七大陸周遊記~第1章~(2)オホーツクに消ゆ。

August 28 2003 21:56

(この文章は、2003年8月の日記を2015年4月2日に改題・改編・加筆したものです)
 
 
【2002年9月3日】
結局初めての帯広を堪能する間もなく、朝8時に出発。
憧れのあれやこれやが待っている。憧れじゃない帯広に構っている時間はないのだ(失礼)

音更町を抜けるとそこは大自然。
9月にもなるのにやたら暑い日。エアコンの風が好きではないので、自然の中だと存分に窓を開けて涼めるので幸せ。
足寄を抜けてすぐ、今日の第一の目的地・オンネトーへの脇道に折れる。
 
オンネトーはオホーツクに消ゆに出てくるスポットではないけど、ドライブマップとかを読んでて来てみたかったポイントの1つ。
なんてかさ、季節や時間によって七色に変化するらしいよ!
そんなロマンティックあげるよな場所、平成浪漫の旗手だい様ともあろう者が見過ごすはずがない。
 
オンネトーへ向かう小道は自然に溢れた田舎道で、快晴の下を窓全開にして気持ちのいい風を受けながら気分よく快走。
と、何かの物体が窓から車内に凄いスピードで飛び込んできて、運転中のだい様の胸元へ。
なんか葉っぱでも入ってきたかな?と思ってチラっと胸元を見ると。
 
デカい蜂ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!(涙)
 
ヘルプ!! I need somebody~♪
知ってるか、人間ホントにピンチな時は、ビートルズを歌ってる余裕がないんだぜ…
暴れて刺されたりなんかした日にゃあ、オンネトーすら拝めずに野垂れ死んじまうぜ。と考え、車を停めて冷静に(動作だけは)車外へ脱出。
しかし野郎は飛んでいこうとしないどころか、服の上で這い回っているので、このままではこいつの気まぐれ加減で
「ちょっと刺してみよーっと」
なんて軽い気持ちでKILL!KILL!される可能性すら。
ざけんなよ!こっちは遊びじゃねんだ!
 
もはや猶予は無い。
このまま黙って刺されるのも、立ち向かって反撃されるのも一緒や!
と覚悟を決めて、車内にあるロードマップでそっとはらう行動に出る。
 
えいやっ!
 
駄目だ、寸止めで風力を起こす程度ではこいつは微動だにしない!
とんでもねぇメンタルだぜ…
 
くそぅぅぅ、どりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!
 
覚悟を決めて、ロードマップ(分厚い)を全力でぶち当てに行く!こうなったら殺るか殺られるかだ!
俺の殺意を全力で込めた一撃に奴もびびったのか、当たった瞬間についに俺の服からすごい勢いで離れる奴。
今だ!!!!
 
その瞬間を見逃さず、野生動物並みのスピードで車内に飛び込みドアを閉める俺。
奴はちくしょおぉぉぉぉ!とばかりに車の外を飛んでいるが、鉄の箱という鎧を纏った俺に死角はない。俺の、勝ちだ。
蜂に完勝した俺は、快晴のオンネトーへの道をエアコンをつけて意気揚々と飛ばすのであった。
 
そんな死地をくぐり抜けてついにオンネトーへ到着。
ほぼ全方位を木々に囲まれた姿はまさに秘湖と呼ぶに相応しい佇まい。
札幌っ子にとっては身近な湖といえば支笏湖や洞爺湖なわけだけども、
それらの湖が快晴がよく似合う「陽」の湖とすれば、
オンネトーは木漏れ日が似合う「月」の湖といったイメージ。
風にそよぐ木々の音だけを聞きながらのんびり眺めて時間を過ごしたい、そんな雰囲気でした。
なお今日の湖面は青緑っぽい色。
変わらないかなと思って30分くらいいたけど、さすがに変わらなかったわ(笑)
 
 
しばし走ると、標識に阿寒湖の文字が。
阿寒湖といえば、「オホーツクに消ゆ」で写真屋のおっさんが観光写真撮ってるあそこや…!

と思い阿寒湖付近を少し走ってみたものの、それっぽい駐車場が発見できず断念。
今度来る時にあの景色をちゃんと探してみよう。
 
 
13時過ぎ、弟子屈町に到達。
宿のチェックイン時間まで少しあるので、まずは摩周湖の展望台へ。
ついに…ついにオホーツクに消ゆの舞台へ…!
駐車場から坂を登って展望台に辿り着くと、

あったーーーーーーーー!!!!!!!
真ん中に小島の見えるあの景色や!!!!!!
双眼鏡は無いけど、でもあの景色や!!!!!
 
感動に打ち震える24歳男性。
しかも霧一つかかっていない快晴の摩周湖。
晴れ男すぎる!!

30分ほど感動に浸った後、摩周湖と弟子屈市街の中間くらいの大自然の中にあるペンション・風曜日にチェックイン。

まだ新しいのか、木の匂いがすごい!
完全バリアフリーがウリで、客室のドアも引き戸なのでなんか宿泊研修に来たみたいな感じ(笑)
 
チェックインを済ませてもまだまだ時間があるので、
もうこの際思い切って断トツ一番の行きたいスポット・トドワラまで行ってしまおう!
2時間半くらいかかりそうだけど、まあ何とかなるだろう。
 
もうね、トドワラだけはホントに特別なんですよねぇ。
「オホーツクに消ゆ」では、遂に連続殺人の真実に躙り寄ったかと思いきや、実は1件は無関係の事件でした、という重要な岐路となる場面。
あの!
景色を!
見たいんじゃ!

それほど思い入れのあるトドワラを見れる興奮で、100kmやそこらの道程など一瞬に感じるほどのアドレナリンMAX状態(やばい)
そんな状態で走ること約2時間。
国道272号線の何もない長い山道を抜けるとそこには。
 
おおおおぉぉぉぉ!海じゃ!オホーツク海じゃ!!!!
 
日本海側で生まれ育った男の、オホーツク海との初の邂逅。
別に変わらぬ海は海なんだけど、何がいちばん違うって、太陽の向きが違うから、何かすごく寂しい空気感!
なんかさ、
道の先にオホーツク海が見えた瞬間の感覚、
すごかったんだよね。
言葉にするの難しいんだけどさ、
あっ、これだ。
みたいな、なんか不思議なワクワクと感動。
あの瞬間の景色だけはさ、
生涯忘れることがないんだろうな、って思ってる。
 
そんな初めてのオホーツク海に感動しながら、さらに野付半島へと向かう。
地図を見た感覚だけだと、野付半島の根元まで来ちゃえば、先端まですぐ!みたいな感じなのに、実際にはけっこう長い。これぞ地図のマジック。
でも、途中からは右手にナラワラが見えてきたりもして、
おおおおおぉぉぉぉ、トドワラの仲間やーーーーー!
といちいち感動に打ち震えるだい。
そしてついに野付半島ネイチャーセンターに到着。
 
トドワラはどこじゃ?
と調べると、なんとトドワラはここから砂州のほうまで歩いて30分ほどかかるとのこと。
この日の野付は、数日前まで降り続いた雨から一転して快晴になった影響か、未曾有のレベルで蚊が大量発生していて、長時間野外を歩くのは危険だし、
もう陽も落ち始めていて、場合によっては戻ってくることが困難になる可能性があることから、憧れのトドワラは断念。泣く泣くネイチャーセンターから観光湯双眼鏡で眺めることに。くそー!来年また来てやる!
 
来た道を延々と戻り、弟子屈町内で夕食を済ませた後は宿でのんびり。
他の客が寝静まったであろう24時頃に館内を散策してみると、ロビーの近くに木製のおもちゃが。
わーー、輪投げ楽しそう~★
と思って輪投げやったら、バチぃぃぃン!!!!!!という凄い音が。
たぶん10人くらいは起こした。ごめんなさい。


[今日の運転距離:約360km]


Categories: 旅。

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