて、
体力も明らかに差があるにも関わらず、
偶発的な事故で終わりとは!!!!!
 
階段の踏み板に細工したり、
車庫に閉じ込めたり、
計画的に始末しようとしてたのに、
最後だけ力ずくで行って終わるとは!!!!!
 
戦時中だからかもだけど、
やっつけ仕事にも程があるよ~(涙
 
 
プロット自体は新基軸なんだよなぁ。
取材に来たという怪しい2人組の正体は!?
叔父の正体にチャーリーはいつ気付くのか!?
 
普通はこの2つで引っ張っていくとこを、
あっさり中盤で終わらせて、
後半は叔父チャリの正体に気付いてしまった姪チャリ。
姪チャリに気付かれたことを気付いてしまった叔父チャリ。
しかも叔父チャリは自分が容疑者として追われてるから助けてと乞う…。
 
新しいやん!!!!!!
 
でもな!
 
せっかく登場人物キャラ立ちさせたのに、
何も活かされてないの、なぜ!!!!!
 
推理小説オタクの父と友人。
弟のことを溺愛する母。
やたらと勘が鋭い妹。
 
このキャラ設定!
どう考えても!
伏線でしかないだろ!!
何一つ!
使わず終わるとは!!
何のためのキャラ設定やねん!!!!!!!!!
やっつけ仕事にも程があるよ~(涙
 
 
自分の記事読まれたくないからって新聞紙で家を作るアイディアとか、
それにすぐ気付いちゃう姪チャリとか、
序盤のスリリングやべぇ…やべぇ…ってなるのに、
中盤で叔父チャリが全部明かしちゃったの、
それが良くなかった気もするな。
 
やっつけ仕事だから仕方ないよ~(涙



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0063: STAGECOACH (1939)

March 01 2019 11:12

STAGECOACH
邦題「駅馬車」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.82
国内映画レビューサイト偏差値:3.78
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★★★
USA
1939年2月10日公開
監督:ジョン・フォード
出演:ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル etc
製作:ウォルター・ウェンジャー・プロダクション
配給:ユナイテッド・アーティスツ
◎アカデミー作曲賞、助演男優賞
◎NBR男優賞
◎NYFCC監督賞
◎ファロ島映画祭脚本賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1885年。ジェロニモが率いるアパッチが牧場を焼き払っているという情報が入る。騎兵隊のもとにはローズバーグの街からジェロニモの脅威を知らせる電報も入り緊張が高まる中、ローズバーグへ向かう途中の駅馬車がトントの街に到着し、馬を替える間、乗客たちはひとときの休憩を楽しむのだが…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
いや、ってかねぇ、
これやばすぎん?
 
今でこそさ、特撮とかCGとかでいくらでも派手なアクションシーンってあるけど、
スタントだけでこのアクションとか、
人間の限界超えてね??
 
全力で疾走する馬群の中を平気で落馬するし、
馬から馬に飛び移るし、
走る馬にひきずられるし、
そもそもそれを併走してカメラで撮ってるし、
もう、わけがわからないよ…
 
死んでもおかしくない、
というか、
普通死ぬ。
 
 
わりとストーリー自体は退屈なんですよ。
群像劇としての評価は高いっぽいんだけど、
少なくとも自分にはハマらなかった。
 
リンゴ・キッドがそこまで駅馬車に乗るのにこだわる理由もわからんし、
ダラスに求婚するほどまでに急に惚れた理由もわからん。
いつまでも文句言ってる奴の気持ちもわからんし、
ルーシーは情緒不安定すぎるし。
 
観てたのが夜中だったのもあって、
正直途中眠いなーと思って観てたんだけど、
 
 
マジであのアクションシーンで完全に目が覚めたわ!!
 
もうギンギン。
清田あたりでギンギンギン。
もはやあのシーンだけ上映してても全力推薦するレベル。
 
 
むしろあの場面で終わってくれたほうが良かったよな。
インディアンの襲撃シーン終わったら、
またどうでもいいようなリンゴの個人的な撃ち合い物語。
この映画のメインプロットって、
「非戦闘員たちが乗った駅馬車が危機を脱出できるか」
ってとこで、そのカタルシスが終わっちゃってるから、
リンゴのことなんて正直どうでもいいんだよなぁ。
もともとたぶんみんなリンゴに感情移入して観てないし。
 
っていうところでちょっと余韻が無くなっちゃうのが残念。
でもマジであのアクションだけは何百回でも観れるわ。
DVD時代に生まれてよかった。



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film0061: THE ADVENTURES OF ROBIN HOOD (1938)

January 17 2019 14:22

THE ADVENTURES OF ROBIN HOOD
邦題「ロビンフッドの冒険」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.49
国内映画レビューサイト偏差値:3.29
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★★★
USA
1938年5月12日公開
監督:マイケル・カーティス
出演:エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランド etc
製作・配給:ワーナー・ブラザーズ
◎アカデミー美術賞、編集賞、作曲賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1191年、獅子心王リチャードは十字軍の遠征に出るにあたって、留守中の統治を親友のロンシャンに任せていた。王弟ジョンは軽んじられたことを恨み、自分を支持する貴族らと謀議を巡らせ王位を簒奪しようとしていた。一方でジョンのサクソン人に対する圧政は反感を買い…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
あの!有名な!ロビン・フゥゥゥッッド!!
普通程度の教養のある人なら、
名前だけは!みんな知ってる!ロビン・フゥゥゥッッド!!
 
ただ、
どんな話か知ってる人って、
たぶん日本人じゃそんな多くない。
正直、ロビン・フッドとウィリアム・テルがごっちゃにならない?
俺は、なる!
ごっちゃ王に、俺はなる!
 
でも、ごっちゃになるということは、
少なくとも両者ともに間違いなく弓の名手なのだ。
 
というわけで、
初のロビン物語を楽しむのであーる。
 
 
をををっっっっ!カラー映画!!!!!!!!
 
1938年なのにカラー!
ごく初期のカラーなので、目がチカチカするような色彩!
俺が子供の頃の古い海外ドラマ(名犬ラッシーとか)もこんな色だったなぁ。
とか思いつつ。
古い記憶だから違うかも。
 
 
ををををを!派手なアクション!!!!!!
 
枝をくるくるしたりとか、
アクロバティックなアクションって古い映画であまり見た記憶なかったから、
1938年にして今の戦隊もののような動きをしていることに感動。
特撮すらマトモにない時代によく撮ったなぁ。
 
 
ストーリーもね、
やっぱこういう伝承の類はちょっと破天荒でもいいし、
ベッタベタの勧善懲悪でも溜飲が下がるから良いね!
 
リアリティがない?
古くからの伝承だから、これでいいのだ!
 
と納得させる力があるからこういうのは強い。
 
 
もうね、水戸黄門と一緒ですわ。
特に小難しいことを考える必要がないし、
登場人物の心なんて、善と悪しかないから、
ただひたすらにバッタバッタとなぎ倒すのを見てなさい!
くらいの割り切り。
清い。
 
 
ロビン・フッドってこういう人なのな!
という知識も含め、
映画史初期の娯楽作を堪能させていただきましたぞ!
ごちそうさまでした。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0060: BROKEN LULLABY (1932)

January 17 2019 13:42

BROKEN LULLABY
邦題「私の殺した男」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.90
国内映画レビューサイト偏差値:3.99
海外映画レビューサイト偏差値:3.74
だい評点:★★★★
USA
1932年1月19日公開
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:フィリップス・ホームス、ナンシー・キャロル etc
製作・配給:パラマウント
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1919年11月11日、初めての終戦記念日にパリは沸き返っていたが、祝砲の音に戦時中の記憶が蘇り気の触れる傷病兵もいた。教会では戦争に行った兵士たちが集まっていたが、解散後も席についたまま一人だけ帰らない男がいた。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
号泣に次ぐ号泣!
泣くだろこんなん!!!!
 
 
ウダウダしてねぇで、言うことはちゃんと言えやぁぁぁ!!!
と終盤まで思いながら、
ちょっとイライラモヤモヤサラサラチクチクして観てたんだけども、
 
全ての幸せを取り戻したかのような老夫婦のあの姿!!!!!
 
あれを見ると、
全てを正直に言うことが正しいのかどうかわからなくなるな…
 
 
そしてね、
結局女は強いんだなとか何とか。
 
あの状況で、
とっさに全てを赦して、
そして、
お世話になった二人の夢を壊さないで、と、
二人を幸せにするためにここで生きて、と、
言えるかふつう?
 
その時のエルザの意を決した表情、
あの頃と今、
失われた時間を繋ぐかのように奏でられたピアノの音色。
 
泣くだろこんなん!!!!!!
 
 
どんなにつらくても、
どんなに苦しくても、
それを乗り越えようと決意した時に、
その時に素敵なものが生まれるんだろうな。
 
逃げてちゃダメよ、
って、エルザが言った。
 
うん、がんばろう。



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