【不定期刊】レゲエ講座(1)

April 29 2006 14:39

いよいよあと3ヶ月もすりゃレゲエの季節がやってきます。
と世間では言われておりますが、
BOXER KIDは「カキケセ夏期限定~♪(中略)暑い夏だけじゃねぇ、ってこと教えてやるぜ~♪」
なんて歌ってまして、まさにその通り。
とはいえ、まぁ、夏になれば野外ダンスもあるし、
ジーマ左手、焼きそば右手に踊りまくるのはとても楽しいので、その前に予習しちゃおうか、そうだね、兄さん。
なんてな具合です。
 
 
 
【初心者のためのレゲエ講座~第一歩編~】
 
さて、講師はプロフェッサー・タナカ(誰)ではなく、だい様です。よろにく。
 
ではさっそく本題。レゲエとはなんでしょうか。まずそこから行こう。
裏打ち、ワンドロップ、まぁ音楽的観点から言えばいろいろあるんですが、このへんの小難しい話は抜きにして、現在のダンスホールレゲエの基礎中の基礎ともいえる、「リディム」の話をしてみましょーか。
 
リディム。ってなぁに?
という方のために全身全霊逆噴射で解説します。へっへーーん。
それくらい知ってるもんねー。なんていう悪ガキは読み飛ばしてくれて結構。
「リディム」とはパトワで「リズム」の意味。Riddimと書きます。
あ、ちなみにパトワってのは英語のジャマイカ方言のことであります。レゲエが少しエスニックな感じに聞こえるのはこの方言のせいなんですね~。ただ、発音どころか文法も英語とはけっこう違ったりするので、もう独自の言語と捉えたほうがいいかもしれません。
 
それはさておき。
このリディムですが、レゲエにおいては、通常の「リズム」、つまり拍動の意味で使うわけではなくて、「リズムトラック」のことです。
はい、なるほどと思ったそこの貴方!ヒップホップをほんのちょっとは囓ったことのある人ですね。
「リズムトラック」ってなんだコラァ!って方も半分くらいはいると思いますので説明します。
まぁ、簡単に言えばカラオケのことです。一昔前、シングルCDの最後に必ずといっていいほど入ってたアレです。というだけの説明だと苦情が溢れかえって俺のサーバがパンクする見込みなので、もちっと詳しく言います。
 
歌う時ってのは、アカペラじゃない限りは必ず伴奏ってのがあるわけですね。小学生の頃、音楽の時間、合唱の時に先生がピアノとかオルガン弾いてくれましたね?バンド経験のある人は、ヴォーカルがいない時に楽器隊だけで練習したこともあると思います。それです。
つまり歌の入っていないインストのことです。
これが何故重要なファクターになるかと言うと、レゲエにおいてはリディムの使い回しを行うのが基本だからなのです。
 
さぁ、頭に「?」がいくつも浮かんできた姿が容易に眼に浮かぶわけですが。
もちっと詳しく。
つまり例えば、通常の曲だったら、歌とアレンジは1バイ1の関係にあるわけです。B’zの「ultra soul」はあのオケとあのメロディーはセットの関係にあるのは当然のことと考えると思います。
ここで例えばの話。ある日、山下達郎のライヴに、松本孝弘以下、B’zのライヴメンバー勢揃いで参加。いきなりultra soulの演奏を始めました。イントロが始まったら聴いてる人は当然のようにultra soulのメロディーと歌詞が浮かんでくるわけです。これはアレンジが歌と1バイ1の関係にある前提のもとに我々が音楽を聴いているからなのです。
ところが。達郎さんは、そのultra soulのオケに合わせて、達郎さんっぽいオリジナルの歌を乗せて歌いました。想像できますか?できる人もいるだろうし、できない人もいるとは思いますが、便秘の時のトイレタイムのように頑張って想像してみて下さいな。
そしてまたある日、今度は鬼束ちひろのライヴに松本軍団がやって来て同じように「ultra soul」。んでまた鬼束嬢もオリジナル曲を乗せて歌って。これで、ultra soulのオケに乗せて3曲目の曲が出来上がりました。
これが当たり前のように行われるのがレゲエなのです。
 
さて、まだ想像できない人はもう殴ってやりたいくらいですが、レゲエを教えるために豚箱行きでは割が合わないので、殴らずに直接音源を聴いてもうわかってくれ!と祈りを込めます。
 
まず聴いてもらうのは2002年に世界中で大ヒットしたSean Paulの「Get Buzy」。
どこでもかしこでもかかっていたので聴いたことの無い人はまずいないと思いますが、もう一度聴いて下さいな。タンタカタンタカタカタカタカタカ、といったクラップ音が特徴的なこのリディム、DIWALIという名前が付いています。
後でまた説明しますが、リディムには名前が付いてたりするのですが、このDIWALIリディムに乗せて数多くの曲がリリースされました。
その1曲、これもけっこうヒットしたWayne Wonderの「NO LETTING GO」を聴いてみてやー。
さぁ、ショーンとウェイン、かなり違う雰囲気に感じませんでしたか?オケが同じでも、乗せる歌が違うと、けっこう違うように感じるものです。
ということは!逆に言うと、オケが同じである以上、歌い手にとっては完全に同じ土俵の上で他の歌い手と勝負しなければならないので、必然的に比べられることになってもう、生活かかってるわけですよ。
聴き手にとっては、あ、こいつ大したことないな、こいつはすごいな、ってのが簡単に比べられます。
この楽しみ方こそがレゲエ独特であり、またレゲエの最高の楽しみ方であるとも言えます。言わせて下さい。
 
 
ついでに、日本でもこのDIWALIリディムに乗せた曲が5曲あるので、ダイジェストで聴いて下さいな。
1曲目:RUDE BOY FACE「Clap Yu Hands」
2曲目:VADER & MINMI「The Rock City」
3曲目:PAPA-B「くもり空」
4曲目:NG HEAD「Rule」
5曲目:MINMI feat. JUMBO MAATCH「The Perfect Vision」
 
さぁ、聴き終わって、同じリディムでもこの曲は好きだ、とか、
この曲はちょっとなぁ、ってのが出てきたと思います。
ほらそれ、レゲエの第一歩。
ちなみに、他のリディムもいくつか聴いてみると、今度はだんだん、「このリディムの曲は全体的に好きだなぁ」とか「このリディムの曲はどれもちょっとなぁ」っていうのも出てきます。そこまで行くと、レゲエの面白さの第二歩です。
 
 
では次回は、ではこのリディム使い回しの文化がなぜ生まれたか、ってそんなんをちょい書いてみようかと。
んでわでわ。


Categories: カルチャーの嵐。
  1. ボンズ

    すげぇ~よ!!先生~!!次回楽しみにしてます♪
    ちなみに最後のDIWALIの5曲はだいさんがつなげたんですか!?

    2006年4月30日 01:44
  2. だい。

    了解!次回も頑張りまっすよ!
    ちなみに最後のDIWALIは繋げたというか、時間がなかったので単純にクロスフェードしただけのやっつけ仕事ですよ(汗)

    2006年4月30日 01:52
  3. ボンズ

    な~る♪
    競馬場にいた時にreggeaのMIX CD作るって言ってたからそうなのかなぁ~って思いました!!

    2006年4月30日 02:36
  4. かみ

    なんとなくここに書かれている事は理解できました。
    聞き比べると「なるほど!」と思えますね!!
    ここまで噛み砕いて説明していただければ…
    次回も楽しみにしています。

    2006年4月30日 21:08

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