山本美絵の世界。

April 04 2001 22:25

山本美絵のアルバム、買いました。
先行シングル2枚のあまりの狂気ぶりに「これは!」と思っていたんで、やはりこれは見逃せないな、と。
やはりアルバムでも美絵嬢、圧倒的でした。
一曲一曲、泣けた。別に感動するわけでもなければ、悲しかったわけでもないのに、何故か泣いた。
わかんないけど、理解不可能、説明不可能な恐怖感に似た衝動がその世界にはあるわけで。

「ほっといて。独りになりたいの。独りが好きなの。」
「要らないよ。食べたらまた太る。食欲が無いの。」
いつも頭の中に霧が、霧が覆い被さっている
私は本当はここにはいないの 全部借り物 私の言ってる事、

みーんな嘘!! だって私、大嘘つきだもん
「○○ゴッコ。」「○○ゴッコ。」…
あれ?今までどうやって生きてきたんだっけ? 忘れちゃったよ あはは
みーんな嘘!! だって私、大嘘つきだもん
「○○ゴッコ。」「○○ゴッコ。」…
そっか 今まで何も考えてなかったのかもよ
そのほうが楽じゃない
大人はすごいなぁ みんな、生きてこられて偉いなぁ…

「ちょっと見て!これすごくカワイイよ。あれもカワイイな。」
「がんばって!絶対うまくいくって!応援してるから。」
いつも身体の中に誰か、誰か違う人がいる
私は本当はこんなんじゃないの 全部ニセモノ 私のやってる事、

みーんな嘘!! だって誰もが演じてるんだもん
「○○ゴッコ。」「○○ゴッコ。」…
だから世の中こうやって、やってこれてるんだよね 忘れてたよ あはは
みーんな嘘!! だって誰もが望んでるんだもん
「○○ゴッコ。」「○○ゴッコ。」…
そうだ、今、頭が「パァーン!」って割れちゃったなら、笑えるかもね
そのほうが楽じゃない

もう誰も信じられなくなちゃったよ あはは
自分の事も、自分で信じられないよ あはは
こんな気持ちは、大人になれば消えてくの?
それとも、毎日は繰り返していくの?
幸せな大人はどこにいるの?
皆、幸せを演じているの?

みーんな嘘!! だって私、大嘘つきだもん
「○○ゴッコ。」「○○ゴッコ。」…
あれ?今までどうやって生きてきたんだっけ? 忘れちゃったよ あはは

みーんな嘘!! だって誰もが望んでるんだもん
「○○ゴッコ。」「○○ゴッコ。」…
そうだ、今、頭が「パァーン!」って割れちゃったなら、笑えるかもね
そのほうが楽じゃない
そう、笑ってみたいな 心から あはは

 

例えば、水曜日いつもの帰り道で
日が落ちても まだ虚しく薄明るい空の下
車道の隅に つぶされて よせられた猫に目が止まり
頭かすめては すぐ消えた ほんの一瞬の幼い記憶

次の日も その次の日も それは同じ場所で
土に戻る事すらできずに みるみる腐り続けた
そのあまりにも小さく 惨たらしくて 汚い姿に目をつぶり
そのうち誰か かたづけやしないかって 素通りするのさ

歩き慣れた いくつかの道でさえ
何も出来やしない
目をつぶり 日ごとに腐っていくのは
そう あれは猫じゃない

窓から漏れ出す灯り 話し声 笑い声
家族に囲まれた少女が ろうそくの火に息をかける
そのあまりにも小さく 儚くて 無邪気な姿に目をつぶり
そのうち誰もが あんな風に笑えなくなるって 素通りするのさ

歩き慣れた いくつもの道だから
「何も見えなくても歩ける」と
日ごとに見失っていくもの
もう 二度と戻らない

帰り道では決まって 雨ざらしのポスターの中から
顔色の悪い男達が 揃って笑いかけてくる
通り行く人々から 走り去る車の中から ビルの窓から
信号待ちのランナーから 自転車のベビーシートから
放課後のはしゃいだ学生達から 家路に向かう背広服から
背中に向けられる視線感じては
背中に向けられる視線感じては

立ち止まって 痛み感じても 何食わぬ顔さ

歩き慣れた いくつもの道だから
「何も見えなくても歩ける」と
日ごとに見失っていくもの
もう 二度と戻らない

歩き慣れた いくつかの道でさえ
何も出来やしない
目をつぶり 日ごとに腐っていくのは
そう あれは猫じゃない

 

休みのありがたみも麻痺した
プーも半年立派なもんだ
家族は皆、洗車へ出かけた
こうして足の爪を切っているんだ
テレビも気が滅入る一方で
外は皮肉なくらい晴れていて
窓を閉めようとしたら
網戸にコガネムシが張り付いてた
最近では外に出るのも億劫になった
私のヤニで黄色く染まったこの部屋の中に
なんだか、入りたがってるみたいだ

こんなにも晴れた日に 外の土も踏まないなんて
棚のパンジーの鉢植えを取り出してその土に触れたんだ
こんなにも晴れた日に 誰とも顔を逢わさないなんて
窓の外から来た客を迎え入れその土に埋めたんだ

今やどれも同じ味がするんで
親の煙草、盗んで吸ってんだ
気晴らしと言えばそればかり
気が滅入ると言ったらそればかり
先週の面接もだめそうだ
親に臭いもの扱いされて
空気入れ替えようとしたら
網戸にコガネムシが張り付いてた
最近では面接行くんで真っ黒にした
私の髪でめっきり暗くなったこの部屋の中を
なんだか、照らしてるみたいだ

こんなにも晴れた日に 外の土も踏まないなんて
棚のパンジーの鉢植えを取り出してその土に触れたんだ
こんなにも晴れた日に 誰とも顔を逢わさないなんて
窓の外から来た客を迎え入れその土に埋めたんだ

人気の無い午前10時の秋の海で 教科書を燃やした
学校裏の神社でブランコ揺らしながら 人を欺く事を二人で笑ってた
駐車場の片隅で 車に隠れて いけない煙を吸い込んだ
彼女の白い靴下にはオナモミがへばりついてた 望みもしないのに

生きてくのが辛いって もう意味が無いなんて
電話口で彼女がもらしたから
その場しのぎに「大丈夫だよ。」だなんて
あたしのんきにね 励ましたりしてさ

このブランコどこまで高くこげばいい?
もう別に落ちたって構わないよね
どっちが高くこげるかな
どっちが早く落ちるかな
「もう飛べた?」「何が見えた?」「あたしはまだだよ。」

あの頃 あたし達には ほんのはずみさえあれば
生死を司る事もできた
どこまでも広い空 広い夢
夢だって事もわかってたけど

全ての苦しみを全部 背負い込んだ気になったけど
そんな勇気は無かったね お互いに
あの空に届く事だけを願っていた 傷だらけの
手首はちゃんと 熱かったよね

あのブランコをこぐのをやめてしまった日に
あたし達は死んでしまったよ
どっちが遠く行けるかな
どっちが早く着けるかな
「もう飛べた?」「何が見えた?」「あたしは….」

このブランコどこまで高くこげばいい?
もう別に落ちたって構わないよね
どっちが高くこげるかな
どっちが早く落ちるかな
「また飛べるよね?」「いつか見えるね?」「あたし達は….」

 


Categories: カルチャーの嵐。

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