film0134: 突入せよ!「あさま山荘」事件 (2002)

August 20 2019 09:58

突入せよ!「あさま山荘」事件
 
映画レビューサイト総合偏差値:2.92
国内映画レビューサイト偏差値:2.95
海外映画レビューサイト偏差値:2.87
だい評点:★
日本
2002年5月11日公開
監督:原田眞人
出演:役所広司、宇崎竜童 etc
製作:アスミック・エース
配給:東映
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
1972年2月19日、長野県軽井沢町。過激派連合赤軍メンバー捜索のためパトカーで警戒中だった、長野県警察機動隊は複数人の真新しい足跡を見つける。足跡がさつき山荘に続いていることから、パトカーに木戸隊員を残し偵察に向かうが過激派の急襲を受けてしまう。
 
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
安い!安いよ!!
 
いや、俺もあさま山荘事件にそんなに詳しいわけじゃないけど、
でも、人質取った過激派相手にして、
 
緊迫感なさすぎ!!!!!!!!
 
 
特に演出がひどい!
張り詰めたシーンで、秒刻みでアングル変えるのやめて!
視点が安定しないと悲壮感が出ないよ!!
ここぞというシーンでBGMかけるのやめて!
BGMあると緊張感が全く出ないよ!!
 
このへんって、現代映画のいちばんの問題だよなぁ。
何でもかんでも派手にしようとするよね。
主観で緊張感を出すなら、ベタカメラの地音がいちばんなんだけど、
変にBGMつけるからどうしても安っぽくなる。
何なんだろね、この風潮。
 
ドキュメンタリーとか、その時、歴史が動いたなら、
あくまでも「事実」を客観的に見るだけだからいいけど、
映画をストーリーで観てる以上、
主観的な緊張感とか悲壮感は必要では?
 
正直、ストーリー以前にもうさ、
この演出だけで★1つしか絶対にムリ。
 
 
で、
どこまでフィクションでどこまで事実に基づく部分かわからないけど、
人間ドラマをメインにし過ぎて、
あさま山荘での攻防戦がおまけになっちゃってるんだよなぁ。
 
覚悟を持ってやってる男のドラマを描きたかったとは思うんだけど、
それにしては中途半端なんだよなぁ。
追い詰められてる感も吹っ切ってる感も出てない。
何か、信念とか哲学みたいなもの、
「俺は、これのために絶対にこうやってやり遂げるんだ!」
みたいな芯みたいなものが描けてないんだよな。
 
芯のない人間ドラマを中途半端にやって、
緊迫しているはずの攻防をBGMで盛り上げながら進めてさ、
そりゃぁ駄作にしかならんよ、そんなん。
 
 
なんでそうなるかってさ、
たぶん監督にこの作品に対する信念が無いんだと思うよ。
この作品でどうしてもこれを表現したいんだ!!!
っていうものが見えないもの。
見えた人、いる?
 
やってることが2時間サスペンスなんだよね。
むしろ娯楽に振り切ってる分、あっちのほうがマシ。
 
 
正直ね、
あの事件に実際に当たった機動隊の方々、
それぞれが死ぬ可能性が普通にある覚悟であの場にいたと思うんですよ。
彼らの世界では、
あんな雄々しい音楽も、哀しい音楽も無くて、
ただ銃声と男達の怒声だけが響き渡る中で死を予感していたはず。
 
それをきちんと表現してあげないと、
そうじゃないといけないと思うんだよなぁ。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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