ミルクの冠。

August 10 2018 21:00

女々しいなんて言われても、
悲しいものを悲しいと思うのは自然なことだし、
寂しいものを寂しいと思うのは自然なことだし、
ぼくはぼく自身が弱くてみっともなくてどうしようもないぼくなことを、嫌になって嫌になって嫌になるくらい自覚しているので、
少し前まで思い描いていた未来が失われたという厳然たる事実をね、
「さあ!切り替えろ!そんな未来はもともとなかった!」
なんて言われてもね、
頭ではわかっていても、もう少しだけ嘆くことをお許し下さい。
 
 
「こぼれたミルクに泣かないで」
欧米のことわざ。
 
泣かないで、って言われても、
それが、大事で大事で大事なものだったら、
泣くよ。
そりゃあ、泣くよ。
 
盆に還らない、
わかってるよ。
わかってるから泣かない!
そんなもんじゃないよ。
泣くよ。泣かせてよ。
 
わかってるんだよ。
こぼれた瞬間に見えたミルクの冠。
綺麗だったよ。
素敵だったよ。
 
 
ミルクの冠は、
一瞬しか見えないから美しい。
 
ミルクの冠が消えて、
波紋が静まって、
そこに何もなくなったら、
その時に歩き出そう。


Categories: 思う。, 自分という存在。

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