film0187: LE CORBEAU (1943)
LE CORBEAU
邦題「密告」
映画レビューサイト総合偏差値:3.75
国内映画レビューサイト偏差値:3.67
海外映画レビューサイト偏差値:3.90
だい評点:★★★
フランス
1943年9月28日公開
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
出演:ピエール・フレネー、ジネット・ルクレール etc
製作:コンチネンタルフィルム
配給:トビスフィルム
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
フランスのとある町、民家の庭で心配そうに佇む3人の老婆がいた。民家から出てきたのは産婦人科のレミ・ジェルマン医師。手を洗う彼に老婆が尋ねると、母親は助かったが子供はダメだったと言う。その頃、彼の勤めるサン・ロバンの市民病院では、13番ベッドの患者がベッドを替えてほしいと訴えており…。
【だいレビュー(ネタバレ有)】
「フランスのヒッチコック」クルーゾー作品2本目の鑑賞!
ホントにそう言われてるかは知らない!
大学の頃、TSUTAYAにあった「恐怖の報酬」のレンタルビデオのパッケージにそう書いてた!
だからたぶん本当!
でもね。
本作を観る限りでは、テイストはわりと対極!
事件の中で生まれる恋。
みたいなのはヒッチでもお決まりのパターンだけど、
ヒッチ作品のやつはだいたい陽気で爽やか!
一方で本作。
情 ! 念 !
恐怖さえ感じるデニーズの愛。
サイコすぎるヴォルゼ院長の愛。
このドロドロ感こそフランス映画の華!!!!!!
でもなレミ、
女抱いといてその後の態度は何やねん…
中途半端な気持ちで抱くなや!!!!
出さない手紙という謎のウジウジといい、
レミにどこまでも漂うカス男感。
カラスの怪文書にいまいち怒りを覚えきれないのはたぶんそのせいだな。
犯人が最終盤まで特定できない、
というサスペンス的面白さは満足なんだけど、
ただでさえキャラが希薄だったうえに、結果救われなかったローラが哀しい。
もうちょっとキャラ立ちさせてあげたかったよ。。。
そして圧巻のエンド。
13番患者の母親によって、遂に成し遂げられた復讐!
我が子を殺した相手への復讐を終えた老婆が静かにヴォルゼ邸を出て行く。
「息子のカミソリは1回しか使ってない。もっと使ってあげなきゃ」
って言って手に持っていたカミソリが、ヴォルゼの死体のもとに…。
こえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
子を殺されると、母は悪魔にも鬼神にもなるのですね。
一方で、子殺しの汚名を着せられながらも、
最後には自分の子を産むようドニーズに言ったレミ。
この映画のテーマはそこにある。