film0254: LITTLE CAESAR (1931)

June 23 2020 16:05

LITTLE CAESAR
邦題「犯罪王リコ」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.37
国内映画レビューサイト偏差値:3.27
海外映画レビューサイト偏差値:3.57
だい評点:★★

USA
1931年1月3日公開
監督:マーヴィン・ルロイ
出演:エドワード・G・ロビンソン、ダグラス・フェアバンクス・Jr. etc
製作:ファースト・ナショナル・ピクチャーズ
配給:ワーナー・ブラザーズ
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
シーザー・エンリコ・バンデーロ、愛称”リコ”は、片田舎での押し込み強盗に飽き足らず、相棒のジョー・マッサーラと共に一旗揚げようと都会に出る決意をした。しかしジョーはダンサーへの夢を捨てきれず足を洗いたいと主張するが、リコは半ば脅すような形でジョーを連れて都会のギャングの子分となる。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
フィルム・ノワールの歴史的なものを読んでると、
その嚆矢として必ず名前の出てくるこの「犯罪王リコ」。
 
まぁ、それはわかる!
後のフィルム・ノワールに継承されるような、
主人公の非道の中に垣間見える人情(でも9割方非情)。
子分たちも女性も使い捨て的なぞんざいな扱い。
怒り以外の感情を面に出さないギャングたちを協調する陰影の強い画面。
 
1931年の映画にしては、
完成度の高い映画だなと思いました。した。
1950年頃の映画と言われても信じるわ。
 
でも完成度と面白さは別なんだよな~。
いや、面白くないわけじゃない。
むしろそこそこ面白い。
 
でも★2でしょ、って?
 
リコが糞野郎すぎてモヤモヤしたまま終わるんですもの!!
 
新入りがボスにあんな態度取って、
むしろあれ殺されてても文句言えないやつやぞ…
一般人が銃撃に巻き込まれるのも屁とも思ってないし、
ジョーが金よりもダンサーの仕事がしたいって言ってるのを無理矢理脅迫してギャングに繋ぎ止めるし、
モラル0の暴れん坊にはさすがにイライラしかしない!
 
 
それにしても、
エドワード・G・ロビンソン観るの5作目だけど、
「深夜の告白」の気難しいひねくれ者だけど敏腕な調査員、
「飾窓の女」の情けない中年男、
「十戒」のろくでもない小悪党、
全く違うタイプのキャラで違和感なく演じ分けてるのはめっちゃいい役者だなと。
「キー・ラーゴ」のギャングのボスだけがこの系統。
見た目はめっちゃ中年のオッサン感しかないのに、主役バンバン張る人気なのが海外の映画界の懐の深さだと思うわ。
 
 
ってかさぁ、
この邦題付けたやつ、土下寝でも足らんから土下埋しろよな!
カエサルの故事をイメージしながら観るべき作品でしょうよ!
ホント思うけど、邦題つける人が全く学がない説だわ。
 
それでもまだ、最近の
「ストーリーの重要なとこを邦題で既に言っちゃうパトゥーン」
よりはよっぽどマシだから、
邦題付ける係の質のヤバさは極限まで来てるな。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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