film0161: HIGH NOON (1952)

March 05 2020 10:35

HIGH NOON
邦題「真昼の決闘」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.63
国内映画レビューサイト偏差値:3.50
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★★★
USA
1952年5月1日公開
監督:フレッド・ジンネマン
出演:ゲイリー・クーパー、グレイス・ケリー etc
製作:スタンリー・クレイマー・プロダクション
配給:ユナイテッド・アーティスツ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
荒野で落ち合った3人のガンマン。彼らが街へやってきたのを見て、街の人々はざわめき立つ。酒場の前でたむろする連中も「今日はどえらい一日になりそうだな」と口を突く。ガンマンたちは保安官事務所の前で馬を止め…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ものの解説や口コミなどを読むと、
「勇敢な保安官がひとり孤独に~」とか、
「薄情な街の人~」とか、
そういう「理解を得られなかった正義の男の物語」みたく受け取られているけど。
でも。
でも。
 
そんなんは勇気でも何でもありませんから~~~~!!!!ア、アラララア、ア、アァ!
 
いいですか、
普段教会にも顔を出さず、よそ者の異宗派の女と結婚し、
酒場で人々と交流するでもなく、ガンマンたちからは疎まれていて、
街に友人らしい友人もほとんどいない。
 
こんな人、信頼得られなくて当たり前ですから~~~~!!!!ア、アラララア、ア、アァ!
 
教会に乗り込んで説得した時にダンディなおじさんが言ってた、
「我々は保安官に高い給料を払っているんだぞ!」
ってね、
要するに、何年もこの街に何年も住んでいながら、
街の人たちからは「傭兵」としか思われていなかったんですよ。
そりゃそうですよ、街の人に溶け込む努力を何一つしていないんだもの。
 
挙句の果てには、
いいから逃げろという人々の声にも耳を貸さず、
この街で荒くれを待ち受けて戦うから、みんな助けてって。
 
街の人「いいから、よそでやれよ…」状態!
 
たしかにね、ケインの努力によりミラー一派が一掃されて、
女子供が出歩けるクリーンな街になって街の人たちが感謝しているのは間違いないでしょう。
 
ケインが頑張ってミラーを逮捕したのは、
職務のためもあるでしょう。
街のためと考えてもいたでしょう。
 
だがしかし。
街のためではあっても、街の「人」のためではないのです!
彼は「人」をあまりに軽視しすぎている。
新妻の言葉にも町長の言葉にも全く耳を貸さないのが端的にそれを表していると思いませんか。ませんか。
 
だからこそ、
街の人々はケインの行為そのものに感謝はしていても、
ケインという「人」に感謝をしていない。
 
街の人が理解してくれない?
街の人を理解していないのはお前だ~~~~!!!
街の人が冷たい?
街の人に冷たいのはお前だ~~~~!!!
 
 
古い時代のお父さん、こんな人いませんか?
会社のため。
家庭のため。
その中にいる「人」一人一人と向き合ってますか?
 
 
映画は時代を映す鏡。
1952年にはもしかするとこの生き方が良しとされていたのかもしれないけど。
現代の目から見ると、周囲の迷惑を顧みないただの頑固おじさんですね。
 
「ハーヴェイ、お前はわかってない」
 
お前も充分わかってないよ!


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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