film0026: SUSPICION (1941)

March 04 2018 23:46

SUSPICION
邦題「断崖」
 
映画レビューサイト総合偏差値:3.38
国内映画レビューサイト偏差値:3.27
海外映画レビューサイト偏差値:3.62
だい評点:★★
USA
1941年11月14日公開
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョーン・フォンテイン、ケイリー・グラント etc
製作・配給:RKO
◎アカデミー主演女優賞
◎NY映画評論家サークル女優賞
◎キネマ旬報外国語映画賞
 
【本編の内容が限りなく少ないあらすじ】
一等車に乗るリナの向かいの席に、煙草の煙から逃げて隣の車輌から移ってきたという男が座った。3等席の乗車券しか持っていなかった男は改札から要求された追加料金を支払えず、リナに支払ってくれるよう頼んだあげく、勝手に切手を取って支払ってしまい…。
 
【だいレビュー(ネタバレ有)】
ストーリー自体はね、さすがヒッチコックなんですよ!
何事にも嘘をつく夫、
お金にだらしなすぎる夫、
というのを様々なエピソードでこれでもか!と見せたうえで、
妻に内緒の生命保険、
毒薬について記載した書籍、
疑念が高まるようにしかできてない!!!!
 
上手いよなぁ。
 
 
でもね、あかんのです。
何がって、
 
 
ジョニーがクズすぎる!!!!!!!!!!!!!
 
 
全映画史上最もクズな男の可能性すらある!!!!
胸糞オブ胸糞すぎて、
ストーリーが入ってこない!
 
さんざん裏切られて嘘つかれても離婚しない妻も異常!!!!!
親からも悪評聞かされたうえで、
ギャンブルはやめない!
先祖伝来の椅子を勝手に売る!
会社で大金を横領してクビになる!
上記全部隠すために嘘をつき続ける!
新事業のリスクを考えていない夫を心配したら、口を出すなと激昂する!
 
す が す が し い ク ズ
 
 
これで踏み切れないリナって、
全映画史上最も頭のおかしい女の可能性すらある!!!!
さすがに横領は我慢しちゃあかんレベルやぞ…
 
 
あと、結末がどっちつかずになった感がひどい!
ウェイターの証言から、
ビーキーと一緒に飲んでたのは「OLD BEAN」と呼ばれていたジョニーの可能性が高い。
つまり、ジョニーはビーキーを事故に見せかけて殺害した。
ここから導き出されるのは、
「ジョニーは本当にリナを殺害するつもりである」
ということで、
それを裏付ける最大の証拠が、
妻の死亡時のみの支払となる保険証書と、
横領でクビになったことをリナが知る前に既に「違う方法で返済する」と元の職場に連絡しようとしていること。
 
ものの話によると、
原作ではリナが殺されて終わるらしくて、
ヒッチコックは原作通りにしたかったんだけど、
RKO側がバッドエンドを断固拒否したとか。
 
だからヒッチはせめてもの抵抗として、
ハッピーエンドに見せかけて、実はこれも夫の嘘なんですよ、
っていう含みを持たせた終わり方なんだろうけど、
そんな苦肉の策だからこそ中途半端になっちゃったな。
 
OLD BEANの件もはっきりさせちゃうとジョニーが殺人者確定して、
ハッピーエンドと辻褄が合わなくなるから、
結局有耶無耶なまま終わらせて、
「気付く人だけ気付いて!」ってやり方だよね。
 
 
製作・配給側が作品をダメにする好例だよなぁ。


Categories: 38歳から始めるシネフィルへの道。

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