読書の冬。

February 13 2006 19:56

書評。
星新一「白い服の男」(新潮文庫)
前にもどこかで書いたと思うけど、基本的に星新一はそんなに好きなわけじゃないんだけど。
っていうのも、星氏のタッチって、軽妙すぎるというか、小咄、って感じでピシっと落として終わり。
みたいな、良くも悪くもあっさりした感じなのが、どうも俺に合わないのな。
重いテーマ好きなんで。
 
いやー、でもこれ読んで、すいません。ちょっと心を改めました。
星氏のショートショートにしては全体的に長目の作品ばかりだったんだけど、テーマがきっちり哲学的で読み応えありました。
得意の、意外性出してサクっと終わるタッチではなく、しっかり腰の重い打ち回しというか、芯を中心にして内容盛り込んでくから、余韻がきっちり残る。
全体として秀作の部類だとは思うんだけど、何が何って、一番最後の「時の渦」。
これはもう必読。
震えました。
今思い出しても震える。
できればハンコックとか読んだ後に読んでくれると、より一層感慨深いかも。


Categories: カルチャーの嵐。

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