film0154: 기생충 (2019)

February 09 2020 10:08

기생충
邦題「パラサイト 半地下の家族」
 
映画レビューサイト総合偏差値:4.05
国内映画レビューサイト偏差値:3.93
海外映画レビューサイト偏差値:4.30
だい評点:★★★
2019年5月21日公開
監督:奉俊昊(ポン・ジュノ)
出演:宋康昊(ソン・ガンホ)、崔宇植(チェ・ウシク) etc
製作:パルンソンE&A
配給:CJエンタテインメント
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
半地下の古いアパートに住むキム・ギテクの一家は、両親はともに失業、息子と娘も大学受験に失敗して浪人中で、スマホの通信料も払えないほどの困窮の中、一家揃って宅配ピザの箱を組み立てる内職をしてなんとか生活していた。その内職も、仕事が雑だと報酬を減額されてしまい…。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
社会派!めっさ社会派!
登場人物には誰一人限りなく共感ゼロなんだけど(笑)、
現代の格差社会をアレゴリカルに描いたという意味で骨太な映画だわ。
 
地中から掘り出された山水景石を一家の立ち位置のモチーフとして登場させて、
人物、イベント、シチュエーション全てを地上、半地下、地下の3層に分けて展開するプロットはホントに綺麗だなーって思った。
 
半地下はねぇ、
ちょっとしたきっかけで地上に出れる可能性はあるんですよ。
でもね、
地上に出た時に、自分たちが地上の人間になれたと勘違いして転落してしまった。
半地下の人間にとって、地上はまだ仮住まいなんですよ。
ちょっと地上に出られたからって、本当の地上の人間になるのは、容易じゃない。
 
地下の臭い、
社長も言ってたように、
それはもう社会的に身体に染みついちゃって、
簡単に落ちるものじゃないんですよねぇ。
 
到達っていうものは小さな計画の達成の積み重ねによるものであって、
それをすっ飛ばした「計画」は夢物語でしかないわけで。
だって、最後の独白にあった、あの家を買い取って父を救う、っていう「計画」を、
実現可能だと思える人がどれだけいる?って話で、
ストーリーの中で息子がやっていた「計画」ってのは、
一見上手く行っているようには見えても、それと同じことに過ぎなくて。
 
この作品のモチーフで言えば、
格差社会において無計画がもたらすものってのは、
父親による社長の殺害というルサンチマンだし、
行きすぎた「計画」がもたらすものは、
一家の破滅という転落なんですよねぇ。
 
 
この作品のタイトルは「パラサイト」「寄生虫」。
つまりね、
生きるためのリソースを宿主に完全に依存して生き延びていた、元家政婦の夫婦。
結局、生活のための収入を宿主からだけ得ていたキム一家もまたパラサイト。
寄生虫が宿主を食い荒らしたら、共倒れになるだけ。
寄生虫が寄生虫じゃなくなるには、
宿主に頼らずに何をするか。
だけなんですよ。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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