七大陸周遊記~第4章~ (3)上川キャノンボール。

May 05 2005 21:53

(この文章は、2005年5月の日記を2019年5月19日に改題・改編・加筆したものです)
 
 
【2005年5月2日】
朝。
窓から外を見やると、昨日までとは一転、青空がそこに!
昨日までが完全に雲しかない天気だったので、ようやく旅らしい感じになった。
 
 
なんやかんやでちょっと宿を出るのが遅れて、9時半の出発。
現金に不安があったものの、無事カードが使えました。
 
道の駅「サロマ湖」に寄ってスタンプを押した後は、
この天気なら!行ける!
一昨年、視界がほぼ無いレベルの濃霧のため何も見えなかったサロマ湖展望台にリベンジ!
 
長い砂利道の末に辿り着く駐車場から10分ほど階段を登り、
さあ、いよいよ2年ぶりの展望台!
をををを!見える!サロマ湖が見えるぞぉ!!!!
 
泊まっていた緑館も、

なんと、サロマ湖の切れ目まで見えるぞ!
これはすごい。
360’の視界が売りの展望台だけど、正直反対側は森と山しか見えないのでどうでもよくて(ひどい)、
サロマ湖をこんなに俯瞰で見えるのだけで、来る価値ありまくり。
車じゃないとちょっと来れない場所だけど、と思ったけど、
そもそもサロマ自体、車じゃないとほぼ来れない場所だから問題なかった。
 
 
展望台と同じく、
この天気なら前回の濃霧でほとんど見えなかったとこにリベンジするチャンス!
ワッカ原生花園はまだ花もほとんど咲いてないだろうから(学習)、見送りでOK。
ならば能取岬まで行っちまいましょう!ってなもんです。
すごい!
前回は朧気にシルエットが見えるだけだった灯台がくっきり見える(笑)!
こんな色だったのか…。
 
 
能取岬の後は、網走市内へ入って博物館網走監獄へ。
入口のとこでは、明治の脱獄王がお出迎え。
脱獄王といえど、質素な格好です。
真面目に掃き掃除してて脱獄しそうにない。
油断につけこむやつだな!

掲示されている順路の看板を見てみると、
けっこう広いんで、全部じゃなくある程度廻るコースなんてのが推奨されております。
何を言っとる!全部見るわ~い!
というわけで、左回りに粛々と回ります。
 
場内は、様々な移築物に蝋人形たちが当時を再現するように配置されていて、
今なら確実に人権屋さんが放っておかないだろうな、っていう過酷な暮らしを目の当たりにできます。
こんな環境なら、そりゃあ誰もが網走送りを恐れるよなあ。
外仕事の時は、こんな藁葺きの小屋に囚人たちは薄着で雑魚寝。
さすがに外仕事は4月~11月だけだったらしいんだけど、
とはいえ4月とか11月の夜とか寒さが絶対やばいやつじゃん。
しかもね、
枕とか無くて、一本の丸太を枕にしてみんな寝てるの。
そしたらさ、朝になったら丸太の端っこを看守が叩いたらみんな起きるから便利なんだってさ。
人権もへったくれもない。
朝ご飯は雑穀に汁一椀だけ。しかも立食。つらい。
 
昼はね、農業したり、

鍛冶仕事をしたり、

日用品を作ったりします。

炊事も分担。

大根もちゃんと洗います。

 
監房はこんな感じ。
ストーブは真ん中にこんなパイプみたいなの通ってるだけ。
これ各房までたいして熱気行かないって!
看守めっちゃこええ。
警棒伸ばしっぱとか、使う気満々じゃん。
 
独房では正座が基本?
 
ちなみに、刑務所暮らしだけが大変なわけではありませぬ。
何せ飛行機も無い時代、こんな僻地まで来るのです。
こんな感じで徒歩で護送されるとか何とか。
熊に狙われてるやん!
現代でも札幌から車で7時間とか8時間とかかかるのに、
まともに道路も開削されていない時代に徒歩とかマジ死ぬ。
それ考えたら、脱獄王とか、脱獄した後どうしたんだ…
 
 
あ、当時の法服が展示されていたんだけど、
着てる人が完全にポリゴン。
スターフォックスでこれと同じやつ出てきたの見たわ。
 
 
 
そんなこんなで2時間弱ほどで網走監獄を見学し終え、先を急ぎます。
ホントは網走でもうちょっといろいろ見たかったんだけど、
今夜の宿は旭川なのであまり悠長にも構えてられないの。
 
39号線を行き、道の駅「メルヘンの里めまんべつ」で軽い昼食。
そんなにメルヘン感はなかった。

女満別を抜け、美幌を越え、端野に差し掛かった頃。
なんか道端に米のキャラの看板があちこちに。
俺のアンテナにビビビっと来るタイプのキャラ。
ビビビ婚。
看板をよく見ると名前が書いてある。
「のんたくん」
端野町だからのんたくん。シンプル。
 
 
北見、留辺蘂を越え、生田原へ。
ここにある「ちゃちゃワールド」が今日のメインイベント。
木のおもちゃの博物館っていうだけで、絶対楽しいに決まってるじゃん!

場内にはたくさんの大きいくるみ割り人形や煙出し人形が。

1Fには、世界各地の伝統的な木製おもちゃが展示されてて、
うん、すごいなこれ。
見たこともないようなおもちゃもたくさん。
世界は広い。

 
上階は、実際に木のおもちゃで遊べるコーナー。
積み木もあるし、

木馬もあるよ。
天才騎手降臨。
 
 
来るまで全然知らなかったんだけど、
ちゃちゃワールドは藤城清治の影絵の美術館を併設してるの!
暗い館内に佇む、光を受けたたくさんの影絵。
これには、ただただボーっと不思議な感覚のまま立ち尽くすしかなかったのでした。
特に吹き抜けを飾る超大型の影絵。
ここで1時間とか2時間とか黙って見ていることができます。
ほんとに幻想的な世界。
ここはねぇ、ホント行ったことない人は絶対1回行ったほうが良い。と勧めて回ろう。
 
 
結局ちゃちゃワールドでそうとう時間を使ってしまったので、すっかり夕方。
遠軽、丸瀬布を抜け、白滝に入ったところ、
なんと白滝に新しく道の駅ができたとの情報を入手。
行ってみると、もう閉まってた。。。
なおここは、道内初の一般道からも高速道路からも入れる道の駅。
しかも!
ちょうどICのトコなので、ここから高速に乗ることも可能。
 
というわけで。
 
いいでしょうか皆様方。
実はワタクシ、教習所の高速教習の時以外、一度も高速に乗ったことがございません。
ムーくんがノンターボ軽だから、そもそもあんまりスピードが出ないから一般道でもたいして変わらないからな。
でもですよ。
実は旭川のホテルのチェックイン時刻が既に目前に迫っております。
そしてこの白滝の先には軽殺しの急坂・浮島峠が待ち受けております。
しかも現段階でそこそこ交通量多い。
 
嗚呼。
嗚呼。
 
ムーくん史上初の高速の旅、スタート。
 
 
少々待機のうえ、後ろから車が来ないタイミングで高速に突入します。
なんせムーくんのパワーでは60km/hに上げるだけでも、全力キックダウンしないかぎり20秒はかかる。でもエンジンに負担かかるからキックダウンはしたくないしね~。
なんて思ってる間に、後ろから猛スピードで車が(死)
 
ここ、延々と追越車線の無い片側1車線。
さすがにこうなると俺も全力でスピードを出すしかない。
キックダウンで一気に90km/hまで加速。
それでもどんどん距離を詰めてくる後続車。
 
こうなりゃ、ままよ!
 
完全アクセルベタ踏みで全力フルスロットル。
エンジン回転数は未曾有の5000回転。
もう半端じゃないエンジン音。こんなん聞いたことねぇ。
それでもノンターボ軽の出るスピードは105km/hが限界。
ベタ踏みなんでもうここが限界です。勘弁して(泣)
 
それでもぴったり俺のスリップストリームに入ってくる後続車。
スピードを、緩めるわけには、、行かない!!!!
高速制動の良くない軽で、全力ベタ踏みのままカーブに挑み続ける。
ステアリングを切りながら、今にも吹っ飛びそうな横Gをなんとか耐える!
これ、いつスピンや横転してもおかしくないGだぞ。
 
 
カーブの度に死を覚悟しながらなんとか40kmの距離を走り抜け、
だい、
一般道に、
生還。
もう高速乗らねえぞ。。。
 
 
地獄のロードファイトの甲斐あって、
チェックイン予定時刻ちょいオーバー程度でホテルに到着。
お気に入りのレオパレスホテル。
 
今日は死んだように眠ります。
おやすみなさい。
高速の夢だけは見ませんように…
 
 
今日の運転距離:約340km


Categories: 旅。

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