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【不定期刊】レゲエ講座(2)

May 01 2006 23:59

ヤーマン!
わずかばかしの間、いかがお過ごしでしたかコンニャロメ。
俺はいろいろありまして死亡遊戯ですが、だからといってレゲエは止まらないので自分を奮い立たせて講義します。
讃えろコンニャロメ!
 
ちなみに、「ヤーマン」ってのはパトワで「よっ!」とか「こんちゃ!」とかその程度の軽い挨拶の言葉でっす。今晩から早速使ってみて下さいな。
友達にヤーマン!お母さんにヤーマン!恋人にヤーマン!上司にヤーマン!きっと楽しい気分になりますよ。クビになる確率も2%ほど胎んでいますが…
 
そんなわけで、前回はリディムとは何ぞや!?
という話をしたので、今回はじゃあ何故そんなことになっちまったのか。って四方山話をちょいとしてみようかと。
 
 
 
【初心者のためのレゲエ講座第2回~リディム編~】
 
ではまず手始めに、リディムの問題と切って離せない、DJスタイルの話からしましょー。
DJ。って聴いて思い浮かべるもの。日高ゴローやヒロ福地のような、ラジオで喋ってる人を思い浮かべるかた、はい、貴方ちょっと古いですね。今はパーソナリティというのが一般的ですよー。
ヘッドホンしてレコード回してるチェケラッチョな人を思い浮かべるかた、はい、貴方が通常です。でも間違いです(何)
レゲエにおいてのDJ(Dee Jayとも書く)とは、世間で言うところのDJではなく、世間で言うところのラッパーなんですねー、びっくり!
レンジで温めたりとかではなくて、ラップする人です。あ、余計わかりにくい。言わなきゃよかった。。。
 
え?ラッパーがDJ?じゃあレコード回すの誰よ?レコード回しながらラップすんのかコラァ!と怒らないでよ(いやん)
レゲエではレコードを回す人をセレクターといいます。曲をセレクトするからセレクターなんです。じゃあなんでマイク持ちがDJかってのを今からごゆるりと。
 
ジャマイカは、もともとはイギリスの植民地でした。ごく一部の白人と、大多数の黒人奴隷で成り立っていたのれす。
奴隷解放が進んだ後も、貧富の差は依然として厳しいものがありました。そんな貧しい黒人たちには、レコード1枚買うのも大悩みです。ということは、売る方も大悩みです。
ちなみに、流通システムが確立していなかった当時のジャマイカでは、レコード店はどうしていたかというと、人のよく通る道の道端で、屋台のような感じでレコードを売っていたんですねー。ほら、大通公園でラムネとかとうきびとか売ってるアレね。そこで、売るわけですよ、レコードを。
 
ほんの少しなりとも経済が良化するにつれて、レコードの売上枚数も増えてきます。そうすると、オラもー、オラもー、とレコード店を出す人も増えてくるわけです。
ということは!
そういう道端に、いくつものレコード店が並んじゃうわけですよ!そうすると、今まで1店だけならシェア100%だったのが、10店になるとシェアは10%にまで落ち込んでしまう。これは死活問題!
 
そこでとあるレコ屋さん。もう自棄になって恥も外聞もかなぐり捨てます。
っていうか陽気なジャマイカンのことです。むしろ嬉々としてやってたかもしれません。その瞬間、俺はジャマイカにいなかったので想像ですが。
何かというと、レゲエのレコードの多くは、何でなのかはわかりませんが、A面は普通の曲、B面は「VERSION」といって、オケ(インスト)が入ってるのが通例だったんですよ。日本で一時期、シングルにカラオケが入ってるのが主流だったのと同様。
利口な彼はこれに眼をつけました。A面はみんな店先でかけてるから、ウチでかけてもたいして目立たない。じゃあ思い切ってB面のVERSIONをかけて、ノリノリで客を煽って目立ってやる!!
そんな思いつきが功を奏し、オケに乗って「そーら、寄ってこい、この曲は~、すっげーノリノリだぜ~」みたいな口上を声高に叫ぶ彼の店へ、やんややんやと人が群がってきました。
言ってみれば「寄ってらっしゃい見てらっしゃい」とかみたいな叩き売りのノリです。
いいですか、これがラップの始まりです(と言われています)!あんまり格好いいもんじゃないですが、これが真実です。歴史って往々にしてそんなもの。
では何故レゲエにおいてマイク持ちがDJと言われるのかわかりましたね?そう、もともとはレコードを回して売っていた人たちが、マイクを持ち始めたからなのです!ガッテンガッテンガッテン!
 
 
さて、それでは話長くなってしまってそろそろ飽きてきた人もいると思うので、話を進めます。リディムの話。
そうして始まったDJスタイルですが、歌モノよりも好き勝手言い放題のスタイルが人気を博し、現場でも、むしろ歌モノより人気が出てきました。
もともと、ジャマイカではコーラスグループや、通常のバンド形式がミュージシャンの主流だったのですが、一匹狼のDJたちのレコーディングには、レコード会社の人も頭を悩ませます。
DJの曲をレコーディングする度に、いちいち曲を作って、んで演奏するバンドを呼んできてオケを演奏してもらって~、じゃ金がかかってしょーがありません。
でも、DJたちの増加、レコード売上枚数の増加によって、いっぱいレコード出していっぱい儲けたい。
そこでまた考えた利口な人。
じゃあ、一曲オケ作って、演奏したのを録音して、それを何人かのDJで使い回して上録りすりゃいいじゃん!
みたいな節約策を考えついたわけですよ!
早速実行に移しましたが、これが少ししか広まらなかったのです。
なぜ!
ってのも、やはり曲を作って、バンドの人たちが演奏の練習をして~、ではそんなにすぐできるわけじゃないですし、バンドの人たちもそれで仕事が減ったら商売上がったりです。使い回す分だけギャラ寄こせ!と言ったと思われます(想像ですが、言わないわけがない)。
 
この状況で、いやーん困ったと言って諦めては男ではありません!
先進的なごく一部のプロデューサーたちは、その頃開発されたばかりのシンセサイザーを使って自分たちで打ち込みで曲を作ることにチャレンジし始めました。
何って、バンドを呼んできて練習させて、ギャラ渡したりって必要がないんだもの。節約節約。
そしてついにそれが陽の目を見る時がやって来たのです!あらびっくり。
1985年、なんとそのうちの1曲が世界を揺るがす大ヒットとなったわけでっせ旦那!
その曲の名は、Wayne Smithの「Under Me Sleng Teng」。
正直、この曲を知らない人はレゲエを聴く資格が無い!って言われるほどのモンスターリディムですよ。そういうふるい落としはしたくないんですが、いやでも本当に、このリディム知らないと話にならないのも事実なんで、聴いて下さい。ダダダダダダダダダダダダダッダン!というわりと単純なシンセベースの重低音が特徴的ですね。そうだと言えコノヤロー!
それはそうと、この曲の大ヒットにより、このリディムを使った他の曲もそれに乗じて次々と大ヒットを記録しちゃったわけなんですねぇ。
これで大儲けしたのが、リリース元の「King Jammy’s」というレコード会社。なんせ自分でシンセで作っちゃったんで、DJたちへのギャラ(これがまた安い)以外はもうほとんど粗利。ちょっと生々しい話ですが。これも社会人の努め(銭)。
 
で、このリディムは代表曲の名前にちなんで「Sleng Teng」と名付けられたわけですが、儲かる手法を放っとかないのが商売人。「Sleng Teng」に続け!とばかりに我も我もとシンセを買い求め、たくさんDJを呼んできてレコードを量産しました。そりゃそうだ。
 
さあ!これがリディムの始まりです。わかりましたか?
わからない人は、もうこれ以上平易に説明するのも難しいので、もう一回読み直すか、直接俺に訊いてくれ(殴)
 
 
んで、そうなるともう、生バンドなんてあまりお呼びがかからなくなり、コンピュータライズされたリディムが主流、っていうかほとんどになって、今に至るわけです。
そんで、なんせ手軽に作れちゃうもんで、1年にもう数え切れないほどのリディムが作られていくわけですよ。
そんな中、そのうちの一握りのリディムは、出す曲出す曲バカ売れ。そんでバカ売れするもんだから、じゃあこのリディムでもっとたくさんのDJに歌わせよう。となるし、DJも歌いたいしで、さらにバカ売れ。気が付いたら1個のリディムで大ヒット曲20曲以上とかいうモンスターリディムも出てくるわけ。
PUNNANYとか、DUCKとか、SICKとか、Stalagとか、Love Punnany Badとか、
最近だったら前回解説したDIWALIとか、PARTY TIMEとか、GOOD TO GOとか、COOLIE DANCEとか。
 
どーせなんで、ジャパニーズのCOOLIE DANCE使い曲数曲をダイジェストでまとめたので、聴いてくらはい。
個人的な意見としては、一番大好きなリディムなんで。
1曲目:VADER & HAN-KUN「COOLIE DANCE」
2曲目:KENTY-GROSS「G-STYLE HYPER」
3曲目:SILVER KING「IT’S ON」
4曲目:RYO the SKYWALKER「ROCK ON THE BEAT」
5曲目:JUMBO MAATCH「HOW」
6曲目:KENTY-GROSS「BUM PACHIMON DEM」
7曲目:TRUTHFUL「COM DEH」
8曲目:KENTY-GROSS & MINMI「I WANNA GET A PRINCESS」
 
さぁ、ここまでの話で、「リディム」というレゲエ独特の面白味ってのがわかっていただけたでしょーか?
これを面白いと思うかどうかで、レゲエが好きになるかどうかってのはかなり別れるとは思うんだよね。
正直、リディムをメインにして考えれないタイプの人は、レゲエを長く聴く可能性は低い気がするのね。
逆に言えば、ここまでの話、をっ!!なるほど!!面白いぢゃん!!
って思った人は、レゲエ好きになる公算が高いので、ぜひ次回も読んで下さいな。
 
でわでわ、次回は、「レゲエは現場至上主義!サウンドシステムの魅力!!」をテーマに講義します。



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決めたことだし。

May 01 2006 01:11

たとえ心が折れそうなアレコレでも、
いろんなマイナス面とかを恐れずに、
ゼロの状態で物事を見て、まっさらな気持ちで。
 
誰かの言葉とか、誰かの意見とか、
そんなのは何らかのバイアスがかかってるわけだし、
それは特定の立場から見る一意見に過ぎない。
 
大事なのは、
目の前にあるものだけを自分の目で見て判断すること。
そうじゃなければ、
自分だけがわかる、いろんな自分の中の諸々を、
結局無意識のうちにねじ曲げることになるし。
 
 
そうやって捨てた自分のくだらないこだわりとか、
そうやって向かう自分の目指すべき姿とか、
それを一心不乱にやってくことだけが今できること。



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