僕らが生きているということ。

August 05 2005 22:55

「せっかく空を飛べるように、こんな立派な白い羽根がついているのに、
こんなところに迷い込んできたら、意味が無いじゃない。馬鹿だねぇ」
君はそう言うと、便所の小窓を開け、
ふわふわ白い羽根のついた蒲公英の種子をそっと逃がしてあげるのだった。
ケツを掻きながら隣に突っ立っている僕を見つめて、
「あんたも同じだよ」と、
僕の睫毛についた目やにを指で弾いた。
 
ナメクジみたいに君の体を這う毎日
ナメクジみたいに君の体を這う毎日
 
自殺志願者が線路に飛び込むスピードで僕は部屋を飛び出しました。
目に映るもの全てをぶっ壊してやりたかったけど、
そんな時でも一番お気に入りのTシャツを着てきた自分が馬鹿馬鹿しくて…
 
 
旭川フォークジャンボリーではいつも70年代フォークが流れており、
僕は彼らのメッセージに応えるべく、全身を硬直させたんだ。
「マスター、家も電話も無い人間にアルバイトをさせてくれる馬鹿な会社がありましたよ」
マスターは人差し指で眼鏡を押し上げながら、
「馬鹿はおめぇだろ」
と笑うのでした。
こうして僕は、汗水流して働いて、
なんたらかんたらというヤツを経験したわけだけれど、
何故だろう。昇る朝日から眼を逸らしてしまうのはいったい何故だろう。
 
ゴキブリみたいに夜を這う毎日
ゴキブリみたいに夜を這う毎日
 
自殺志願者が線路に飛び込むスピードで僕は自転車漕いで濱埜の家に行きました。
「このまま終わってたまるか」なんて言いながら、
ファミリーコンピュータの赤いコントローラをパチパチやってる自分が馬鹿馬鹿しくて…
 
 
自殺志願者が線路に飛び込むスピードで
自殺志願者が線路に飛び込むスピードで
自殺志願者が線路に飛び込むスピードで
自殺志願者が線路に飛び込むスピードで生きていこうと思うんです 
 
(野孤禅「自殺志願者が線路に飛び込むスピード」)


Categories: カルチャーの嵐。

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