恋ができなくなった最大の素因。
February
12
2006
21:08
若い頃はさ、夜中に電話して、話すことも尽きずに、受話器持ったまま二人とも寝ちゃったりとか。
それが、今は、そんな情熱は、きっと、持てない。
人間の心にキャパがあるとすれば、あの頃のそんなスペースは、今はいったい何が占めているのか。少しずつ、いろんなものに均等に割り振られたりしてるのかな。
大事なものを一つ得たら、大事なものを一つ失う。そんなことはわかってるんだけど。
あの頃のあんな気持ちが懐かしかったりもする。
風はまだ冷たかった
僕ら初めてキスをした
それでも、それだけで、ぬくもりがふたり包んでた
秘密を打ち明けるようにして身体重ねあった雨の日抱きしめあって、確かめあって、それが恋だった
言葉だけじゃ足りなかった
疑いあって、傷つけあって、それが恋だった
君はひとりで街を出た僕だけが街に残った
胸に詰まる若葉の青
あれから、ねぇあれから、この季節が来るたびに抱きしめあって、確かめあって、それが恋だった
満たされるものじゃなかった
疑いあって、傷つけあって、それが恋だった
あのまま時は止まったいとしさに声は枯れた
孤独が僕を放さない
今でも、これからも待ちきれなくて、待ちきれなくて、それが恋だった
誰かのためじゃなかった
それが恋だった
(谷口崇「それが恋だった」)
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