カテゴリーアーカイブ: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0159: JEUX INTERDITS (1952)

March 03 2020 11:21

JEUX INTERDITS
邦題「禁じられた遊び」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.81
国内映画レビューサイト偏差値:3.71
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★★
フランス
1952年5月9日公開
監督:ルネ・クレマン
出演:ブリジット・フォッセー、ジョルジュ・プージュリー etc
製作:シルバー・フィルム
配給:コロナフィルム
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1940年6月、パリから避難する人々をドイツの戦闘機が襲撃。車の故障により徒歩で逃げることを余儀なくされるポーレットとその両親だったが、隠れている最中、逃げ出した犬を追ってポーレットは飛び出してしまい…
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
わからんなー。
反戦映画の名作!みたいな扱いをされてるけど、
俺にはこれが反戦映画にはどうしても見えないんだよなあ。
 
 
愛犬が寂しがるといけないからといって、
墓を作るために虫や小動物を顔色一つ変えずに殺していく二人。
隣人の墓から十字架を引き抜いて、
自分の家と隣人の家とに修復不可能な諍いを起こし、
さらには、聖書の一節を暗唱できるほどの敬虔さでありながら、
教会からまで十字架を盗むという冒涜を犯すミシェル。
 
えっ、
これって戦争の構図と何が違うの?
規模の違いはあっても、
自分の欲のために他人を害しても構わないという感情。
戦争を起こす為政者と何ら変わりないじゃん。
 
幼い二人の行為も否定して反戦だというならわかる。
でも二人の行為は無垢だとか純粋だとか言っておいて反戦映画だ、ミシェルやポーレットは被害者だ、というレビューが多いのは本当にわからん。
それならば両家の諍いを乗り越えようとしている姉や隣家の息子のほうがよっぽど反戦のシンボルなのでは?
 
 
両親の死よりも愛犬の死のほうに心を向け、しかもその興味は次第に墓の装飾にだけ向けられるポーレット。
そのために実の兄の霊柩車や墓からまでも十字架を盗むミシェル。
頭の弱い天然女に、
嘘つき不誠実な男が熱をあげて破滅の道を突き進む物語。
と置き換えたほうがよっぽどしっくり来る。
 
 
前述した二人の行動や、
隣家への悪口三昧の家族、
故障したポーレットの一家の車を突き落とす避難民、
争いなんてさ、
下々の人間から全部始まってんだな。



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film0158: THE BEAST FROM 20,000 FATHOMS (1953)

March 01 2020 14:02

THE BEAST FROM 20,000 FATHOMS
邦題「原子怪獣現わる」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.13
国内映画レビューサイト偏差値:3.09
海外映画レビューサイト偏差値:3.21
だい評点:★★
USA
1953年6月13日公開
監督:ユージン・ローリー
出演:ポール・クリスチャン、ジョルジュ・プージュリー etc
製作:ジャック・ディエツ・プロダクション
配給:ワーナー・ブラザーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
北極圏のとある島で水爆実験が行われた。その影響を調査にいった調査隊4人だったが、放射線量の異常な上昇を目にし、ネスビット教授は、同僚と手分けして周辺地域を調査することにした。吹雪がどんどん酷くなる中、集合時刻を決めて調査に向かうが…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
当時の技術の問題。
それはわかる、わかるぞぉ。
頭でわかっても心がごねるのだけどこんな僕。。。
 
カクカクしすぎやろー!!!!!!
 
いや、わかってるんです。
そんなに映画を観てこなかったワタシでも、
ハリーハウゼンの特撮技術ストップモーションうんぬんかんぬんあんどれかんどれ。
でもやっぱりね。。
 
カクカクしすぎやろー!!!!!!
初期のファミコンのスプライト落ちかーーーー!!!
 
 
表現手法うんぬんの問題じゃなくね、
感情移入して観ていた映画が、
あのカクカク感で一気に現実に引き戻されるんじゃぁーーー!!!
 
そう考えるとやっぱり円谷プロの着ぐるみが最強説なのか。。
 
 
ただストーリーはけっこうしっかりしているので、
リドサウルスのシーン以外はハラハラモヤモヤしながら夢中に楽しめる。
ジェットコースターのレールを上っていくシーンは、
高所恐怖症のワタシには地獄の緊張感でございますぞ。
 
 
公開は初代『ゴジラ』の前年。
ということで、
「海から怪獣が上陸して街を破壊する」系の映画の元祖(たぶん)として、特撮好きな人は観ておくべきだし、そうでなくてもこんな映画があるよ、ってことだけは頭の隅に留めておいてほしいのである。



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film0157: ACE IN THE HOLE (1951)

March 01 2020 10:13

ACE IN THE HOLE
邦題「地獄の英雄」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.96
国内映画レビューサイト偏差値:3.90
海外映画レビューサイト偏差値:4.07
だい評点:★★★★
USA
1951年6月14日公開
監督:ビリー・ワイルダー
出演:カーク・ダグラス、ジャン・スターリング etc
製作・配給:パラマウント
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
ニューメキシコの小さな新聞社を一人の男が訪れた。男はチャールズ・テータムと名乗り、数多くの大新聞者を渡り歩いてきた自分には週250ドルの価値があるが、週給50ドルで記者になるという。編集長が理由を尋ねると、テータムは過去の出来事を説明し出し…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
久々に本格派の名作引き当てたぞ。
 
新聞記者の欺瞞と驕溢にスポットを当てた社会派作品。
『群衆』もそうだけど、このテーマは外れがないなー。
50年以上経った今でも普遍的なテーマなのがすごいわ。
 
レオの健康よりも、
自分の名声を優先するテータム。
夫の健康よりも、
お金を優先するロレイン。
 
二人の利害が一致してレオの救出先延ばし作戦が始まるわけだけども、
絶妙なのは、二人の目的自体は一致してないんだよな。
テータムは目先のお金には興味がない。
全ては記者として成り上がるためにやってる。
 
だからこそ、
レオはギリギリで救出しなくてはいけなかった。
このニュースはハッピーエンドで終わらせなければいけなかった。
 
彼は悪徳記者で、
記事のでっち上げでも、過剰演出でもやるけれど、
そのために人を殺すのは彼の中では違った。
たしかにそうだ。
彼がやったことは、
自分と保安官と技師をヒーローにし、被害者の妻を悲劇のヒロインにし、被害者のレオまでもを世間の大ヒーローにしたのであって、
結果として誰一人を貶めてもいない。
 
おそらく彼は、
関係者全員にとっての利益=善
という原則で動いている。
端から見て、当然それこそがメディアの傲慢の根っこだとは思うわけだけれども、メディア内部がその原理で未だに動いているのも事実。
少なくともテータムはそこに疑問を些かも抱いていなかった。
 
自分の演出記事が、最終的にレオにとっても利益になると信じていた。
そのレオが助からないとわかった時、
彼の行為はそもそもの原則を失ったのだ。
 
だから彼はレオを最後に幸せにしてやりたかった。
だから彼はレオのことを考えないロレインのことが許せなかった。
目的のズレによる悲劇の連鎖。
 
 
昔、「スターは一夜にして作る」と豪語したメディアがあった。
 
傲慢はね、
いつしか取り返しのつかない穴の中に転落させるよ。
エースのカードだってね、
使いどころ間違えたらただの1/52だからな。



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film0156: 聖の青春 (2016)

February 24 2020 23:48

聖の青春
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.16
国内映画レビューサイト偏差値:3.25
海外映画レビューサイト偏差値:2.98
だい評点:★★
日本
2016年11月2日公開
監督:森義隆
出演:松山ケンイチ、東出昌大 etc
製作:「聖の青春」製作委員会
配給:角川
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1994年大阪。桜の舞い散る朝、町工場の経営者が外に出ると、ゴミ捨て場で男が倒れていた。救急車を呼ぼうとするものの、男は関西将棋会館に連れて行ってほしいと頼み込む。一人で歩けない男に肩を貸しながら辿り着いたのは、公式戦の対局室だった。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
だいはもともとそれなりに将棋好きなわけでございまして、
当然、故・村山聖氏のことはそれなりに存じ上げております。
特に逝去後におかれましては、将棋関係のコラムなどで紹介されることもそれなりに多く、
その人となりはそれなりに目にしてきたわけでございます。
ただ原作「聖の青春」は読んではおりませんでしたので、
本作をそれなりに楽しみにしていたわけでございます。
 
なるほど。村山聖。
 
 
こんな性格悪かった????????
 
 
まあそれなりに特殊な生い立ちもあるわけで、
それなりに奇人変人の類だったのは間違いなくて、
そういうエピソードには事欠かない人ではあるけど。
でもさ、
 
 
こんな性格悪かった????????
 
 
周囲の棋士とかの発言から窺い知る限りでは、
もっとピュアで、もっと雲のようで、
この映画に描かれているのとは、
「生きること」に対する向き合い方が違うように見えてたのだけど。
 
「全身全霊懸けなきゃ死んでるも同然やろがいぃ!」
っていうような豪傑感じゃなくて、
ただ目の前のものに全力集中!って感じで、
「生きるということはこうでなきゃいけない」
みたいな信念に沿って生きてるタイプじゃないと思うんだよなぁ。
現在という一瞬一瞬だけに生きてる感じ。
 
映画だからって、
そこを無用に脚色しちゃってたりしない?
 
原作読んでないから何とも言えないとこはあるけどさ。
 
あの性格の鋭さを映画のテーマに据えたんだろうけど、
逆にそれがテーマを薄っぺらくしちゃったように感じてる。
 
 
あと、いろいろと対比の演出もあるんだろうけど、
羽生さんってあんな素っ気ない感じじゃないよな!?
羽生さんもまたそれなりにおかしいとこのある人ではあるけど、
どっちかといえば多弁なほうだから、
あのマンツーで飲む場面みたいなぎこちない感じにはならないと思うけどな?
 
 
で。
聖役の松山ケンイチさん。
普段の姿を知らないんだけれど、
役作りに向けて相当増量したとか。
 
実際の村山九段よりはまだ痩せてるけど(笑、
それでもけっこうパンパンな感じを再現してるので、
普段もっと痩せてる感じなら大変だったろうなと。
日本にもそこまでやる役者魂ある人いるんだな。
 
見たことない人だけど(名前は聞いたことある)、
これから注目するわ。



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film0155: 犬神家の一族 (1976)

February 24 2020 19:55

犬神家の一族
 
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.59
国内映画レビューサイト偏差値:3.64
海外映画レビューサイト偏差値:3.50
だい評点:★★
日本
1976年10月16日公開
監督:市川崑
出演:石坂浩二、島田陽子 etc
製作:角川春樹事務所
配給:東宝
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
昭和22年2月、戦前戦中の時期に製薬業で財を成した犬神財閥の当主・犬神佐兵衛が、その屋敷で3人の娘や孫、顧問弁護士らの見守る中、静かに息を引き取った。間もなく、探偵・金田一耕助が那須にあるホテルに投宿する。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
あの有名な犬神家!
誰もが知ってるあのシーン!!
 
あれほど有名なシーンだからさ、
遺族たち阿鼻叫喚!
謎が謎呼ぶ超絶トリック!
捜査陣大パニック!
この謎を解くことこそが事件の解決に繋がる…!
 
みたいなのを期待してたわけ。
でもね。
今か今かと待ち受けて、あれ?なかなか出ない?
中盤くらいになっても、
どんどんみんな殺されてるのに、出てこない??
 
と思ってたら、
けっこう後のほうになって、
出たーーーーーー!!!!!!!!
 
「とうとう、すけきよさんまで…」
「水草が絡まってるな」
 
みんな全然冷静!!!!!!!
 
しかも。
 
数分後には誰一人触れなくなった!!!!!
 
あれほど有名なシーンなのに、
わりとあっさり終了!!!!!
 
これに焦点を当てて観てたの大失敗!!!!!
 
 
もともとね、
プロット的には純粋推理物というよりは、
人と人の怨念とかそういう部分に焦点を当てた筋書きだと思うんだけど、
映画の尺の中でそれがあまり表現できてない気がするのよね。
 
遺産を巡る姉妹間の葛藤、
実利と愛情の絡んだ珠世への想い、
息子を殺された者の、残った者への恨み、
生い立ちに関わる復讐心、
同性愛、不倫といった愛憎、
 
盛り込まれすぎてて、
きちんと全部表現するには映画の尺じゃムリぃぃぃぃ!!
 
そもそもステークホルダーが多すぎて、
1人1人の表現サラっと流しすぎなんですよ。。。
 
 
文字での情報処理量多めのミステリってさ、
どうしても映像化した時に消化しきれない場合が多いよね。
ヴァン・ダインとかアシモフの黒後家とか無理だろしなぁ。
 
原作読んでないからアレなんだけど、
そういう感じかな、
って思った。



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film0154: 기생충 (2019)

February 09 2020 10:08

기생충
邦題「パラサイト 半地下の家族」
 
映画レビューサイト総合偏差値:4.05
国内映画レビューサイト偏差値:3.93
海外映画レビューサイト偏差値:4.30
だい評点:★★★
2019年5月21日公開
監督:奉俊昊(ポン・ジュノ)
出演:宋康昊(ソン・ガンホ)、崔宇植(チェ・ウシク) etc
製作:パルンソンE&A
配給:CJエンタテインメント
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
半地下の古いアパートに住むキム・ギテクの一家は、両親はともに失業、息子と娘も大学受験に失敗して浪人中で、スマホの通信料も払えないほどの困窮の中、一家揃って宅配ピザの箱を組み立てる内職をしてなんとか生活していた。その内職も、仕事が雑だと報酬を減額されてしまい…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
社会派!めっさ社会派!
登場人物には誰一人限りなく共感ゼロなんだけど(笑)、
現代の格差社会をアレゴリカルに描いたという意味で骨太な映画だわ。
 
地中から掘り出された山水景石を一家の立ち位置のモチーフとして登場させて、
人物、イベント、シチュエーション全てを地上、半地下、地下の3層に分けて展開するプロットはホントに綺麗だなーって思った。
 
半地下はねぇ、
ちょっとしたきっかけで地上に出れる可能性はあるんですよ。
でもね、
地上に出た時に、自分たちが地上の人間になれたと勘違いして転落してしまった。
半地下の人間にとって、地上はまだ仮住まいなんですよ。
ちょっと地上に出られたからって、本当の地上の人間になるのは、容易じゃない。
 
地下の臭い、
社長も言ってたように、
それはもう社会的に身体に染みついちゃって、
簡単に落ちるものじゃないんですよねぇ。
 
到達っていうものは小さな計画の達成の積み重ねによるものであって、
それをすっ飛ばした「計画」は夢物語でしかないわけで。
だって、最後の独白にあった、あの家を買い取って父を救う、っていう「計画」を、
実現可能だと思える人がどれだけいる?って話で、
ストーリーの中で息子がやっていた「計画」ってのは、
一見上手く行っているようには見えても、それと同じことに過ぎなくて。
 
この作品のモチーフで言えば、
格差社会において無計画がもたらすものってのは、
父親による社長の殺害というルサンチマンだし、
行きすぎた「計画」がもたらすものは、
一家の破滅という転落なんですよねぇ。
 
 
この作品のタイトルは「パラサイト」「寄生虫」。
つまりね、
生きるためのリソースを宿主に完全に依存して生き延びていた、元家政婦の夫婦。
結局、生活のための収入を宿主からだけ得ていたキム一家もまたパラサイト。
寄生虫が宿主を食い荒らしたら、共倒れになるだけ。
寄生虫が寄生虫じゃなくなるには、
宿主に頼らずに何をするか。
だけなんですよ。



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film0152: 天河伝説殺人事件 (1991)

December 06 2019 10:12

天河伝説殺人事件
 
映画レビューサイト総合偏差値:2.44
国内映画レビューサイト偏差値:2.48
海外映画レビューサイト偏差値:2.35
だい評点:★★
日本
1991年3月16日公開
監督:市川崑
出演:榎木孝明、岸惠子 etc
製作:角川書店
配給:東映
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
新宿のビル街で、男が突然苦しみ卒倒した。同じ頃、田園調布では初老の男性と若い女性が能の稽古をしており、奈良の奥深い山村では若い2人の男女が人目を避けて逢い引きを、また浅見光彦は無実の罪で吉野の駐在に連行されていた。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
湿っぽい!
暗い!
なのに主人公とか警部が軽すぎてちょっと全体の雰囲気に入りきれなかったやーつ。
暗いなら暗いに振り切ってくれたほうが良かったけどなー。
 
あと、
2つのシーンを数秒毎に切り替える手法やめて!
マジであれはせわしなさすぎて気持ちが入り込みにくい!
 
 
ストーリー全体は正直どうでもいい的。
これ映画にする必要あった?
ボリューム的にも2時間サスペンスで済むやつだと思うけどなあ。
全体的な位置関係がめっちゃわかりにくい上に、
結局過去の男女関係うんぬん、出生関係うんぬんかよ…
っていう、名家を舞台にした近年のサスペンスにありがち(というかほぼそれ)な内容で終わっちゃうのがなぁ。
 
この人とこの人が怪しいよなぁ。
ってのが綺麗にそのまま結論だから、
意外性も全然ないし。。
 
TVで暇な時に何かしながら見る分にはちょうどいい感じだけど、
映画館でこれ見せられたら俺なら数年愚痴るわ。
逆に言うと、Amazonプライムビデオで2時間サスペンス代わりに流し見する分には悪くないコンテンツ。
腰据えて観るものではないと思うけどね。
 
 
ただ音楽はめっちゃ好き。
’80s~’90s初頭のシティ系ジャズフュージョンが東京のシーンで頻繁に流れてアーバン感がすごい。
それが余計に天河村の田舎感とギャップを作り出してる意味では、上手いなぁと思う。
サスペンスでジャズフュージョンってさ、
当時のADVゲーム思い出すよね。探偵今里美沙とか、石見銀山殺人事件とか、あとリバーヒルのJBハロルドシリーズのPC98リメイク版とかもそうかな?
 
これらのADV全部やった人どんだけいるんだよって話だけどな…。



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film0150: レベッカ (1940)

December 04 2019 10:23

REBECCA
邦題「レベッカ」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.78
国内映画レビューサイト偏差値:3.66
海外映画レビューサイト偏差値:4.02
だい評点:★★★
USA
1940年3月21日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョーン・フォンテイン、ローレンス・オリヴィエ etc
制作:セルズニック・インターナショナル・ピクチャーズ
配給:ユナイテッド・アーティスツ
◎アカデミー作品賞、撮影賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
「わたし」はド・ウィンター家の大邸宅マンダレーへ行く夢を見ていた。打ち捨てられたマンダレーは月に照らされて幻想的な雰囲気を醸し出していた。「わたし」とマンダレーの思い出の始まりは、モンテカルロのホテルの側にある崖で一人の紳士を見かけたことで…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
いつもの、ドキドキ、ハラハラ、命を狙われるスリルを「動」のヒッチコックだとしたら、
これは完全に「静」のヒッチコック。
 
多くを語らないマキシム、
前妻を引き合いに圧迫するダンヴァース夫人、
前半のひたすら漂う不穏さやばい!!
 
ヒッチ作品って、
だいたいまず序盤に事件が起きて、
その真相を解き明かさなくちゃ!ってのが定番だけど、
 
何が起こるかわからねぇぇぇぇぇ!!!!!!
 
でも怖ぇぇぇぇぇぇ!!!!!
 
マンダレーの神秘的な雰囲気も相俟って、
ストーリー展開が全く読めない!!!
 
 
からの~、
 
まさかのマキシムのレベッカに対する憎悪!
そして明かされる死の真相!!
マキシムを殺人犯に仕立て上げる従兄弟とダンヴァース!!
 
そして!!
 
意 外 な 結 末  !!
 
うぉぉぉぉぉ!って思ってたら。
 
さらにサイコすぎるエピローグまで待ってた!!!!!!!!!!
 
 
これでもか!これでもか!
と殴りつけてくる終盤のラッシュはヒッチの真骨頂。
 
 
で。
世の女性たちがわかるべきなのはね、
男って、何かでイラっとしたり落ち込んだりしても、
「好き」って言われてぎゅってされるだけでね、
もうそれで上機嫌になるんですよ。
マキシムのあやし方、
あれをやっていれば、
もめることなんてほぼありません!断言!!
 
男から見たら、完全に理想の妻だよねぇ。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0148: ドクムシ (2016)

December 01 2019 18:33

ドクムシ
 
映画レビューサイト総合偏差値:1.60
国内映画レビューサイト偏差値:1.66
海外映画レビューサイト偏差値:1.52
だい評点:★
日本
2016年4月9日公開
監督:朝倉加葉子
出演:村井良大、武田梨奈 etc
制作:ツインピークス
配給:松竹
 
【限りなくネタバレの少ないあらすじ】
スギウラレイジが目を覚ますと、そこは見覚えのない殺風景な部屋だった。恐る恐る隣室に繋がる扉を開けると、そこには6人の男女がいたが、レイジは彼らから何か事情を知っているのではないかと疑われ詰問されるが…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
久々にここまでひどい作品を観た!
観てしまったぞーーーー!!
ここまでひどいのは邦画だと『東京ゾンビ』以来では?
 
最近のマイブームがデスゲな勢いに乗って、
デスゲっぽいのを適当にチョイス。
 
村井良大。
はい、当たりでしょこれ。
と、
「戦国鍋TV」ヲタクのワタクシは意気揚々と見始めたのですよ。
ですよ。
 
 
くっそ野郎ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!
 
 
謝れ!
七本槍に謝れ!
天正遣欧少年使節にも、信長にも、全部謝れ朝倉!!!
 
もうね、
村井良大の無駄遣い!!!!
 
 
っていうかね、
村井くん以外にも主要キャストは演技上手くて、
けっこうみんないい役者だな、って思えるんだけど。
けど。
 
テーマらしいテーマ、皆無!!!!!!
ストーリー展開、場当たり過ぎ!!!!!!
最初から最後までプロットが抜けだらけ!!!!!!
 
よくこれ公開しようと思ったな。
オドレには無いのか!恥という概念が!!
 
思わず倒置法で問いかけるくらいの酷い作品よ…
陶芸家並みのプライドがあるならマスターフィルムを叩き割りなさい。
さあ。
 
原作付きらしいけど、
さすがに原作はここまで酷くないんじゃないかと思ってるから、
逆にめっちゃ興味わいてる。
 
 
デスゲだからって、
「とりあえず人を残忍に殺しとけばOK★」
くらいの感覚でシナリオ作るのはやめて。
デスゲこそしっかりとシステムも心理面も裏付け作らないと説得力なくなるから、
最もと言って過言じゃないくらい力量問われるやつなんだよなぁ。
 
レビューサイトの偏差値1点台はさすがに地雷。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

film0146: トモダチゲーム劇場版 (2017)

November 28 2019 10:40

トモダチゲーム劇場版
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.13
国内映画レビューサイト偏差値:3.04
海外映画レビューサイト偏差値:3.27
だい評点:★★★★
日本
2017年6月3日公開
監督:永江二朗
出演:吉沢亮、内田理央 etc
配給:キャンター
 
【ネタバレの限りなく少ないあらすじ】
第1ゲームを突破した5人は、見知らぬ建物の屋上で目を覚ました。そこに現れたマナブが、第2ゲーム「陰口すごろく」のスタートを宣言し、ルール説明を始める。それは一見簡単にクリアできそうなものだったが…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
TV版の続編。伏線がしっかりしていて、第1ゲームよりも圧倒的に面白かった。
天智がブースに入ってて四部が離れているタイミングなら、メモを渡すんじゃなく普通に話してても問題ないんじゃね?ってこと以外はロジックもしっかりしていて、積み上げた伏線を一気に回収していく展開はお見事。
デスゲ系映画には珍しく、主要キャストが演技力もしっかりしていて良かったんだけど、全然美人じゃないヒロインが美人設定で、可愛い子が可愛くない設定はやっぱり観てて違和感があるので、そのへんはきちんとキャスティングしていただきたい、というのは邦画界の恒常的な課題。
第3ゲームへの期待を膨らませる作りは、演出面も含めてそうとう秀逸で、この監督の作品を他にも観てみたいなと思った。満足。



Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。