七大陸周遊記~第2章~ (5)トドワラ!。
(この文章は、2003年9月の日記を2015年4月6日に改題・改編・加筆したものです)
賢明なる読者諸兄は覚えておられるであろうか。
1年前に初の長征に出ただい様が最も憧れ、目指した場所。
そう、それは。
ト ド ワ ラ
オホーツクに消ゆでも最も奇怪な風景が描かれ、
当時の消ゆラーの心を捕らえて離さなかったあの。
ト ド ワ ラ
昨年はさ、時間も時間だったし、
蚊も大量発生だったし、
行きたかったけどさ、でもさ(ぶつぶつ)
だから!
今年は!
ここに最大の照準を合わせてきたのであるぞ!
フハハハハ!
しかも!
ネイチャーセンターから歩いてトドワラまで行く道を昨年下見したわけだけれども。
敢えてそれは選ばぬ!
トドワラの対岸にある尾岱沼港から遊覧船に乗って行くのだ!!!!
このために旅行費用を頑張って増額したんだぜ…
そんなわけで、野付半島には入らず、対岸の尾岱沼へ乗り込むだい。
護岸ではカモメも野付を見とる。
尾岱沼港で遊覧船のチケットを購入。
ほどなく遊覧船も到着。
船体に神々しく輝く「トドワラ」の文字!
いやーん、たかまるぅ。
さあ出港。
「パワードリーム号」という、向こう見ずしか取り柄がない男子小学生がつけそうな名前の船がトドワラを目指します。
出港してしばし経った頃。
ん、海になんか浮かんでる?
あざらしーーーーーーーーー!!!!!!!
一見コラ写真っぽく見えますが、
天気のせいで水面が濁ってたからそう見えるだけで、紛う方無きアザラシです。
しっぽがエビっぽく見えますが、エビフライではなく、アザラシです。
嗚呼、生で見た麗しさを写真で伝えきれなくてつらい!
一頭じゃなく何頭かいます。
全身出してほしかったけど、顔としっぽしか出してくれない。
おい!そんなんだからエビフライと間違えられるんだぞ!
そんなこんなしているうちに、船はアラハマワンドの桟橋に到着。
立ち枯れた木がすでにトドワラ感を感じさせる。
ここからアラハマワンドと呼ばれる浅瀬を歩いてトドワラへ向かいまする。
ハイシーズンは潮干狩りができるらしいよ。
アサリが採れるらしい。
歩くこと約5分。
木道が見えてきて、そしてそこに広がる風景…
トドワラだーーーーーーーーー!!!!!!
海水の浸食により、立ち枯れてしまった木々の墓場、トドワラ。
ファミコン版でも、
PC-98リメイク版でも、
もういちばん好きで好きで仕方なかった風景がいま目の前に!
俺も今すぐスカートに履き替えてトドワラの中で横たわりたい!
トドワラのエリアをぐるっと一周できる木道は、だいたい一周して20分くらい。
なんやかんやのRPGで見たような景色がひたすら広がっていて、
ファンタジックの極み。
ただ、枯れ木の腐朽が進みすぎていて、
いずれ塩湿地植物群落になってしまうのだとか。
そうやって地球は移ろってきたのだろうけど、
この景色が見れなくなるのはかなしい。
せめて今、目と心に焼き付けとかなきゃね。
実際、表層だけ見ればいかにも生命の終末を感じさせるような寒々しい景色の中でも、
きれいな花は咲いているし、
小さな貝だっている。
何かの終わりは、何かの始まり。
だから、何かの終わりを迎えたときは、
何かの終わりを泣くんじゃなくて、
何かの終わりを焼き付けるのが大事なんだぜ。
そんな野付でいちばんお気に入りの写真がこちら。
彼岸と此岸の対照に哲学を込めてみました!